携帯でがん診断も、製造にたった200ドル-ハーバード、MIT科学者

患者のベッド脇でほんの少し採取 した細胞組織からがんを探知できる小型スキャナーを、米ハーバード 大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の科学者が作り出した。

同科学者によれば、卓上電話ほどの大きさのこのスキャナーは、 世界最小のがん診断装置。米科学専門誌「サイエンス・トランスレー ショナル・メディスン」(STM)最新号に掲載された研究リポートに よると、この装置は抗体と磁性粒子を利用し、患者から針で抽出した 細胞中にがんがあれば探知して知らせるため、外科手術で組織を大き く取り出す必要がなくなる。

この技術によって、腹部の組織を切り取って調べる生体検査を受 ける予定だった患者44人に悪性腫瘍を確認したという。研究リポート の共同執筆者でマサチューセッツ総合病院(ボストン)のセザール・ カストロ医師は、この診断装置の製造には200ドル(約1万6400円) しかかからず、診療所や比較的貧しい国々でも購入しやすいと指摘し ている。技術の特許は同病院が取得している。

研究リポートによれば、この装置を使えば結果が1時間未満で判 明するため、数日かかる生検よりもがん診断が素早くなる。携帯電話 やノートパソコンのモニターにつないで結果を見ることが可能という。 さらに、診断の正確性は96%と、現在普及している診断方法の84%を 上回るとも研究者は指摘している。

カストロ医師は「最終的に、携帯電話ぐらいの大きさの装置にな るだろう。われわれは引き続き、小型化に取り組んでいる」と語る。

同医師によると、研究は患者70人を対象に実施。44人に悪性腫 瘍が見つかった以外に、病理検査で異常なしとの診断を受けた患者に もがんを認めた。こうした患者のがんはその後、現在普及している技 術で探知できる段階に進行したという。

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