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債券続伸、投資家の現物買いで安心感-長期金利は一時1.27%まで低下

債券相場は続伸。国内株相場が反 落したことから債券市場では先物中心に買いが優勢となった。今週半 ば以降に投資家の現物買いが入ったことへの安心感も広がり、長期金 利は5日以来の低い水準となる1.27%を付ける場面があった。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、市場のボラティリティ(変動率)低下に伴って、今週は一定 額を分散して購入する平準買いが膨らんだと言い、「こうした投資家の 買いによって市場の雰囲気も好転した」との見方を示した。

東京先物市場の中心限月の6月物は前日比5銭安い139円03銭で 始まり、直後にきょうの安値となる139円02銭を付けた。しかし、す ぐに買いが膨らんで5日以来の高値となる139円24銭まで上昇。その 後は小幅プラス圏となる139円10銭台でもみ合いに終始しており、結 局は2銭高の139円10銭で週末の取引を終えた。

前日の米国債相場が下落したことを受けて、先物6月物も朝方に は小幅反落してのスタートとなった。14日の米国債市場で米10年債 利回りは一時3.42%まで低下する場面があったが、その後は売りが膨 らんでじり高に推移しており、結局は前日比4ベーシスポイント(bp) 高い3.50%付近で引けた。

しかし、日経平均株価が反落するとすぐに買いが優勢となった。 トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストは債券相 場について、「基本的にはもみ合いから脱しきれていない感じ」だと話 していたが、きのうまで投資家の現物買いが散見されたこともあり、 きのうの米国債下落より株安などの買い材料に反応した格好。

1.3%台での買い

SMBC日興証券の野地慎シニア債券為替ストラテジストは、一 部の投資家が週央から10年債の1.3%台で買いに動いたもようで、様 子見姿勢がまん延していた市場の雰囲気を変えたと指摘した。

実際、足元で市場の地合いは改善している。先物6月物は8日に 中心限月として2カ月ぶり安値圏となる138円38銭まで下落したが、 その後は米国債相場の堅調推移もあって戻り歩調にある。JPモルガ ン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、米10年債利回りが

3.5%を明確に上抜けなかったことで、国内債にも投資家の買いがにじ み出たと言い、「相場は短期的に底入れの兆しがある」と話した。

10年債利回り一時は1.27%

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の313回債利回り は1bp高の1.29%で開始。しかし、すぐに買いが先行して日中は1.275 -1.28%での推移となり、午後には一時5日以来の低い水準となる

1.27%を付けた。その後はやや水準を切り上げ、午後3時以降は1.28 ―1.285%で取引されている。

313回債は11日には新発10年債として約2カ月ぶり高水準とな る1.335%を付けたが、その後は買い優勢となって水準を切り下げた。 JPモルガン証の山脇氏は、補正予算編成に伴う増発を見極めるには 相当の時間が必要になると指摘。その上で、「市場には10年債の1.2% 台を買い進むほどの勢いはないにせよ、期初にあたってある程度は買 いで対応せざるを得ない投資家は多い」とも言う。

大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、週央以降の年限別の推移につ いて、「先物連動で売り込まれた7年ゾーンが買われたほか、利回りが

1.3%台に上昇した10年債や、生保などの需要が見られた20年債など の買いが目立っていた」とも話した。

来週の長期金利は1.2%後半か

来週の長期金利について市場では1.2%後半を中心とした推移が 見込まれている。米10年債利回りが3.6%台を付けた後に下げに転じ る中、国内債にも買い需要がにじみ出たことへの安心感が広がる見通 しだ。SMBC日興証の野地氏は、米長期金利が10年債や30年債入 札といった需給イベントをこなして3.5%割れに戻したことで、「投資 家の目線が買い方向に転換した可能性が高い」とみている。

ただ、313回債は朝方の買い一巡後はもみ合い推移が続くなど、 金利低下局面での投資家の買いは積極的でなかった。トヨタアセット マネジメントの浜崎氏は、東日本大震災からの復興対策に伴う国債増 発への警戒感が続くとみており、「10年債利回りは1.3%を割り込んだ がここから買い進める水準でもなく、当面は1.2%をボトムとしたレ ンジ相場が続くのではないか」との見方を示した。

みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストは、長期金利 は1.23-1.315%のレンジの下限を探るとしながらも、①震災復興需 要に伴う年央以降の景気回復期待②財政悪化懸念や国債増発観測③欧 米金融政策の正常化という売り材料は残る-ことから、「10年債の

1.2%台での滞留は展望できても1.2%割れは見込みにくい」と言う。

需給面では21日の20年利付国債の価格競争入札が注目。20年債 利回りは4月に入って2.0%台後半で推移したが、きょうの午後には

2.04%を付けたため、新発債の表面利率(クーポン)は前回の2.2% から0.1-0.2ポイント引き下げられる可能性が出てきた。

今週は生保などから買いが入るなど、超長期ゾーンの需給自体は 悪くないとみられるが、大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、「20年債 の2.0%台前半で積極的なニーズは期待できず、入札を波乱なくこな すには来週初めに調整が必要ではないか」との見方を示した。

--取材協力:池田祐美 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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