2月23日の米国マーケットサマリー:原油一時100ドル、株価続落

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3747 1.3650 ドル/円 82.49 82.77 ユーロ/円 113.40 112.99

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 12,105.78 -107.01 -.9% S&P500種 1,307.40 -8.04 -.6% ナスダック総合指数 2,722.99 -33.43 -1.2%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .74% +.05 米国債10年物 3.48% +.02 米国債30年物 4.58% -.03

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,414.00 +12.90 +.92% 原油先物 (ドル/バレル) 98.45 +3.03 +3.18%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが大半の主要通貨に対して 下落。欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中央銀行)が 燃料コスト上昇によるインフレを抑制するため、米連邦公開市場委員 会(FOMC)に先立って利上げを実施するとの観測が強まった。

ユーロはドルに対してほぼ3週間ぶりの高値に上昇。英ポンドも 対ドルで値上がりした。英中銀が公表した10日の金融政策委員会 (MPC)の議事録では、3委員が利上げを主張したことが明らかに なった。リビア情勢を背景に原油相場が急上昇するなか、ノルウェ ー・クローネはドルに対して約1年ぶりの高値を付けた。

バークレイズ・キャピタルの通貨ストラテジスト、アループ・チ ャタジー氏は、「ECBはインフレの総合指数に重点を置いており、 原油価格の高騰はこうした指標に圧力をかけることになろう。このた め、FOMCよりもECBの政策対応の方が強くなることが予想され る」と指摘。「これは全体的なドル安センチメントではなく、対ユー ロでのドル安ということだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時23分現在、ドルはユーロに対して前 日比0.7%安の1ユーロ=1.3747ドル。一時は1.3787ドルと、3 日以来の安値を付けた。ユーロは円に対して0.5%高の113円53銭 (前日は112円99銭)。ドルは円に対して0.2%安の82円58銭。 一時は82円32銭と、9日以来の安値となった。

◎米国株式市場

米株式相場は続落。前日と合わせた主要株価指数の下げ幅は過去 6カ月で最大だった。緊迫する中東情勢を背景に原油相場がバレル当 たり100ドルに上昇したほか、コンピューターのヒューレット・パッ カード(HP)の業績予想がアナリスト見通しを下回ったのが嫌気され た。

HPは9.6%安。自動車のフォード・モーターも安い。同社は ピックアップトラック14万4000台のリコールを発表した。また米 最高裁判所の判断により、今後自動車メーカーがシートベルトの設計 をめぐり新たな訴訟に直面する可能性があることも嫌気された。米住 宅関連用品小売り2位のローズは、利益見通しがアナリスト予想に及 ばず、売りを誘った。石油のシェブロンは上昇。原油先物相場はリビ ア情勢の緊迫化を背景に2年4カ月ぶり高値に上げた。

ニューヨーク時間午後4時現在の暫定値では、S&P500種株 価指数は前日比0.6%安の1307.40。前日からの2日間で2.7%値 下がりした。ダウ工業株30種平均は107.01ドル(0.9%)下げて

12105.78ドル。

ホランド(ニューヨーク)の会長として40億ドル余りの資産運 用に携わるマイケル・ホランド氏は、「市場参加者は常に先を見極め ようとしている。だから原油価格の上昇に対してはネガティブに反応 した」と述べ、「原油価格の上昇は景気見通しにも影響を及ぼすだろ う。企業利益が予想以上に良好で、明るい経済統計が発表されていて も、こうした材料はバックミラーでちょっと目をやる程度の関心しか ない」と続けた。

◎米国債市場

米国債市場では10年債利回りが一時、3週間ぶりの低水準をつ けた。リビア情勢を背景とした原油高が米国の景気減速につながると の懸念から、国債に買いが入った。

量的緩和策の一環としてニューヨーク連銀が19億6700万ドル 相当の長期債を購入したため、30年債は上昇した。5年債入札で応 札が予想を下回ると、国債利回りは低下分を埋めた。

CRTキャピタル・グループの国債ストラテジスト、イアン・リ ンジェン氏は、「応札は比較的弱かった」と指摘。「中東の広範な政 治情勢が国債相場にとって最も大きな買い材料であることを考慮する と、入札は相場の全体的な方向感を示しているわけではない」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後1時46分現在、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01ポイント)上昇の3.47%。10年債(表面利回り

3.625%、2021年2月償還)価格は3/32安の101 9/32。

10年債利回りは一時、3.43%と2日以来の水準にまで低下した。 北アフリカと中東で政治的緊張が高まり、安全を求める国債需要が膨 らんだ。既発5年債は前日比ほぼ変わらずの2.14%。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続伸。リビアと中東の情勢緊迫で投資 資金を避難させる動きが続き、過去6カ月で最長の7営業日連続高と なった。

リビアの最高指導者、カダフィ大佐は前日のテレビ演説で、「最 後の血の一滴」が落ちるまで戦い抜くと表明。この日の金は一時、1 オンス=1417.30ドルと、7週間ぶり高値を付けた。過去最高値は 昨年12月7日に記録した1432.50ドル。

MFグローバルのアナリスト、トム・ポーリッキ氏(シカゴ在勤) はリポートで、「金は今後も地政学的要素とインフレの脅威、さらに は活気を取り戻した投資活動に押し上げられるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比12.90ドル(0.9%)高の1オンス=1414.00ドル。 過去1年では28%値上がりした。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は大幅続伸し、一時は2年ぶりに1バ レル=100ドルを付けた。アフリカ第3の原油輸出国であるリビアは 武力で反政府勢力を弾圧。原油供給に障害が生じる可能性と中東産油 国への波及が懸念された。

リビアの首都トリポリではこの日も大規模な銃撃戦が展開された。 軍の部隊が複数離反し、カダフィ大佐の元側近は広がる反政府の動きで 数日中に政権が打倒される可能性があると警告した。

リビア情勢の緊迫化で、原油相場は一時4.8%高を付けたが、サ ウジアラビアなど複数の産油国が必要とあれば増産も辞さない意向を 示すと、上値を削られた。

PFGベストの調査部門バイスプレジデント、フィル・フリン氏 (シカゴ在勤)は、「リビアでの生産縮小は中東の情勢不安が現実に 供給に打撃を与えていることであり、100ドルの水準を超えたのはこ のためだ」と述べた。「動乱がさらに広がり、サウジアラビアなどを 脅かすという懸念がある」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比2.68ドル(2.81%)高の1バレル=98.10ドルで終了した。一 時は2008年10月2日以降で初めて100ドルを付けた。過去1年間 では24%の値上がり。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor:Tsuneo Yamahiro 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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