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3月の輸出額は前年比で1年4カ月ぶりに減少-大震災の影響

3月の日本の貿易収支は2カ月連 続で黒字を維持したものの、東日本大震災後の部品調達の滞りや電力 不足を背景に生産活動が落ち込んだ自動車を中心に輸出額は1年4カ 月ぶりに減少に転じた。先行きも輸出の減速が続き、4-6月期の実 質国内総生産(GDP)を押し下げるとの見方が出ている。

財務省が20日発表した3月の貿易統計速報(通関ベース)による と、輸出額は前年同月比2.2%減の5兆8660億円となった。一方、輸 入額は原油価格の上昇を受け同11.9%増の5兆6695億円と15カ月連 続で増加した。この結果、貿易黒字額(原数値)は1965億円の黒字と なった。ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査では貿易収支 は6454億円の黒字を予想。輸出額は同1.1%減、輸入額は同5.9%増 の予想だった。

政府は先月23日に発表した3月の月例経済報告で、輸出の判断に ついて「持ち直しの動きがみられる」と判断を据え置いたものの、 「当面、地震による生産活動等の低下を通じた影響が懸念される」と 指摘。今月13日公表の4月の月例経済報告では、輸出について「持ち 直しの動きが見られたものの、大震災の影響による減少が懸念される」 と4カ月ぶりに判断を引き下げた。

クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは発表後の リポートで、「3月の輸出は上旬までの好調さに加え、すでに完成し た製品在庫が出荷された可能性がある」ことから、震災後の生産減の 影響は4-5月の貿易統計により色濃く反映されるとの見方を示した。 また、生産が震災前の水準に戻るにはしばらく時間がかかり、輸出の 回復も遅れると予想している。

自動車輸出は前年比27.8%減

財務省によると、震災発生後の3月中下旬の輸出額の伸び率は前 年同月比9.7%減となり、上旬の同14.8%増に比べて大幅に落ち込ん だ。輸入額は上旬が同16.3%増、中下旬が同9.5%増だった。

輸出入の主要品目をみると、輸出では米国や中国向けなどの自動 車が前年同月比27.8%減、シンガポール、台湾向けのDRAMなど半 導体等電子部品が同6.9%減といずれも大震災の影響から減少した。 このほか、パナマやシンガポール向けの船舶も10%減だった。輸入は 原粗油が14.8%増、鉄鉱石が74.9%増などと原材料が押し上げた。

輸出額を主要地域別でみると、米国向けは前年同月比3.4%減と 15カ月ぶりの減少。欧州連合(EU)向けは同4.3%増と2カ月連続 の増加。アジア向けはマイナス0.0で、17カ月ぶりに減少した。一方、 中国向けは同3.8%増の1兆2089億円と17カ月連続で増加した。伸 び率は前月(同29.1%増)に比べ大幅に落ち込んだが、輸出額は3月 単月としては過去最高を記録した。

震災の国内生産への影響は、トヨタ自動車が3月14日-4月8日 で約26万台、日産自動車は3月14-27日で約4万2000台、ホンダが 3月14日-4月10日で約5万8500台の見込みと発表している。

3月の輸出額、季節調整済みは7.7%減

季節調整済みの前月比でみると、3月の輸出額は7.7%減の5兆 4597億円、輸入額は1.4%減の5兆3634億円だった。

バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミストは 統計発表後のリポートで、「1-3月期の外需の実質GDP前期比へ の寄与度はマイナス0.2%ポイントになる」と予想。4-6月期につ いては「輸入は資源価格の高騰に加えて、復興需要を反映した数量に よる押し上げ効果が出てくる」ことから、貿易黒字が縮小する可能性 を指摘している。

--取材協力 堀江政嗣、向井安奈 Editor:Hitoshi Ozawa, Takeshi Awaji,Norihiko Kosaka

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