米国株の弱気派が白旗掲げる、空売り残高が3年ぶり低水準に

S&P500種株価指数の約50年 で最大の上昇相場を受けて、株式市場の弱気派が空売りの手じまいを 迫られており、空売り残高は先月、2007年以来の低水準となった。

NYSEユーロネクストが集計したデータによると、値下がりを 見込んだ貸株の空売りは4カ月連続で減少し、1月の全株売買に占め る割合は3.3%に低下した。1994年以来で最高の増益率を追い風に S&P500種が95%上昇したことで、弱気派は空売りのポジション (持ち高)を断念せざるを得なくなった。個人投資家は今年に入って 米投資信託に176億ドル(約1兆4400億円)を投じている。

アバディーン・アセット・マネジメントのダグ・バートニック氏 によれば、空売りは2月15日までの2週間で2.8%増加したものの、 新規の投資家プールが縮小する中での1月の空売り落ち込みは、株価 の上昇ペースが鈍化する予兆である可能性がある。これに対して、ビ リニー・アソシエーツのラズロー・ビリニー氏は、上昇相場の反転や 株価の伸び悩みにつながるほど空売り水準は十分低下していないと指 摘する。

バートニック氏は「誰もが一方向に傾けば、それとは反対の方向 に動くリスクが存在する」と指摘。「流動性が生みだす追い風のため、 市場参加者はポジションの取り方に非常に慎重になっている」と話す。

相場上昇見込む投資家の割合

空売りと貸株を調査するデータ・エクスプローラーズによると、 米国株の上昇を見込む投資家は値下がりを見込む投資家の約12倍。 同社が算出する米国株のロング・ショート比率は2月1日に12.4に 上昇した。リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破たんし た2008年9月は6.5だった。同社の上級研究員、ウィル・ダフ・ゴ ードン氏は「株式相場の上昇に伴い空売り意欲が低下している」と指 摘した。

S&P500種は先週、前週末比1.7%安の1319.88で終了。週 間騰落率がマイナスとなったのは1カ月ぶりだ。年初来の上昇率は 5%に縮小したが、なお97年以降で最も好調なスタートとなってい る。

シティグループの集計データによると、S&P500種構成銘柄で 最も空売りされていた46銘柄は、バーナンキ米連邦準備制度理事会 (FRB)議長が米国債購入意欲を示唆した前日の8月26日以降、 32%上昇した。これに対し同指数は同期間に26%の上昇にとどまっ ている。

BNPパリバの北米ストラクチャード・セールス責任者、アンド ルー・ベアー氏は「空売りが過去最低水準に達すると、上昇相場の息 切れが近いと懸念されがちだ」と述べ、「空売り派の降伏が今の上昇相 場を最初に刺激したが、今では燃料が切れつつある」との見方を示し た。

これに対しビリニー氏は、強気相場が停止するほどの「弱気派の 大規模な降伏は見られない」と述べ、「90年代の大部分と2000年以 降の10年の特徴だった1-2%の空売り比率からはまだ遠い水準だ」 と指摘した。

NYSEのデータによると、95年以降の空売り比率は平均2.3%。 95年-07年12月は同1.9%。ピークは08年7月の4.9%だった。

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