ゴールドマン・サックス出身の古 庄秀樹氏が代表のプルーガ・キャピタルは、東京大学大学院の松尾豊准 教授と共同で、ブログに流れる膨大な言語情報を解析した売買手法を使 って日経平均先物に投資するヘッジファンド「プルーガ・AI(人工知 能)ファンド」の運用を始めた。

同ファンドは、従来のチャートやクオンツ分析に加えて、数千万の 日本語ブログから言語情報を分析し売買を判断する。古庄氏は「世界で 一番利用者が多いといわれるほどブログ好きの日本では、ブログの言語 情報が投資のインフラとなると考えた」と運用開始の動機を語る。

総務省が毎年発行している情報通信白書によれば、2009年末時点 で(日本の)インターネット利用者数は9408万人、普及率は78.0%に 達している。情報基盤整備に伴い増大するブログ情報を分析し超過収益 を狙う。

昨年8月から4月11日までの自己資金による運用収益は7.5%で、 同期間の日経平均の上昇率1.9%を上回った。古庄氏によると、06年 11月から10年7月まで同じモデルで運用していた場合、リターンは

46.8%に達していたという。ファンドは年間収益率30%を目標にする。

この投資モデルは、東京大学大学院で人工知能を使ったウェブ・マ イニングを研究する松尾豊准教授監修のアルゴリズムをもとに売買を判 断する。「移動平均を下回る、好材料、好転見通し」などといった言語 がブログで増えていれば、コンピューターが買いと判断し取引開始前に 先物を買う。売買は1日1回、日計りで毎日午後3時頃には現金化する ため流動性も保たれるという。

学習機能と数千の判断基準

言語情報の多くは、時期によってポジティブにもネガティブにもな るところが難点であり差別化の源泉でもある。松尾准教授は「民主党と いう言葉の増加は2年前の政権交代時には株価の上昇材料となったが、 今は下落材料となることが多い」と話し、人工知能の学習機能や数千の 判断基準を設定することで言語分析の優位性を保つ考えだ。

3月の震災直後は取引時間中に「東京電力」をはじめとする言語情 報の傾向がめまぐるしく変わり、パフォーマンス悪化の要因となった。 松尾氏は「損切りルールを決めているので損失は限定的だが、変化の速 さにも対応できるようにしたい」と述べ、今後はブログだけでなくツィ ッターやソーシャルメディアの言語情報も収集することで、精度向上を はかる考えだ。

「プルーガ・AIファンド」は、国内、海外投資家から50億円の 資金を集めることを目指す。今後は、日経平均先物だけでなく、為替や 海外株式などを対象に同様の手法によるファンド組成を検討している。

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