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UBS:投資銀の危機前水準回復は無理か-目標未達なら削減とCEO

スイスの銀行最大手UBSは投資 銀行部門の立て直しをゴールドマン・サックス・グループ出身のカー ステン・ケンジェター氏に託したが、2年がたった今もオズワルド・ グルーベル最高経営責任者(CEO)を満足させる成果は出ていない。 アナリストらはUBSが投資銀行事業を危機前のレベルに戻すことは 無理なのかもしれないと指摘する。

ケンジェター氏(44)は2009年から、投資銀行部門の業績を14 年までに金融危機前の水準に戻すというグルーベルCEOに与えられ た課題に取り組んでいる。設定されている目標は年60億スイス・フラ ン(約5500億円)の黒字。しかしこの2年間、UBSの投資銀行収入 は競合行を下回っている。

グルーベルCEO(67)は今年2月、同部門の業績について「ま だ満足の行く水準でない」と言明。収入が伸びないならばコストを削 減すると述べていた。ケンジェター氏の下からは過去2カ月に事業部 門責任者10人のうち4人が辞意を表明。人材流出も業績改善の妨げと なっている。過去2年には危機中に解雇したバンカーや退社した人材 を補うため1700人余りを採用した。

MFグローバルの欧州株式共同責任者、サイモン・モーガン氏(ロ ンドン在勤)は、UBSが「危機前の水準に戻ることはない」として、 「ダメージはあまりにも大きかった。その間に世界は前へ進んでいた。 グルーベルCEOは投資銀行の目標を引き下げなければならないだろ う。現在の目標が達成されることはないからだ。市場は望みがないこ とを知っている」と話した。同氏はUBS株の投資判断を「売り」と している。

自己資本比率

銀行の自己資本・流動性の厳格化された新基準である「バーゼル 3」が導入されることに加え、スイス政府は同基準の2倍近い自己資 本比率を国内2大銀行に求める案を示している。

米マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院のサイモン・ジ ョンソン教授はスイスの大手銀行について「国のバランスシートとの 対比で非常に巨大だ」とし、スイスは「アイスランドやアイルランド の二の舞になるわけにはいかない」と指摘する。同教授はブルームバ ーグ・ニュースのコラムニストでもある。

レッドバーン・パートナーズのロンドン在勤アナリスト、ニコラ ス・ワッツ氏は、債券部門の年間収入80億スイス・フランという目標 を半減させれば同部門の必要資本が減り、株主資本利益率(ROE) 向上に寄与すると考えている。

ロンドンのジュピター・ファンド・マネジメントでUBS株を含 め運用に携わるギ・ドブロネイ氏は、債券事業の収入について「グル ーベルCEOの目標が達成されると本当に信じている人はいないので はないか」と話している。

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