富士フHD:米メルク子会社2社を買収-バイオ医薬品に本格参入

富士フイルムホールディングス(H D)は28日、米製薬大手メルクの子会社で、バイオ医薬品受託製造を 手がける英MSDバイオロジクス(本社・英ビリンガム)と米ダイオシ ンス(同米ノースカロライナ州)2社を買収する、と電子メールで発表 した。バイオ医薬品の受託製造事業に本格的に参入し、医療・ライフサ イエンス事業の収益拡大につなげる。

発表文によると、富士フイルムHDはMSD社とダイオシンス社の 2社の全株式を買い取り、子会社化する。富士フイルムHDの広報担当 者、松本敏裕氏はブルームバーグ・ニュースの電話取材に対し、買収手 続き完了の時期は3月から4月初めになるとの見通しを明らかにした。 買収額は非公表。

2社の買収は、がんやリウマチなどの治療に有効とされるバイオ医 薬品市場への本格的な参入が狙い。タンパク質などの生体分子を活用し て作るバイオ医薬品は、従来の化学合成による医薬品よりも副作用が少 なく、高い効能が期待できるとされる。バイオ医薬品市場は、年率15% 以上の成長が見込まれている。

これをバイオ医薬品として製造するためには、タンパク質などの培 養・抽出・精製の高度な技術やノウハウ、人材の確保が不可欠。富士フ イルムHDは、これらを持つMSDとダイオシンスを買収することで、 2社が持つ技術やノウハウに加えて製造設備を確保する。

同社は医療・ライフサイエンス分野を重点事業と位置づけ、これま で、抗感染症対策の医薬品を持つ富山化学工業を買収した。そのほか、 放射性医薬品、抗体開発、再生医療のための材料研究開発、化粧品事業 などに取り組んでいる。

メルク社は、同業の米シェリング・プラウ社との合併後の構造改革 で、今回、バイオ医薬品の受託製造事業が売却対象となり、バイオ医薬 品市場に本格参入したい富士フイルムHDとの利害が一致した。

買収発表を受けて、富士フイルムHDの株価は、午前の終値が前週 末比40円(1.4%)安の2816円だった。

コスモ証券投資調査部の斎藤和嘉シニアアナリストは、医薬事業は 富士フイルムHDにとって「デジカメと液晶材料に続く3本目の柱とな りゆく事業で、ポジティブな話だ」と指摘。「当面は費用先行となる見 通しだが、長期スパンでは収益にもプラスとなろう」と、前向きに評価 する市場関係者の声が聞かれた。

--取材協力:山村敬一、鷺池秀樹 Editor: Tetsuki Murotani Kazu Hirano

ycho2@bloomberg.net

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