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米国債:上昇、30年債は約4週間ぶり低利回り-成長足踏み観測

米国債相場は上昇。30年債利 回りはほぼ4週間ぶりの低水準となった。米議会が財政赤字の削減で 合意すれば、経済成長が妨げられる可能性があるとの観測が背景。

10年債は3営業日続伸。ギリシャは債務再編が必要になるとの 観測が強まるなか、同国債の利回りはユーロ導入以来の最高に達した。 ガイトナー米財務長官は、政府や議会が支出に関する意見の対立を解 消することを確信していると表明。米格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)は前日、厳しい財政状況を理由に米信用格付 けの見通しを引き下げた。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダのトレーダー、ダン・マルホラ ンド氏は、「市場参加者は緊縮政策の可能性や成長への影響、今年下 期の成長を示す数値がこれまでの予想より弱くなる可能性を考えてい る」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後4時32分現在、30年債利回りは前日比3ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の4.43%。一時は4.49%に上昇し た後、3月23日以来の低水準となる4.42%となった。同年債(表 面利率4.75%、2041年2月償還)価格は1/2上げて105 9/32。

10年債利回りは1bp低下の3.36%。一時は3.41%に上昇後、 3月24日以来の最低となる3.34%を付けた。

朝方は米住宅着工件数の発表を受けて株価が上昇するなか、米国 債は下落する場面もあった。米商務省が発表した3月の住宅着工件数 (季節調整済み、年率換算、以下同じ)は前月比7.2%増加した。

政府の予算削減

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの指数によると、米国債 の今月のリターンはプラス0.65%。第1四半期(1-3月)はマイ ナス0.14%だった。昨年年間ではプラス5.9%。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)は、政府の予算削 減で景気が減速し、米連邦公開市場委員会(FOMC)による利上げ が先送りされるとの観測を手掛かりに米国債利回りは低下していると の見方を示した。

同CEOはブルームバーグラジオとのインタビューで、「緊縮財 政は短期的に成長を鈍化させる」と指摘。「市場は今後の行動を織り 込んでいる。緊縮財政策の実施が進めば、その分FOMCが金利を据 え置く可能性も高くなる」と述べた。

グッゲンハイム・パートナーズの米政府トレーディングディレク ター、ジェイソン・ローガン氏は、「S&Pによる米国債格付けの見 通し変更は警鐘として受け止められた」と指摘。「景気の強さに関し て、政治的な駆け引きはできない。あまりにも脆弱(ぜいじゃく)だ からだ」と述べた。

ギリシャの財政危機

米国債が上昇した背景には、ギリシャの財政危機への懸念からギ リシャ2年債の利回りが過去最高の20.7%に上昇したこともある。 ギリシャは債務再編が必要になる公算があるとのショイブレ独財務相 の14日の発言をきっかけに、欧州の高債務国の国債は大幅に下落し ている。

スタイフェル・ニコラスのボルティモア部門で政府債トレーディ ング責任者を務めるマーティン・ミッチェル氏は、「欧州での展開が 原因で、安全性を求めた米国債市場への逃避が活発になっている」と 発言。「その展開とは欧州の周辺国のことだ」と述べた。

ニューヨーク連銀は2014年1月-15年2月に償還を迎える米 国債66億8000万ドル相当を購入した。6月にかけて6000億ドル の国債を購入する計画の一環。20日には、13年4月-41年2月償 還のインフレ連動債(TIPS)を10億-20億ドル買い入れる。

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