NY外為:円とスイス・フランが上昇、リビア緊迫で安全需要

ニューヨーク外国為替市場では、 スイス・フランがドルに対して過去最高値を付けたほか、円は対ドル でほぼ3週間ぶりの高値に上昇した。リビア情勢の緊迫で原油価格が 一時、2年5カ月ぶりの高値となるなか、安全通貨とされるフランと 円に買いが集まった。

ドルはユーロに対して3週間ぶりの安値を付けた。欧州中央銀行 (ECB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)に先立って利上げを 実施するとの観測が背景にある。円はドルに対して、8日以来初めて 対ドルで81円台に上昇した。米国債利回りが3週間ぶり低水準付近 で推移していることで、ドル建て資産の魅力が低下した。オーストラ リアやカナダなど資源国の通貨は値上がり。

野村ホールディングスの通貨調査担当マネジングディレクター、 ジェンズ・ノードビグ氏(ニューヨーク在勤)は、「円とスイス・フ ランが上昇しており、特に対ドルで買われている」と指摘。「原油動 向を背景に、FOMCが刺激策を早期に解除するとの見方は後退して いるため、ドルが低利回り通貨に対して下げてもおかしくない」と述 べた。

ニューヨーク時間午後4時24分現在、スイス・フランはドルに 対して前日比0.8%高の1ドル=92.59サンチーム(前日は

93.30サンチーム)。一時は92.34サンチームと過去最高値を記 録した。ユーロはドルに対して0.4%高の1ユーロ=1.3802ドル。 一時は1.3821ドルと、3日以来の高値となった。

円は7日続伸

円はドルに対して0.7%高の1ドル=81円92銭と、年初来最 長の7営業日続伸。一時は81円63銭と、4日以来の高値。円はユ ーロに対して0.3%高の1ユーロ=113円07銭。

リビアの最高指導者カダフィ大佐は国営テレビで、市民に対して 暴力の即時停止を要請した。軍は反政府勢力の弾圧を強めており、報 道によれば100人以上が銃殺された。

ニューヨーク原油先物4月限は一時、1バレル=103ドル台 に上昇し、08年9月以来の高値となった。供給に支障が出るとの懸 念が背景。原油はこの日、値下がりして終了した。

ユーロはドル対して一時、上げ幅を拡大する場面もあった。欧州 中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのドイツ連邦銀行(中銀)の ウェーバー総裁は、金利は今後、上昇するしかないとの見解を示した。

同総裁はこの日、フランクフルトでのパネル討論会で、「金利が 知っているのは1つの方向だけで、それは上昇だ」と語った。

ECBのトリシェ総裁は前日、フランクフルトで記者団に対し、 ユーロ圏の物価安定を維持するため必要な決定を行うと表明した。E CBは来月3日に定例政策委員会を開く。

ドルは下落

ドルは大半の主要通貨に対して下落した。米商務省が発表した1 月の新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、年率換算)は前月比 13%減の28万4000戸。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト予想の中央値は30万5000戸だった。

ブルームバーグ相関加重通貨指数を構成する先進10カ国の通貨 の中で、スイス・フランは過去1週間の上昇率が最も大きく2.1% 高。円は1.2%上昇。ドルは0.7%安だった。

米国債相場は上昇。リビア情勢を背景に、安全とされる米国債の 需要が膨らんだ。米10年債利回りは一時3.41%と、2日以来の低 水準を付けた。2年債利回りは0.70%と、3日以来の低水準付近。

カナダ・ドルは米ドルに対して0.6%高。原油はカナダの最大 輸出品目。オーストラリア・ドルは米ドルに対して0.7%高と続伸。

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