国内市況:株が続伸、長期金利は上昇-対ドル3週ぶり円高の81円台

東京株式相場は続伸。直近の相場 下落により、投資指標面で割安感が出てきたとして、幅広い業種、銘 柄が見直された。中国株の堅調な値動きも市場参加者の心理にプラス となり、株価指数は午後に上昇転換した。

その他金融、証券、銀行といった金融株が上昇。証券では、一部 報道をきっかけにグループ内証券の再編観測が広がったみずほ証券が 東証1部の上昇率上位に並んだ。機械、電機など輸出関連株も上昇。 TOPIXの終値は前週末比9.34ポイント(1%)高の951.27、日 経平均株価は同97円33銭(0.9%)高の1万624円09銭。

先週は、週間ベースでTOPIXが3.3%下げた。TOPIXの 予想株式益利回り(1株利益を株価で除した数値、PERの逆数)か ら日本の10年物国債の利回りを差し引いたイールドスプレッドは、足 元でプラス5%超と、過去5年間の平均3.3%を上回る。同スプレッ ドは、数値が大きくなるほど株価の割安性を示す。

この日は、中東・北アフリカの情勢の混乱拡大への警戒から、円 相場が対ドル、ユーロで約3週間ぶりの円高水準を付けたほか、原油 価格高止まりへの懸念が強く、自動車や鉱業、海運、鉄鋼といった景 気敏感業種に売りが先行した。TOPIX、日経平均とも午前は反落 して終了したが、午後1時前に両指数ともプラスに転換、その後もじ りじりと値を切り上げる展開となった。

中国では、温家宝首相が27日のネットユーザーとの対話で、2015 年までの新5カ年計画の経済成長率の目標を年平均7%に設定したこ とを明らかにした。10年までの5カ年計画の目標(同7.5%)から引 き下げたことで、中国株の動向が注目されていた。上海総合株価指数 は日本時間午後3時時点で先週末比1%近く上昇している。

東証1部業種別33指数ではその他金融、証券・商品先物取引、機 械、繊維製品、ゴム製品、ガラス・土石製品、電気機器、銀行、精密 機器、輸送用機器など28業種が上昇。その他製品、空運、鉱業など5 業種が下げた。東証1部の売買高は概算で25億254万株、売買代金は 1兆6705億円。値上がり銘柄数が1371、値下がり221。

長期金利は上昇

債券市場で長期金利は1.255%まで上昇した。朝方は前週末の米 国債相場の上昇を受けて買いが先行した。しかし午後に入って株式相 場が堅調推移になったことが嫌気されたほか、あすの10年債入札に向 けた売りも出て相場は下げに転じた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回 りは前週末比0.5ベーシスポイント(bp)低い1.235%で始まり、午前 10時過ぎには1bp低い1.23%まで下げた。しかし、午後に入ると売 が優勢となり、1時半過ぎには1.255%まで上昇。3営業日ぶり高水 準を付けた。いったんは1.25%にやや戻したが、4時過ぎから再び

1.255%で推移している。

超長期債も安い。新発20年物の124回債利回りは朝方に1bp低 い1.985%を付けていたが、午後に入ると1bp高い2.005%まで上昇。 新発30年債利回りは午後に1bp高い2.15%まで上昇した。

東京先物市場で中心限月3月物は続落。前週末比14銭高の139 円73銭で始まった後、日経平均株価の下落を受けて、いったんは139 円76銭まで上昇した。しかしその後は伸び悩み、午後に入ると小幅な がら下げに転じた。結局は5銭安の139円54銭で取引を終えた。

朝方は、前週末の米国債相場が続伸した流れを引き継ぎ、買いが 先行した。25日の米国債相場は続伸。米10年債利回りは4bp低下の

3.41%程度。リビア騒乱で安全を求める買いが入った。原油高が景気 腰折れにつながるとの懸念が強まったことも買い材料となった。

また、この日午前に発表された1月の鉱工業生産(速報値)は前 月比2.4%上昇と3カ月連続のプラスとなったが、市場予想(4.0%上 昇)を下回ったことも朝方の買い材料となった。

もっとも、生産予測指数は、2月は前月比0.1%上昇、3月は同

1.9%上昇となった。

財務省はあす3月1日、10年利付国債入札を実施する。表面利率 (クーポン)は前回債より0.1ポイント高い1.3%が予想されている。

1.3%で決まれば9カ月ぶりの高い水準。発行予定額は前回債と同額の 2兆2000億円程度。

円が対ドルで3週ぶり高値

東京外国為替市場では円が対ドルで約3週間ぶり高値を更新した。 リビア情勢など中東・北アフリカの混乱拡大への懸念がくすぶるなか、 リスク回避に伴う円買いや米長期金利の低下を背景としたドル売り圧 力が根強く残った。

半面、前週末の欧米株に続き、日本株や中国株が上昇したことで、 オーストラリア・ドルなど高金利通貨を売る動きは続かず。午後にか けては買い戻しが優勢となり、ユーロも対円、対ドルで前日終値比プ ラスに転じた。

午後4時12分現在のドル・円相場は1ドル=81円68銭前後。一 時は81円62銭まで円が上昇し、今月4日以来の円高値を更新する場 面が見られた。

一方、ユーロ・円相場は朝方に今月8日以来の水準となる1ユー ロ=111円96銭までユーロ売り・円買いが進んだが、その後円は反落 し、午後には112円台半ばまで値を戻した。

ユーロは対ドルでも朝方の取引で一時、1ユーロ=1.3712ドルま で売りが先行。25日投票のアイルランド総選挙で勝利した統一アイル ランド党は政権樹立を進めるとともに、同国向け国際金融支援の条件 再交渉を急ぐことにしている。次期政権の首相就任が確実視されてい る統一アイルランド党のエンダ・ケニー党首は緊急融資の金利5.8% の引き下げと、銀行優先債の保有者にもコストを負担させるよう優先 債保有者の保護撤廃を目指す考え。

もっとも、東京株式相場は朝方こそ下落して始まったが、午後に はプラス圏に浮上。温家宝首相が27日に今年から始まる新5カ年計画 の経済成長率目標を年平均7%と従来から引き下げたことで、動向が 注目されていた中国株が堅調に推移したことが好感された。

こうしたなか、売りが先行していたユーロやオーストラリア・ド ルは午後にかけて反発。ユーロ・ドルも1.37ドル台後半まで値を戻し た。

国連安全保障理事会は26日遅く、1000人を超える死者を出した リビアでの市民への武力弾圧の停止に向け、全会一致でカダフィ大佐 本人とその側近らに海外資産凍結と国外への渡航禁止を決定した。チ ュニジアとエジプトに端を発した中東・北アフリカの政情不安は27 日、オマーンにも拡大した。

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