長期金利は1.255%まで上昇、国内株高や10年債入札に向けた売り優勢

債券市場で長期金利は1.255%ま で上昇した。朝方は前週末の米国債相場の上昇を受けて買いが先行し た。しかし午後に入って株式相場が堅調推移になったことが嫌気され たほか、あすの10年債入札に向けた売りも出て相場は下げに転じた。

日興コーディアル証券の山田聡チーフクオンツアナリストは、債 券相場について、「朝方は買いが先行したが、株価が上昇に転じたこと に伴い、債券は下落した。あすの10年債入札を前に調整の動きとなっ た」と説明した。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回 りは前週末比0.5ベーシスポイント(bp)低い1.235%で始まり、午前 10時過ぎには1bp低い1.23%まで下げた。しかし、午後に入ると売 りが優勢となり、1時半過ぎには1.255%まで上昇。3営業日ぶり高 水準を付けた。いったんは1.25%にやや戻したが、4時過ぎから再び

1.255%で推移している。

長期金利が上昇に転じたことについて、大和住銀投信投資顧問の 伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダーは、「午後に入って国内株 価が堅調となったほか、あすの10年債入札への警戒感が強まり、売り が出た」と述べた。日経平均株価は、午前は77円安まで下げたが、午 後に入るとプラスに転じて、一時は100円を超す上げ幅となった。

超長期債も安い。新発20年物の124回債利回りは朝方に1bp低 い1.985%を付けていたが、午後に入ると1bp高い2.005%まで上昇。 新発30年債利回りは午後に1bp高い2.15%まで上昇した。大和住銀 投信の伊藤氏は、「月末の年金基金による保有債券の年限長期化の買い が一巡した」と説明した。

先物も午後に売り優勢

東京先物市場で中心限月3月物は続落。前週末比14銭高の139 円73銭で始まった後、日経平均株価の下落を受けて、いったんは139 円76銭まで上昇した。しかしその後は伸び悩み、午後に入ると小幅な がら下げに転じた。結局は5銭安の139円54銭で取引を終えた。

朝方は、前週末の米国債相場が続伸した流れを引き継ぎ、買いが 先行した。トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネ ジャーは、「中東問題の先行き不透明感から『質への逃避』が続いてお り、株式の持ち高を落として、債券に資金が流れた」と話した。

25日の米国債相場は続伸。米10年債利回りは4bp低下の3.41% 程度。リビア騒乱で安全を求める買いが入った。原油高が景気腰折れ につながるとの懸念が強まったことも買い材料となった。

また、この日午前に発表された1月の鉱工業生産(速報値)は前 月比2.4%上昇と3カ月連続のプラスとなったが、市場予想(4.0%上 昇)を下回ったことも朝方の買い材料となった。ドイツ証券の山下周 チーフ金利ストラテジストは、債券市場で買いが先行したことについ て、「鉱工業生産が弱かったこともある」と述べていた。

もっとも、生産予測指数は、2月は前月比0.1%上昇、3月は同

1.9%上昇となった。トヨタセットの深代氏は、「1月の生産は下振れ したものの、先行きは回復が続く見通し。一本調子での金利低下には なりにくい」とみていた。

あす10年入札、クーポン1.3%か

財務省はあす3月1日、10年利付国債入札を実施する。表面利率 (クーポン)は前回債より0.1ポイント高い1.3%が予想されている。

1.3%で決まれば9カ月ぶりの高い水準。発行予定額は前回債と同額の 2兆2000億円程度。

日興コーディアル証の山田氏は、10年債入札について、「きょう 相場が反落したので、クーポンは1.3%が確保できそう。新しい回号 にもなるので、投資家からの需要はあると思う」との見方を示した。

また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券スト ラテジストは、「1.3%クーポンで決まれば昨年6月債以来の高水準で 妙味があるほか、スワップ対比で割安感がある」と言い、まずまずの 環境で需給も良好なことから無難な結果になると予想している。

--取材協力:野原良明 Editors:Hidenori Yamanaka,Joji Mochida

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