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大和証G日比野社長:アジアや新興国で買収も-国内弱体化で危機感

国内証券2位の大和証券グループ本 社は、海外ビジネスを強化するため、アジアなど海外の金融サービス会 社の買収などを視野に入れている。高成長を続ける新興国などから資金 を取り込み、低迷する業績の回復につなげる狙い。同時に独自拠点の拡 大なども進める方針だ。

日比野隆司社長(最高経営責任者、55)は19日、ブルームバーグ・ ニュースとのインタビューで、インドや韓国、ブラジルなどで資産運用 や富裕層向けビジネスを展開する会社の買収または、合弁会社の設立を 模索していることを明らかにした。韓国では8月にもソウル拠点を現地 法人化する。

日比野氏は1日に社長に就任したばかり。中国に国内総生産(GD P)第2位の座を奪われるなど景気低迷の下で発生した東日本大震災を 受け国内収益基盤が大きく揺らぐ中、事業のてこ入れが課題だ。アジア 関連の収益率を現行10%から30%に高める方針で、経済拡大に伴い富 裕層も増えている新興国に照準を合わせる。

日比野社長は、企業への資金供給を柱とした法人部門や投資銀行業 務について、日本企業がグローバル展開する中、「われわれが日本に閉 じこもっていたら、日本での競争力もなくなってしまう」と危機感を表 明。海外収益拡大が急務との認識を示し、「アジアまでホームマーケッ トとしてとらえる」と強調した。

震災でIPO延期も

日本の株式引き受け市場について日比野氏は、大震災で「今期の見 通しが不透明で業績予測できないところはエクイティ・ファイナンスが 難しいだろう」と見通した。大和では引き受けが決まっていたラクオリ ア創薬とアヴァンスレートの新規上場(IPO)が震災の影響を理由に 延期された。

大和は2009年末の三井住友FGとの合弁解消後、法人部門を中心 に業績が低迷。ブルームバーグ・ニュースが集計したアナリスト6人の 11年3月通期(26日発表予定)純損益の予想中央値は38億円の赤字。 日比野社長は就任時、5年以内に日本を含むアジアの株式引き受けでト ップ5に入り「アジアを代表する証券会社」になる目標を掲げた。

21日の大和証G株価は前日比4円(1.1%)高の362円で取引を終了 した。

「競争可能なポジション」

日比野氏は法人部門について、ライバルの外資系の進出が遅れ「競 争しうるポジションにあるインド」や、「収益機会が見込める韓国」で 拡大する方針を強調した。韓国では8月にもソウル支店を現法化し、人 員も増強する考えを表明した。現法化で国債やデリバティブ取引資格が 取得できればトレーディング業務の拡大につながるという。

インドでは、同国内のインフラ整備事業に参加する日本企業と現地 企業とのクロスボーダーのM&A(合併・買収)仲介などを手掛けてい く方針だ。投資銀行業務について日比野社長は、中国や香港などの体制 整備には一応のめどがついたとの認識を示した。

大和はインド法人のシニア・アドバイザーに元インド財務次官のア ショック・ジャー氏を昨年5月に起用。韓国でも同アドバイザーとして 前韓国産業銀行総裁のキム・チャンロク氏を招へいしている。

一方、国内では今月免許を取得し5月に開業する大和ネクスト銀行 の預金額について「3年間で1兆円」を目指すと述べた。貸出業務を1 年以内にも始め、3年目の黒字化を狙う。インターネット銀行として大 和証券の顧客などに決済機能を提供するとともに、全国120カ店ある大 和証が銀行代理店として対面営業での強みを発揮していく。

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