2月24日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:円とスイス・フランが上昇、リビア緊迫で安全需要

ニューヨーク外国為替市場では、スイス・フランがドルに対して 過去最高値を付けたほか、円は対ドルでほぼ3週間ぶりの高値に上昇 した。リビア情勢の緊迫で原油価格が一時、2年5カ月ぶりの高値と なるなか、安全通貨とされるフランと円に買いが集まった。

ドルはユーロに対して3週間ぶりの安値を付けた。欧州中央銀行 (ECB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)に先立って利上げを 実施するとの観測が背景にある。円はドルに対して、8日以来初めて 対ドルで81円台に上昇した。米国債利回りが3週間ぶり低水準付近 で推移していることで、ドル建て資産の魅力が低下した。オーストラ リアやカナダなど資源国の通貨は値上がり。

野村ホールディングスの通貨調査担当マネジングディレクター、 ジェンズ・ノードビグ氏(ニューヨーク在勤)は、「円とスイス・フ ランが上昇しており、特に対ドルで買われている」と指摘。「原油動 向を背景に、FOMCが刺激策を早期に解除するとの見方は後退して いるため、ドルが低利回り通貨に対して下げてもおかしくない」と述 べた。

ニューヨーク時間午後4時24分現在、スイス・フランはドルに 対して前日比0.8%高の1ドル=92.59サンチーム(前日は

93.30サンチーム)。一時は92.34サンチームと過去最高値を記 録した。ユーロはドルに対して0.4%高の1ユーロ=1.3802ドル。 一時は1.3821ドルと、3日以来の高値となった。

円は7日続伸

円はドルに対して0.7%高の1ドル=81円92銭と、年初来最 長の7営業日続伸。一時は81円63銭と、4日以来の高値。円はユ ーロに対して0.3%高の1ユーロ=113円07銭。

リビアの最高指導者カダフィ大佐は国営テレビで、市民に対して 暴力の即時停止を要請した。軍は反政府勢力の弾圧を強めており、報 道によれば100人以上が銃殺された。

ニューヨーク原油先物4月限は一時、1バレル=103ドル台に 上昇し、08年9月以来の高値となった。供給に支障が出るとの懸念 が背景。原油はこの日、値下がりして終了した。

ユーロはドル対して一時、上げ幅を拡大する場面もあった。欧州 中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのドイツ連邦銀行(中銀)の ウェーバー総裁は、金利は今後、上昇するしかないとの見解を示した。

同総裁はこの日、フランクフルトでのパネル討論会で、「金利が 知っているのは1つの方向だけで、それは上昇だ」と語った。

ECBのトリシェ総裁は前日、フランクフルトで記者団に対し、 ユーロ圏の物価安定を維持するため必要な決定を行うと表明した。E CBは来月3日に定例政策委員会を開く。

ドルは下落

ドルは大半の主要通貨に対して下落した。米商務省が発表した1 月の新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、年率換算)は前月比 13%減の28万4000戸。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト予想の中央値は30万5000戸だった。

ブルームバーグ相関加重通貨指数を構成する先進10カ国の通貨 の中で、スイス・フランは過去1週間の上昇率が最も大きく2.1% 高。円は1.2%上昇。ドルは0.7%安だった。

米国債相場は上昇。リビア情勢を背景に、安全とされる米国債の 需要が膨らんだ。米10年債利回りは一時3.41%と、2日以来の低 水準を付けた。2年債利回りは0.70%と、3日以来の低水準付近。

カナダ・ドルは米ドルに対して0.6%高。原油はカナダの最大 輸出品目。オーストラリア・ドルは米ドルに対して0.7%高と続伸。

◎米国株:買い優勢、原油下落で景気腰折れ懸念が緩和-GMは下落

米株式市場では買いが優勢。ダウ工業株30種平均は一時123 ドル下げたが、下落分をほぼ埋めた。原油相場が下落し、エネルギー 価格の急騰が景気回復を損ねるとの懸念が緩和した。

航空機メーカーのボーイングは上昇。航空機への需要持ち直しが 好感された。オンライン旅行会社プライスライン・ドット・コムも高 い。同社の利益見通しがアナリスト予想を上回ったのが材料視された。 自動車のゼネラル・モーターズ(GM)は下落。昨年11月に実施し た新規株式公開(IPO)以来の安値をつけた。原油価格の高騰で、 トラック販売見通しが不透明になるとの見方が背景。原油相場の反落 を受けてエクソンモービルも安い。

米証券取引所全体の騰落比率は約4対3。S&P500種株価指 数は前日比0.1%安の1306.10。原油が約2年ぶりの高値をつけ ると、1%下げる場面もあった。ダウ工業株30種平均は37.28ド ル(0.3%)下げて12068.50ドル。

キーコープのプライベートバンキング部門のチーフ投資ストラテ ジスト、ブルース・マケイン氏は、「相場は明らかに緊張状態と経済 ファンダメンタルズの間で振れている」と述べた。「おおむね、米国 の経済統計は良好だ」としながらも、「今後は石油、憶測、さらにそ の影響に関心が向くだろう」と続けた。

この日のニューヨーク原油先物相場は反落。一時は2年5カ月ぶ り高値を付けたが、米国とサウジアラビア、国際エネルギー機関(I EA)がリビアからの供給が絶たれても補うことができるとの見方を 示したため、下げに転じた。

米政府の対応

ホワイトハウスのカーニー報道官は、中東一帯の騒乱で供給が削 減されたとしても米政府は対応できると発言した。

スタイフェル・ニコラウスの運用担当者、チャド・モーガンラン ダー氏は、「市場参加者は中東からの情報を毎分のように注視してい る」と話し、「リビアの緊迫情勢が解決する兆候が何か示されれば、 支援材料になるだろう。波及懸念が収まれば、世界的な経済成長は年 内続くだろう」と指摘した。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は前週から2万2000件減少して39万1000件。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は40万5000件 だった。この統計発表後、S&P500種株価指数は一時0.3%高と なる場面もあった。

また、ブルームバーグが発表した先週の米消費者信頼感指数は 2008年4月以来の高水準に上昇した。発表によると、20日終了週 のブルームバーグ消費者信頼感指数はマイナス39.2と、前週のマ イナス43.4から上昇。自身の財政事情に前向きな見方を示した回 答者の割合は49%と、1年ぶりの高水準に達した。同指数はこれま でABC放送が発表していた。

ボーイング

ボーイングは0.8%高。米商務省が発表した1月の製造業耐 久財受注額は前月比で2.7%増加したのが好感された。前月は

0.4%減。民間航空機の受注額は74億ドル。前月は1億4800万ド ルに落ち込んでいた。

プライスラインは8.5%の大幅上昇。同社1-3月(第1四半 期)の利益予想は下限が1株当たりで2.34ドル。ブルームバーグ がまとめたアナリスト予想の平均2.30ドルを上回った。

GMは4.5%安の33.02ドル。

S&P500種エネルギー株は1.4%安と、産業別10指数の 中で値下がり率最大。エクソンは1.3%下落した。

◎米国債:上昇、リビア騒乱で-30年債利回りは月初来最低

米国債相場は上昇。30年債利回りは今月の最低水準に低下した。 リビア騒乱とその波及懸念から安全な資産としての国債に買いが入っ た。

290億ドル規模の7年債入札を背景に、10年債利回りは3週間 ぶりの水準に低下した。今週3回の入札はこの日で終了した。発行総 額は990億ドル。リビアの最高指導者、カダフィ大佐の支持派が反 対派と衝突、原油相場は2年5カ月ぶりの高値に上昇した。利回りは 2日以来の低水準をつけた。ニューヨーク連銀はこの日、償還期限 2012年11月-13年8月の国債を50億ドル購入した。これは 6000億ドル規模の国債購入プログラムの一環。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デービ ッド・コード氏は「引き続きリビアが主な材料だ。原油価格が全てを 左右している」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時34分現在、30年債利回りは4ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01ポイント)低下の4.55%。一時は1月31日以来の水 準に低下した。30年債(表面利回り4.75%、償還2041年2月) 価格は19/32高の103 9/32。

10年債利回りは3bp低下の3.45%。一時は2日以来の低水 準をつけた。既発7年債は1bp低下の2.86%。

7年債入札では海外の中央銀行を含む間接入札の落札全体に占め る割合が49.7%。過去10回の平均は52%だった。

原油高騰

原油先物4月限は一時、1バレル=103.41ドルと、日中取引 としては2008年9月29日以来の高値をつけ、燃料価格高騰が経 済成長を抑制するとの懸念をあおった。

モーガン・キーガンの債券資本市場部門プレジデント、ケビン・ ギディス氏は顧客向けリポートで「米経済が勢いを付け、信頼感が再 び回復し始めている時にこの問題が起こった」と指摘。「これがペル シャ湾岸全域に波及し続ければ、景気回復は再び無期限に遅れること になる」との見方を示した。

ブラード総裁

セントルイス連銀のブラード総裁は6000億ドルの米国債購入 計画が米経済見通しの改善に一役買ったと述べ、6月末に終了するこ の計画の規模を縮小すべきかどうかが政策議題になる可能性があると 指摘した。

同総裁はケンタッキー州ボウリンググリーンで講演。事前原稿に よると、「量的緩和はこれまで、政策金利がほとんどゼロという環境 の下で、手段として効果を発揮してきた。プログラムを発表して以来、 経済見通しは改善された」と述べた。

通常の10年債とインフレ連動国債(TIPS)の利回り差は前 日に2.42ポイントと、1月5日以来の最大に拡大した。

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) は23日、ウェブサイトでリポートを公表し、今年の米消費者物価が

1.7-2.2%上昇するとの見通しを示した。2010年は1.5%上昇 だった。

米商務省が24日発表した1月の製造業耐久財受注額は前月比で

2.7%増加した。前月は0.4%減。先週の失業保険申請件数は前週 比で予想以上に減少し、労働市場の改善を示唆した。

PIMCOの債券ストラテジスト、アンソニー・クレセンツィ氏 は「雇用の伸びが月15万人以上に加速する確率が高まっている」と 述べた。

◎NY金先物:8営業日続伸、リビア緊迫で逃避資金の流入続く

ニューヨーク金先物相場は続伸。リビアの情勢緊迫で投資資金を 避難させる動きが続き、過去6カ月で最長の8営業日連続高となった。

原油価格はリビアの産油量が最大3分の1に減ったとの推計を受 けて、一時2年5カ月ぶりの高値に上昇した。チュニジアに端を発し た民主化運動は同国の政権を倒し、エジプトのムバラク大統領を退陣 に追いやった。反体制運動の波はイエメンやバーレーンでのデモに広 がり、サウジアラビアは国民の生活水準を引き上げるための措置を導 入した。

ラサール・フューチャーズ・グループ(シカゴ)の金属トレーダ ー、マット・ジーマン氏は、「地政学的緊張と不安定感はなお強く残 っているため、金は今後も上昇基調を続けるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比1.80ドル高の1オンス=1415.80ドル。一時は 1月3日以来の高値となる1418.80ドルを付けた。過去1年では 29%値上がりした。

◎NY原油:反落、供給減少への警戒緩む-一時103.41ドル

ニューヨーク原油先物相場は反落。一時は2年5カ月ぶり高値を 付けていたが、米国とサウジアラビア、国際エネルギー機関(IEA) がリビアからの供給が絶たれても補うことができるとの見方を示した ため、下げに転じた。

ホワイトハウスのカーニー報道官は、中東一帯の騒乱で供給が削 減されたとしても米政府は対応できると発言した。IEAはこの日、 中東危機による供給減は日量50万-75万バレルとの推計を示した。 ゴールドマン・サックス・グループは供給減が「著しい価格上昇リス ク」をもたらすと予想している。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード) のアナリスト兼ブローカー、ジーン・マクギリアン氏は、「供給が減 っても補えるとのメッセージがようやく影響を及ぼし始めたようだ」 と指摘。「リビア情勢に変化はない。市場には依然としてかなりの地 政学的なプレミアムがある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比82セント(0.84%)安の1バレル=97.28ドルで終了した。 一時は103.41ドルまで値上がりし、日中の価格としては2008年 9月29日以来の高値を付けた。この1年間では22%の値上がり。

◎欧州株:5日続落、リビア情勢に伴う原油高で-RBSなどに売り

欧州株式相場は5営業日続落し、昨年10月以降で最長の下げと なった。リビア情勢の緊迫化で原油相場が2年5カ月ぶり高値を付け たことが響いた。

ドイツ2位の公益会社、RWEは5.2%安。今年の利益が減少 するとの見通しが嫌気された。英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコッ トランド・グループ(RBS)は3.6%下落。2010年通期損失が 予想以上に悪化したことが売り材料。ドイツの自動車メーカー、ポル シェは11%急落。同社はフォルクスワーゲン(VW)との合併が遅 れる可能性があるとの見方を示した。

ストックス欧州600指数は前日比0.6%安の280.56と、月 初来安値を付けた。同指数は前週に2008年8月以来の高値に上昇 した後、3.6%下げている。このままでいくと週間ベースでは昨年7 月以降で最大の値下がりとなる。年初来上昇率は1.7%。

アクサ・インベストメント・マネージャーズ(パリ)のシニアス トラテジスト、シャルル・ドートレム氏は、リビア騒乱が「パンドラ の箱を開いた」と述べ、「状況がどれだけ長期化するか分からず、不 透明感が生じた。株式市場にとって、現地で事業展開する企業や石油 に依存する企業以外にも影響は広がった」と続けた。

リビア情勢で同国からの供給が細るとの懸念を背景に、ニューヨ ーク原油先物相場は2年5カ月ぶり高値を付けた。ニューヨーク商業 取引所(NYMEX)の原油先物4月限は1バレル=103.41ドル に達し、2008年9月29日以来の高値となった。

24日の西欧市場では、18カ国中12カ国で主要株価指数が下 落した。

◎欧州債:ギリシャ、アイルランド債下落-リビア情勢に伴う原油高

欧州債市場では、ギリシャとアイルランドを中心にユーロ圏の高 債務国の国債相場が下落。リビア情勢の緊迫化で原油相場が2年半ぶ り高値となり、高リスクとされるこれら国債に対する需要が後退した。

一方、リビアの政情不安を背景にドイツ10年債利回りは約1カ 月ぶり低水準に達した。欧州株は5日続落。イタリア政府はこの日、 インフレ連動債を15億ユーロ発行。25日には95億ユーロ規模の 中長期債の入札を実施する。この日発表された2月のユーロ圏景況感 指数は3年半ぶりの高水準となった。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)の金利ストラテジス ト、ノルベルト・アウル氏(ロンドン在勤)は、「中東と北アフリカ の緊迫化が安全資産を左右しているのは明らかだ」と述べ、「イタリ アの25日の入札を含めた大量発行は、ドイツ国債への支援材料とな っているが、周辺国債にとっては重しだ」と続けた。

ロンドン時間午後4時24分現在、ギリシャ10年債利回りは 11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の11.86%。 一時は1月11日以来の高水準となる11.89%まで上げた。アイル ランド10年債利回りは前日比17bp上昇の9.32%。ポルトガル 10年債利回りは4bp上げ7.50%、イタリア10年債利回りは

4.84%と、前日から1bp上昇した。

ドイツ10年債利回りは1bp低下の3.13%。一時は3.11% まで下げ、先月25日以来の低水準を付けた。ドイツ2年債利回りは 2bp低下し1.53%。

◎英国債:2年債は3日ぶりに上昇-中銀委員が性急な利上げけん制

英国債市場では、2年債相場が3日ぶりに上昇。同利回りは7ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し1.45%となった。

2年債(表面利率4.5%、2020年3月償還)価格は0.145ポ イント上げ106.07。10年債利回りは4bp低下の3.62%。

イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)のデ ービッド・マイルズ委員は23日夜の講演で、複数の見通しが「極め て段階的な」引き締めを支持していることから、当局者がインフレに 対する「断固たる」姿勢を示すために利上げを急ぐのは適切ではない との見解を示した。

スタンダード・バンクのG10通貨調査責任者、スティーブ・バ ロー氏(ロンドン在勤)は、「金利見通しは若干後退した。原油価格 がスタグフレーション要因とみなされているためだ」と述べた。この 日の原油相場は急騰し、2年半ぶり高値を付けた。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor: Tsuneo Yamahiro, Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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