英HSBC:ROE目標を引き下げ、10年通期利益は予想以下

欧州最大の銀行、英HSBC ホールディングスの2010年通期決算は、純利益がアナリスト予想 を下回った。費用増大が響いた。同行は株主資本利益率(ROE) 目標を引き下げた。

28日の同行発表によると、通期純利益は132億ドル(約1兆 800億円)と、前年の58億3000万ドルから増えた。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたアナリスト15人の予想中央値は137 億ドルだった。費用の割合は55.2%と、52%から上昇した。

同行はまた、ROE目標を12-15%と、従来の15-19%か ら引き下げた。ロイヤル・ロンドン・アセット・マネジメントの英 国株責任者、ジェーン・コフィー氏は「ROE目標の引き下げは懸 念材料だ」と述べた。

決算発表後に株価は一時、前週末比5.4%安となった。

ダグラス・フリント会長は発表資料で、費用の割合について「当 行の目標レンジを上回り、私には容認できない水準だ」とし、「非 効率を減らす事業見直しが必要だ」と指摘した。同行の目標は48 -52%。

アジアに軸足を置くHSBCは同地域での人材確保に腐心し ている。スチュアート・ガリバー最高経営責任者(CEO)はこの 日、英国よりもアジアのバンカーに高報酬を支払っていると明らか にした。

キャナコード・ジェニュイティのアナリスト、コーマック・リ ーチ氏は「費用は予想よりも相当大きかった」として、アナリスト らはこの日の発表に基づいて利益予想を下方修正する公算が大き いと述べた。

投資銀部門のトレーディング収入は15%減の58億ドルだっ た。税引き前利益は95億ドルと09年の105億ドルから減少した。

10年のグループ全体の収入は3.1%増の682億ドル。アナリ ストは692億ドルを予想していた。融資と調達金利の利ざやが

2.68%と2.94%から縮小したことが重しとなった。

狭義の自己資本であるコアTier1比率は10.5%と9.4% から上昇。2010年の不良債権引当金は140億ドルと、同265億 ドルから減少した。

米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン部門だっ た旧ハウスホールド・インターナショナルを含む北米部門は昨年、 黒字を回復した。税引き前利益は4億5400万ドル。前年は77億 ドルの赤字だった。旧ハウスホールドは新規取引を受け付けていな い。

また、同行の年次報告書によると、スチュアート・ガリバーC EOの10年のボーナスは520万ポンド(約6億9000万円)。09 年は900万ポンドだった。

報酬・給付は198億ドルと前年の185億ドルから増えた。そ の他の管理費は13%増の152億ドル。同行は280人の従業員に 2010年の賞与として計3億7400万ドルを支払ったことも明らか にした。

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