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長期金利が約3週間ぶり低水準、あすの入札無難の見方-午後買い優勢

債券市場で長期金利は約3週間ぶ りの低水準を付けた。朝方は株式相場の反発などを受けて売りが先行 したが、午後に入ってあすの20年債入札が無難との見方が広がると、 買いが優勢になった。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、「最近の債券 相場は堅調な推移が続いており、基本的に長期金利は低下気味に動い ている」と指摘。さらに、「あすの20年債入札もある程度需要が見込 まれるとの期待感もある。水準感からも投資家の買いが入った」と述 べた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の313回債利回 りは、前日比0.5ベーシスポイント(bp)高い1.245%で取引を開始 した。午前は1.24-1.245%で推移したが、午後に入ると徐々に水準 を切り下げ、3時過ぎには1.5bp低い1.225%まで低下。3月29日以 来およそ3週間ぶりの低い水準を付けた。その後は1.23%で取引され ている。

債券相場が上昇に転じたことについて、あすの20年債入札に対す る警戒感が薄れたことが要因との見方が出ている。ドイツ証券の山下 周チーフ金利ストラテジストは、投資家が「買えるぎりぎりの水準だ ろう。当面は主要な国債入札がない。もっとも、証券会社が中心の入 札になりそうだ」と話した。

超長期債も上昇に転じた。朝方は20年債入札に向けた売りで軟調 に推移していた。前回入札された20年物の125回債利回りは一時前日 比1.5bp高い2.025%まで上昇したが、午後に入ると水準を切り下げ、 1bp低い2.00%ちょうどに低下。新発20年債としては3月25日以来 の低水準を付けた。新発30年物の34回債利回りも朝方に2.195%を 付けていたのが、午後に入ると1bp低い2.165%に下げている。

新年度の投資家需要も

金利が上昇すれば、新年度入りで運用資金が潤沢な投資家からの 買いが入るとの見方も出ていた。ドイツ証の山下氏は、「期初で、ゴー ルデンウイークが近づいてくれば、投資家は押し目買いを入るだろう」 と指摘していた。

朝方は売りが先行した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の 稲留克俊債券ストラテジストは、「日経平均株価が反発して始まったほ か、あすに20年債入札を控えていることなどから債券売りが先行した。 10年債利回りが1.2%台半ばを下回ったことで水準的な買いづらさも 広がった」と説明した。

あす20年債入札、利率引き下げへ

財務省はあす21日、20年利付国債の価格競争入札を実施する。 前回入札された20年物の125回債利回りは2.00%で取引されており、 表面利率(クーポン)は前回債より0.2ポイント低い2.0%が予想さ れる。発行額は1兆1000億円程度。

バークレイズ・キャピタル証券の徳勝礼子シニア債券ストラテジ ストは、あすの20年債入札について、「20年債利回りが一時2.1%前 後まで上昇していたのと比べると水準的には良くないが、利回り曲線 上で、10年-20年債利回りが傾斜化しており、それほど不安はないと 思う。5年-10年債利回りが平たん化したことと比べると悪くはない」 との見方を示した。

またクレディ・スイス証券の海老原慎司債券ストラテジストは、 「生保や年金といった最終投資家にとっての投資妙味は高い状態が続 いており、ALM(資産・負債の総合管理)運用への対応という観点 では引き続き、一定程度の購入は検討される水準にある」とみている。

先物は横ばい

東京先物市場で中心限月6月物は、前日比9銭安の139円45銭で 始まった後、日経平均株価が反発したことを受けて、売りが優勢とな り、一時16銭安の139円38銭まで下落した。しかし徐々に買いが優 勢となり、取引終了間際に1銭高の139円55銭まで値を戻した。結局、 変わらずの139円54銭で引けた。

日本証券業協会が20日発表した3月の公社債投資家別売買高に よると、都市銀行は、短期証券を除くベースで1兆3862億円の買い越 し、生命保険・損害保険は1兆810億円の買い越しとなった。

生損保は超長期債を過去最高水準の1兆1519億円買い越してお り、JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「ソル ベンシーマージン(保険金の支払い余力)比率が強化されるタイミン グで、期末に円債回帰の動きが強まった」と分析した。

こうした中、財務省が朝方に発表した3月の貿易統計によると、 貿易収支は2カ月連続で黒字を維持したものの、東日本大震災の影響 で輸出額が1年4カ月ぶりに減少に転じた。

3月の貿易統計速報(通関ベース)で、輸出額は前年同月比2.2% 減、輸入額は同11.9%増となり、貿易黒字額(原数値)は1965億円 の黒字となった。ブルームバーグの調査では貿易黒字は6454億円、輸 出額は前年比1.1%減、輸入額は同5.9%増が見込まれていた。みずほ 証券の末広徹マーケットアナリストは、「景気については弱めに見ざる を得ない」と語った。

一方、ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎主任研究員は、1-3月期 の外需寄与度は前期比マイナス0.1%程度と3四半期連続のマイナス を予想し、同期の実質国内総生産(GDP)は年率1%弱のマイナス 成長を予想する。

--取材協力:赤間信行、近藤雅岐、油井望奈美 Editors:Hidenori Yamanaka,Joji Mochida

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