今日の国内市況:日本株は4日ぶり反発、長期金利上昇-ユーロ上昇

東京株式相場は4日ぶりに反発。 海外原油相場の反落や為替の円高一服を受け、直近で売っていた向き の買い戻しが優勢となった。アナリストの高評価も重なった自動車を 中心に輸出関連株が上昇、ガラス・土石製品や保険など直近で下げが 目立った業種も見直された。

TOPIXの終値は前日比7.71ポイント(0.8%)高の941.93、 日経平均株価は74円05銭(0.7%)高の1万526円76銭。

24日のニューヨーク原油先物4月限は前日比0.8%安の97.28ド ルと反落した。一時は1バレル=103.41ドルと2008年9月29日以来 の高値を付けたが、米国やサウジ、国際エネルギー機関(IEA)が リビアからの供給が絶たれても原油を補うことができるとの見方を示 し、上昇の勢いは続かなかった。

原油価格が小康状態となる中、TOPIXはきのうまでの3日続 落で4.1%下げ、投資家の短期的な採算ラインである25日移動平均線 を割り込んでいた。一方、急激な調整により、昨年12月に163%まで あった東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は93%まで低下し、約 3カ月ぶりの100%割れ。

きょうはガラス・土石が東証1部の値上がり率首位となり、輸送 用機器、保険、化学など前日までの3日続落中に下落率上位だった業 種が高くなった。上げを主導した自動車株については、為替市場で円 が対ドルで82円台と、きのうの海外時間の81円63銭に比べ円高傾向 が一服したことや、トヨタ自動車や日産自動車、ホンダなど主要銘柄 にアナリストからの高評価が相次いだこともプラスとなった。

東証1部の売買高は概算で21億4364万株、売買代金は同1兆 5719億円。値上がり銘柄数は1178、値下がりは356。

個別銘柄では、トヨタ自動車が東証1部の売買代金1位で、4日 ぶりに反発。クレディ・スイス証券では今・来期業績予想を増額、投 資判断を「アウトパフォーム」へ引き上げた。中国での出店加速で新 しい成長ステージの到来を評価するとし、いちよし経済研究所が新規 に投資判断を「A(買い)」としたハニーズ、12年11月期の営業最高 益更新を予想し、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が目標株価を 540円に引き上げた不二越も高い。

半面、住友商事と住商情報システムによる株式公開買い付け(T OB)価格が24日終値より48%低い水準で設定されたCSKは値幅 制限いっぱいのストップ安となった。株価上昇で目標株価とのかい離 が小さいとし、野村証券が格下げした新日鉄ソリューションズは3日 続落。現在の株価から上昇余地は限定的などとして、JPモルガン証 券が格下げた大正製薬は続落した。

長期金利が4日ぶり上昇

債券市場では長期金利が4日ぶりに上昇。現物債利回りが今週に 入って急ピッチで低下した反動売りが優勢となった。原油相場下落を 受けて前日の米国株市場でナスダック指数が上昇に転じる中、国内株 価の反発もあって先物売りも広がった。

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回り は、前日比1.5ベーシスポイント(bp)高い1.235%で開始。直後に

1.24%を付けた後に買いが入ると1.225%まで上昇幅を縮めた。その 後に再び売りが膨らむと午後には1.235-1.24%での推移が続いたが、 3時前後には2.5bp高の1.245%を付けた。

312回債利回りは16日午後には1.345%まで上昇したが、中東情 勢の不安定化やこれに伴う内外株安が買い材料視されると、その後の 6営業日で12.5bpも金利水準を切り下げた。リビアの国内情勢が緊迫 化する中で、きのうの米国債相場上昇といった追い風はあったが、市 場では急ピッチの金利低下に対する警戒感が広がった。

また、来週3月1日には次回の10年利付国債の価格競争入札が実 施されることも、追加の債券購入に慎重な雰囲気を強めたもよう。

東京先物市場の中心限月の3月物は前日比6銭高い139円85銭で 始まり、直後に1月31日以来の高値となる139円87銭を付けた。そ の後いったんは139円80銭付近でもみ合っていたが、午前の取引終盤 以降に売りが優勢となった。午後には139円60銭台を中心に推移した が、終了間際に一段安となり、結局は20銭安の139円59銭とこの日 の安値で終えた。

