ユーロ上昇、欧州金利先高観で買い圧力-円高は一服、対ドル82円挟み

東京外国為替市場ではユーロが対 ドルで1ユーロ=1.38ドル台前半を維持し、約3週間ぶりの高値圏で 推移した。中東・北アフリカの政情不安を背景に原油の先高警戒感がく すぶる中、欧州中央銀行(ECB)がインフレ抑制姿勢を強めるとの見 方からユーロ買い圧力が根強く残った。

ユーロ・ドル相場は午前の取引で一時1.3838ドルと、今月2日以 来の水準までユーロ高が進行。午後3時55分現在は1.3825ドル近辺 で取引されている。ユーロは対円でも買い進まれ、一時は1ユーロ= 113円46銭と、前日のニューヨーク時間午後遅くに付けた113円02 銭から水準を切り上げ、午後も113円台前半で推移した。

一方、前日の海外市場で一時1ドル=81円63銭と、今月4日以 来の円高値を付けたドル・円相場は、対ユーロでの円売りが波及したほ か、日本株もプラス圏で推移したことから、投資避難的な円買いが一服 。午前には82円07銭まで円が軟化する場面もみられた。午後3時55 分現在は81円93銭付近取引されている。

上田ハーローのシニアアナリスト、山内俊哉氏は、ECB当局者か らインフレを懸念する発言が繰り返されると、「どうしても次回会合に 対する期待が高まる」と指摘。さらに、原油高でインフレが押し上げら れるという見方が強く、「リビア情勢が落ち着いて、原油が劇的に下げ ない限りは、ユーロ買いが進みやすい状況が続きやすい」とみている。

アフリカ3位の産油国であるリビアの情勢緊迫化で、前日にはニュ ーヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限が一時1バレル=

103.41ドルまで上伸。日中の価格としては2008年9月29日以来の 高値を更新した。ロンドンの北海ブレント原油先物相場も一時同

119.79ドルと、120ドル台乗せに迫った。

国際エネルギー機関(IEA)は24日に開いた理事会会合後に、 中東危機を受け世界の石油供給が日量50万-75万バレル減少したと 資料で発表。さらに、加盟国には合わせて16億バレル(輸入量の145 日分に相当)の緊急備蓄があると説明し、「必要になれば、IEAとし て対応メカニズムを直ちに発動する用意が常にできている」と指摘して いる。

ただ、原油相場は高値更新後に反落しており、米株式相場はダウ工 業株30種平均が引けにかけて下げ幅を縮小。株価の予想変動率の指標 であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX指数)も小幅ながら低下している。

また、この日の東京市場では、日経平均株価が4営業日ぶりに反発 して取引を終了。円買いの動きが緩和する格好となった。

欧州金利先高観

ECB政策委員会メンバー、ドイツ連邦銀行(中銀)のウェーバー 総裁は24日、フランクフルトでのパネル討論会で、「金利が知ってい るのは1つの方向だけで、それは北だ」とし、金利が上昇するとの見通 しを示している。

また、欧州連合(EU)の欧州委員会が前日に発表した2月のユー ロ圏景況感指数(速報値)は107.8と、1月の106.8から上昇し、 2007年8月以来の高水準となった。ブルームバーグ・ニュースがまと めた市場予想の中央値106.8も上回った。

半面、前日に米国で発表された経済指標は、新規失業保険申請件数 が前週から減少した一方、1月の新築住宅販売件数は市場の予想以上に 落ち込むなど、強弱まちまちの内容となった。

岡三証券外国証券部シニアマネージャー、相馬勉氏は、中東・北ア フリカ情勢の緊迫化でリスク回避の流れが続くなか、「同じ条件下で欧 州サイドはやや利上げムードが出てきている」とし、米国がとりあえず 量的緩和を予定通り続けるということであれば、「ドルは引き続き弱含 みとなる」と指摘している。

世界情勢の不安定化を警戒

ベネズエラのマドゥロ外相は24日、国営テレビで、リビアの反体 制勢力は石油が豊かな東地区を手に入れるため、同国を分割しようとし ているとの見解を明らかにした。

上田ハーローの山内氏は、週末には中国でもデモの動きが警戒され ており、仮にそうなった場合は、交易関係が深いとされるオーストラリ ア経済への影響が懸念され、豪ドル売りにつながると説明。さらに、中 国株が下落すれば、株安の連鎖も見込まれ、「円が買われる流れになり かねない」として、対ドルで年初来の円高値80円93銭を試しに行く 可能性も残るとみている。

米国に拠点を置く中国語ニュースのウェブサイト「博訊新聞」には 23日までに、中国で司法の独立と汚職撲滅を求め毎週日曜日午後に国 内13カ所で集会を開くことを呼び掛ける公開書簡が掲載されていた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE