円全面高、リスク回避でスイスフランも上昇-対ドルは2週ぶり81円台

東京外国為替市場では円が全面高 となり、対ドルでは一時、約2週間ぶりとなる1ドル=81円台を付け た。リビア情勢緊迫を背景に原油価格が高騰するなか、アジア株がほぼ 軟調に推移するなどリスク回避の動きが根強く、逃避先通貨とされる円 やスイス・フランが買われた。

ドル・円相場は1ドル=82円台半ばから一時、今月8日以来の水 準となる81円98銭までドル安・円高が進行。スイス・フランは対ド ルで過去最高値となる1ドル=0.9275フランをつけた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券クレジット市場部為替課長の 塩入稔氏は、リスク回避といっても今回はドル買いになっておらず、 「全般的にドルは弱い感じになっている」と指摘。米国の金利が低下し てきていることもドル売り材料だとし、中東・北アフリカ情勢をめぐり 「漠然としたきな臭さ」があるなかで、「ドル・円は素直に下落してい る」と語った。

ユーロ・円相場は1ユーロ=113円台半ばから一時、112円80銭 までユーロが下落。また、ユーロの対スイス・フラン相場は6週間ぶり 安値をつけた。

リスク回避

24日の東京株式相場は続落。原油高による景気や業績への影響を 不安視する流れが続いた。ニューヨーク原油先物は23日、リビア情勢 緊迫による供給障害や中東産油国への波及への懸念から2年ぶりに1バ レル=100ドルを付けた。

みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、地政学リスクを背 景に「安全資産としての米債買い」で米金利に下押し圧力がかかりやす く、「リスク回避的な円高要因」も加わり、ドル・円相場は82円台を 維持できるかが焦点になると話していた。

前日の米国債市場では原油高が米国の景気減速につながるとの懸念 から10年債利回りが一時、3.43%と3週間ぶりの水準にまで低下。こ の日は米国で先週分の新規失業保険申請件数や1月の耐久財受注、新築 住宅販売の発表や米7年債の入札が予定されており、米長期金利への影 響が注目されている

一方、ユーロ・ドル相場は欧州中央銀行(ECB)による利上げ観 測を背景に一時1ユーロ=1.3785ドルまでユーロが上昇。ただ、前日 の海外市場でつけた3週間ぶりユーロ高値(1.3787ドル)には届かず、 欧州市場に向けては1.37ドル台前半まで値を切り下げている。

林氏は、リビア情勢が混迷を深め、周辺国への波及も警戒されるな か、「原油価格の上昇がインフレ懸念を高めている」と指摘。その上で 、ECB当局者からは、「利上げ方向に政策姿勢を強めるというシグナ ルがたくさん出ている」とし、目先はユーロの上値を試す動きもあり得 ると話していた。

また、三菱UFJモルガン・スタンレー証の塩入氏は、「米国は欧 州と比べて原油の依存度が高いため、原油高は米経済に悪いのでドル売 りというのもある。また、原油の代金は基本ドルなので、産油国が原油 で得たドルを分散投資するという理論もユーロ高を引っ張る」とユー ロ・ドル相場と原油価格の相関性を説明した

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 先週分の新規失業保険申請件数は前週から5000件減少の40万5000 件が見込まれている。1月の耐久財受注は前月比2.8%増加の見通し。

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