前日の米国市場では株式相場はまちまちの展開となり、一方で債 券市場では長期金利が低下した。米国債相場の堅調推移は国内債の下 支え要因となっていたものの、日経平均株価が小幅ながら反発したこ とは売り材料視された。

24日の米国株市場では原油下落などが材料となり、ナスダック総 合指数が3営業日ぶりに反発。ダウ工業株30種平均などは小幅の下げ にとどまった。一方、リビア騒乱とその波及懸念から安全資産である 国債は買われて、米10年債利回りは4bp低い3.45%付近で引けた。

ユーロ上昇

東京外国為替市場ではユーロが対ドルで1ユーロ=1.38ドル台 前半を維持し、約3週間ぶりの高値圏で推移した。中東・北アフリカ の政情不安を背景に原油の先高警戒感がくすぶる中、欧州中央銀行(E CB)がインフレ抑制姿勢を強めるとの見方からユーロ買い圧力が根 強く残った。

ユーロ・ドル相場は午前の取引で一時1.3838ドルと、今月2日以 来の水準までユーロ高が進行。午後3時55分現在は1.3825ドル近辺 で取引されている。ユーロは対円でも買い進まれ、一時は1ユーロ= 113円46銭と、前日のニューヨーク時間午後遅くに付けた113円02 銭から水準を切り上げ、午後も113円台前半で推移した。

一方、前日の海外市場で一時1ドル=81円63銭と、今月4日以 来の円高値を付けたドル・円相場は、対ユーロでの円売りが波及した ほか、日本株もプラス圏で推移したことから、投資避難的な円買いが 一服。午前には82円07銭まで円が軟化する場面もみられた。午後3 時55分現在は81円93銭付近取引されている。

アフリカ3位の産油国であるリビアの情勢緊迫化で、日中の価格 としては2008年9月29日以来の高値を更新した。ロンドンの北海ブ レント原油先物相場も一時同119.79ドルと、120ドル台乗せに迫った。

国際エネルギー機関(IEA)は24日に開いた理事会会合後に、 中東危機を受け世界の石油供給が日量50万-75万バレル減少したと 資料で発表。さらに、加盟国には合わせて16億バレル(輸入量の145 日分に相当)の緊急備蓄があると説明し、「必要になれば、IEAとし て対応メカニズムを直ちに発動する用意が常にできている」と指摘し ている。

ただ、原油相場は高値更新後に反落しており、米株式相場はダウ 工業株30種平均が引けにかけて下げ幅を縮小。株価の予想変動率の指 標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指 数(VIX指数)も小幅ながら低下している。

また、この日の東京市場では、日経平均株価が4営業日ぶりに反 発して取引を終了。円買いの動きが緩和する格好となった。

ECB政策委員会メンバー、ドイツ連邦銀行(中銀)のウェーバ ー総裁は24日、フランクフルトでのパネル討論会で、「金利が知って いるのは1つの方向だけで、それは北だ」とし、金利が上昇するとの 見通しを示している。

また、欧州連合(EU)の欧州委員会が前日に発表した2月のユ ーロ圏景況感指数(速報値)は107.8と、1月の106.8から上昇し、 2007年8月以来の高水準となった。ブルームバーグ・ニュースがまと めた市場予想の中央値106.8も上回った。

半面、前日に米国で発表された経済指標は、新規失業保険申請件 数が前週から減少した一方、1月の新築住宅販売件数は市場の予想以 上に落ち込むなど、強弱まちまちの内容となった。

ベネズエラのマドゥロ外相は24日、国営テレビで、リビアの反体 制勢力は石油が豊かな東地区を手に入れるため、同国を分割しようと しているとの見解を明らかにした。

米国に拠点を置く中国語ニュースのウェブサイト「博訊新聞」に は23日までに、中国で司法の独立と汚職撲滅を求め毎週日曜日午後に 国内13カ所で集会を開くことを呼び掛ける公開書簡が掲載されてい た。

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