1月の消費者物価は前年比0.2%低下-4カ月連続で下落幅縮小

(発表内容を追加し、更新します)

【記者:日高 正裕】

2月25日(ブルームバーグ):1月の全国の消費者物価指数は、国 際商品市況の上昇を受けて4カ月連続で前年比の下落幅が縮小した。 市況の高騰に加え、景気が徐々に踊り場から脱しつつあることもあり、 消費者物価は基調的に下落幅が縮小していくとみられている。

総務省が25日発表した1月の全国の消費者物価指数(除く生鮮食 品、コアCPI)は前年同月比0.2%低下と09年3月以来1年11カ 月連続でマイナス。2月の東京都区部コアCPIは同0.4%低下だっ た。ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想中央値は全国、東京と もに0.3%低下だった。前月はそれぞれ0.4%低下、0.2%低下だった。

日本銀行は15日の金融政策決定会合で、景気の現状について「改 善テンポの鈍化した状態から徐々に脱しつつある」として、前月の「 改善の動きに一服感がみられる」から情勢判断を上方修正した。ニュ ーヨーク原油先物相場は足元1バレル=90ドル台後半で推移。白川方 明総裁は同日の会見で、国際商品市況高が「景気、物価に与えるプラ スとマイナスの影響をバランスよく点検していきたい」と述べた。

CPI総合指数は1月の全国が前年同月比横ばい、2月の東京都 区部は0.1%低下だった。前月はいずれも横ばいだった。変動の大き な食料(酒類除く)とエネルギーを除く「米国型コアCPI」は、1 月の全国が0.6%低下、2月の東京都区部は0.3%低下だった。前月は それぞれ0.7%低下、0.3%低下だった。

基準年改定で下方修正へ

大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストは「原油価格の上昇を反 映してエネルギー価格が押し上げに寄与したほか、他の財やサービス など全般的に下落幅が縮小している」と指摘。円高もあり原油輸入価 格の上昇幅は限定的」とながらも、「今後の為替や商品市況の動きに よってはCPIへの押し上げ圧力が高まる可能性がある」としている。

白川総裁は15日の会見で、コアCPIは「基調的にみると下落幅 が縮小している。特に高校授業料の実質無償化等の影響を除くと、こ のところゼロ、ないしごく小幅のプラスで推移している」と指摘。先 行きについては「引き続き下落幅が縮小していく」としながらも、「 8月に消費者物価の基準改定が予定されていることに伴い、下落方向 に数字が拡大することは意識している」と述べた。

HSBC証券の白石誠司チーフエコノミストは「4月以降、全国 コアCPI前年比は、高校授業料無償化の影響(マイナス0.5ポイン ト)が消えるため、一時的に小幅ながらプラス化するとみられるが、 8月のCPI基準改定、10月以降のたばこ増税、損害保険料値上げの 影響消滅などを受け、再びマイナス圏に落ち込む」と予想する。

商品市況高の影響

14日公表された昨年10-12月の実質国内総生産(GDP)1次 速報値は前期比年率1.1%減と、エコカー購入補助終了や10月のたば こ増税を控えた自動車やたばこの駆け込み需要が前期にあった反動で、 5四半期ぶりのマイナスとなった。ただ、景気は踊り場を脱しつつあ り、今年1-3月はプラス成長に復帰するとの見方が強い。

BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「商品市況 高騰の影響もあり、昨年10月以降のコアCPIは当初の想定以上に下 落率が縮小している。夏場までの円高進展もあって、現時点での商品 市況高の影響は米欧に比べれば限定的だが、今後は日本においても影 響が強まってくるだろう」と指摘する。

白川総裁は15日の会見で「マクロ的な需給バランスが改善してい く下で、市況が国内物価に徐々に波及していき、物価の上振れ要因と なる可能性がある」と述べた。一方で「こうした物価上昇が実質的な 所得減少を通じて経済にマイナスの影響を強く与える場合には、やや 長い目でみて物価の下振れ要因になる可能性もある」と語った。

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