中東リスクで米国株調整が長引く可能性も-みずほコーポ銀の深堀氏

みずほコーポレート銀行資金証券 部の深堀理一郎次長は、中東情勢の不安定化といった地政学リスクや これに伴う最近の原油価格上昇が、世界的な景気楽観見通しに陰りを 落とすとし、米国株式相場の調整は長引く可能性もあるとみている。

深堀氏は24日までのインタビューで、「リビア国内の混乱は1月 のエジプトでの政情不安発生当時より中東情勢の不確実性が高まった」 と指摘。その上で、投資家が株式などのリスク資産の圧縮に動くこと で、米国をはじめとする世界的な株高が調整を余儀なくされていると の見方を示した。

さらに、「原油価格の上昇によって新興国のインフレやこれに伴う 景気減速懸念が強まると、世界経済全体にも悪影響が及ぶリスクが意 識される」とも指摘。結果的に株高や金利上昇を抑制する要因となる 可能性があると予想している。

アフリカ最大の原油埋蔵量を持つリビア国内の混乱を受けて、ニ ューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、23日に2008 年10月以来となる100ドル台に乗せた。米株式市場では、リビア政情 緊迫や原油先物相場の急伸を受けて、世界的な景気の不透明感が高ま って売り優勢の展開となった。ダウ工業株30種平均は連休明けの2営 業日で2.3%安と過去6カ月間で最大の下げとなった。一方、米10年 債利回りは今月初め以来の3.5%割れまで低下した。

深堀氏は、米国では雇用改善への期待感が根強いことから、米国 株相場が一方向に崩れる展開は想定していないとしながらも、「過去半 年間にほぼ押し目なく上昇した反動もあって調整が長引く可能性も視 野に入れておくべきだ」と述べた。

ダウ平均株価は昨年9月半ばの1万500ドル付近からじりじりと 水準を切り上げ、今月18日には1万2391ドルと08年6月以来およそ 2年8カ月ぶりの高値を記録した。

上期の5年債利回りは0.4-0.7%

一方、国内債市場では中期ゾーンを中心に金利の上振れリスクが 緩和されるとみている。深堀氏は2011年度上期中の新発5年国債利回 りについて、「足元の0.5%台半ばを中心に上下15ベーシスポイント (bp)の0.4-0.7%程度のレンジを形成する」との見方だ。

新発5年国債利回りは日銀の追加金融緩和後の昨年10月に

0.20%まで低下して、03年6月以来の低水準を記録した。その後は上 昇基調となり、今月初めには0.625%まで上振れる場面もあった。

深堀氏は、「米国では6月に量的緩和第2弾(QE2)の終了が視 野に入るが、先進国の中で日本の利上げが最も遅いとの市場の認識は 揺るがない」と指摘。その上で、しばらくは米国の景気回復の度合い や中東情勢の見極めが必要としながらも、「日銀の利上げまで相当の時 間を要するとの見通しに立てば、5年債利回りの0.6%台は買いに動 いていける水準」との考えを示した。

日本銀行の包括的な金融緩和策では政策金利を0-0.1%とする とともに、物価安定が展望できるまで実質ゼロ金利政策を継続する考 え。日銀政策委員による生鮮食品を除く消費者物価(コアCPI)の 見通しの中央値はことし1月の中間評価で11年度に前年度比0.3%上 昇、12年度は同0.6%の上昇。

長期金利の指標となる新発10年国債利回りについて、深堀氏は上 期のレンジを1.1-1.5%程度との見方を示した。ブルームバーグの予 測調査によると、ことし12月末の長期金利予想は加重平均で1.24% となり、低位で安定推移が続く見通し。25日午前の終値は1.235%。

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