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NY外為:ドル上昇、米格付け見通しより欧州の債務危機を重視

ニューヨーク外国為替市場では、 ドルが主要通貨に対して昨年11月以来で最大の上げを記録した。米 格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国の格付 け見通しを引き下げたが、市場は欧州の債務危機の方を重く見た。

ユーロは円に対して、過去1カ月で最大の値下がり。ギリシャ 2年債の利回りは、ユーロ導入以来初めて20%に上昇した。ノルウ ェー・クローネは主要通貨のすべてに対して下落。原油安が手掛かり だった。世界的な株安や商品安でキャリー取引が縮小し、資金調達通 貨として選好されているドルは上昇した。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの新興市場戦略責任者、ウィ ン・シン氏は、「S&Pは米国に2013年まで猶予を与えた」と述べ、 「これは中期的な問題だ。それほどの驚きはない。ギリシャやアイル ランド、ポルトガルの借り入れコストは今も高水準のままだ。問題の 波及が見られる」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時9分現在、主要6通貨に対するインタ ーコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は前営業日比0.9% 上昇して75.504。15日は74.832だった。同指数は一時1.3%上 昇し昨年11月23日以来で最大の伸びを記録、7日以来の高水準と なる75.810に上昇した。

ドルは対ユーロで1.4%高の1ユーロ=1.4234ドル、先週末 は1.4430ドルだった。ユーロは対円で1ユーロ=117円69銭。一 時は、日中としては3月17日以来で最大となる2.9%安の116円 48銭をつけた。ドルは円に対して0.6%下げて1ドル=82円65銭。 前週末は83円13銭だった。

キャリー取引

ドルで資金を調達し、オーストラリアやブラジル、ニュージー ランドなど高金利国の通貨を購入するキャリー取引では、年初からの 投資リターンが19%となっている。先週15日まででは23%だった。

ドルは対オーストラリア・ドルで0.5%高。ブラジル・レアル に対しては0.9%値上がりした。ニュージーランド・ドルに対して は1.1%の上昇だった。

この日のニューヨーク原油先物相場は4営業日ぶりの下落だっ た。

ギリシャ国債

ユーロは円とドルに対して下落。ギリシャ国債を保証するコス トが上昇し、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッ ドは過去最高をつけたのが背景だ。5年以内にデフォルト(債務不履 行)に陥る確率は64.5%以上と織り込まれている。

ナショナル・バンク・オブ・カナダの外為担当マネジングディ レクター、ジャック・スピッツ氏は、「ユーロは圧迫されている」と 述べ、「値動きのほとんどが欧州での出来事やニュースを材料にして いる」と続けた。

ギリシャ政府は国際通貨基金(IMF)と欧州連合(EU)に 対し、同国の全債務の期限延長を求めた。同国紙エレフテロティピア が報じた。情報源は明示していない。

同紙によると、ギリシャのパパコンスタンティヌ財務相は8、 9両日にハンガリーで行われた会合で、EUの財務相らに期限延長を 求めた。4月にアテネを訪れたEUと欧州中央銀行(ECB)、IM Fの代表団に対しても要請したという。

ただ先物トレーダーの間では、ユーロが対ドルで上昇するとの 見方は強まっている。12日の米商品先物取引委員会(CFTC)の データによると、ヘッジファンドなど大口投資家が保有するユーロの ロングポジションからショートポジションを差し引いたネットロング は6万4985枚と、前週の5万9857枚から増加した。

米国の格付け見通し

S&Pは米国の長期格付け「AAA」のアウトルック(見通し) を、格付けが下方に向かう可能性が上方向よりも高いことを示す「ネ ガティブ」とした。財政赤字および債務の増加を根拠としている。

S&Pは18日のリポートで、「中・長期的な財政への試練に どう対応するかについて、米国の政策当局が2013年までに合意に達 しないかもしれないという重大なリスクがあると当社は考えている」 と説明した。

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