東武株が5年超ぶり安値に、40年ぶり増資で株数25%増-希薄化

東武鉄道株が急落し、一時前日比 16%安の384円と2005年5月20日以来、約5年9カ月ぶりの安値を 付けた。同社は23日、最大で932億円の公募増資を行うと発表。発行 済み株式数は最大25%増える見通しのため、1株価値の希薄化や需給 悪化を警戒した売りが膨らんだ。午前終値は、同13%安の396円。

発表によると、公募による新株の発行数は1億9000万株。このほ か、需要に応じた追加売り出し(オーバーアロットメント)を、2850 万 株を上限に行う。増資後の発行済み株式数は10億7717万株と、現在 より最大で25%増える見通し。調達資金は、東京スカイツリーを核と した大規模複合開発プロジェクトや、短期借入金の返済などに充てる。

同社財務部の竜江義玄課長補佐によると、公募増資の実施は1970 年12月以来、およそ40年ぶり。既存株主に対する還元策に関しては 現在のところ考えていないが、同氏は「スカイツリー事業を今後推進 していき、なるべく早期に価値の希薄化を防ぎたい」とした上で、「安 定した配当を行って還元していく」考えを示した。

立花証券の平野憲一執行役員は、公募増資の発表がきょうの株安 の主因と分析。増資は「企業の戦略としては当然でやむを得ない」と しながらも、投資家にとっては1株価値の希薄化が「マイナス」と指 摘した。また平野氏は、「40年間の既存株主に対する配慮が欠けてい たのではないか」とした上で、中間時価発行などの「完全公募ではな く、別の方法もあった」と話している。

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