出し抜かれたロンドン証取、ロレCEOの厳しい「挑戦」続く

ロンドン証券取引所グループ(L SE)のグザビエ・ロレ最高経営責任者(CEO)は、209年の歴史を 持つ同証取のシステムの抜本的見直しを開始し、市場シェアの低下に歯 止めをかけ、株価反発を支えた。就任から2年足らずの間のことだ。

同CEOが同時に目の当たりにしたのは、トロント証券取引所を所 有するカナダのTMXグループを31億5000万ドル(約2600億円)で 買収するLSEの計画が、より大きな規模のドイツ取引所とNYSEユ ーロネクストの合併合意により影が薄くなってしまったことだ。

ロンドン証取は今月14日、3カ月余り遅れ新たな取引システムを 導入したが、25日にはシステム不具合から4時間の取引停止となる事 態に陥った。その3日前には、リビア情勢緊迫化で世界中の株式相場が 急落する中、LSE傘下のイタリア取引所はデータに問題が生じ6時半 にわたって閉鎖を余儀なくされている。

世界の株式市場は今、システムの高度化と北米事業拡大の流れの中 で再編が進んでいる。グザビエCEO(51)はこうした局面への対応 に苦しんでいる。LSEの株価は同CEO指名が発表された2009年2 月13日以降ほぼ倍に値上がりする一方で、ブルームバーグのデータに よれば、同社の売上高は05年3月-10年3月期に平均25%増えたも のの、11年3月期は2.5%増収にとどまると予想されている。

顧客離れ

1990年代からロレCEOの友人であるJRJグループ創業者のジ ェレミー・アイザックス氏は、同CEOが「大きな挑戦を受けている」 と話す。破綻した米証券会社リーマン・ブラザーズ・ホールディングス の欧州・アジア事業責任者だったアイザック氏は「TMX買収は目の付 け所が良い。NYSEとドイツ取引所の合併がなかったら、画期的と見 なされていただろう。新車を買って家の前に置いていたら隣人がロール ス・ロイスを買ったようなもので、出し抜かれたのだ」と話す。

LSEの広報担当、ビクトリア・ブラフ氏は、ロレCEO今、コメ ントすることはできないとしている。

ニューヨークのコロンビア大学で1983年に経営学修士(MBA) を得たロレCEOは09年5月にLSE入り。その前はほぼ10年間に わたりリーマンに在籍していた。リーマンでの最後の仕事はフランス事 業の責任者だった。

FTSE100指数構成銘柄の取引で、LSEの株式市場におけるシ ェアは10年に52%に低下。2年前は約75%だったという。割高な手 数料と処理スピード・容量で劣る旧システムが顧客離れの一因となった。 米バッツ・グローバル・マーケットがまとめたデータによれば、LSE の市場シェアは現時点では約55%。

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