NY外為:ドル下落、ECBとBOEが利上げで米に先行と観測

ニューヨーク外国為替市場では、 ドルが大半の主要通貨に対して下落。欧州中央銀行(ECB)とイン グランド銀行(BOE)が燃料コスト上昇によるインフレを抑制 するため、米連邦公開市場委員会(FOMC)に先立って利上げを実 施するとの観測が強まった。

ユーロはドルに対してほぼ3週間ぶりの高値に上昇。英ポンドも 対ドルで値上がりした。英中銀が公表した10日の金融政策委員会 (MPC)の議事録では、3委員が利上げを主張したことが明らかに なった。リビア情勢を背景に原油相場が急上昇するなか、ノルウェ ー・クローネはドルに対して約1年ぶりの高値を付けた。

バークレイズ・キャピタルの通貨ストラテジスト、アループ・チ ャタジー氏は、「ECBはインフレの総合指数に重点を置いており、 原油価格の高騰はこうした指標に圧力をかけることになろう。このた め、FOMCよりもECBの政策対応の方が強くなることが予想され る」と指摘。「これは全体的なドル安センチメントではなく、対ユー ロでのドル安ということだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルはユーロに対して前日比

0.7%安の1ユーロ=1.3749ドル。一時は1.3787ドルと、3日 以来の安値を付けた。ユーロは円に対して0.4%高の113円44銭 (前日は112円99銭)。ドルは円に対して0.3%安の82円51 銭。一時は82円32銭と、9日以来の安値となった。

ECBのトリシェ総裁はこの日、フランクフルトで記者団に対し、 ユーロ圏の物価安定を維持するため必要な決定を行うと表明した。E CB政策委員会メンバーのルクセンブルク中銀のメルシュ総裁は前日、 景気の勢いが強まり、インフレ率がECBの2%弱の目安を上回ってい ることから、「金融政策スタンスの再調整」が必要となるのは必至だと 述べた。時期的なめどには言及しなかった。

金利見通し

FOMCは景気回復を支援するため、政策金利を0-0.25%に据 え置いている。先月の会合でも同金利は「長期にわたり」低水準に維持 されるとあらためて表明した。

UBSの為替ストラテジスト、ブライアン・キム氏(コネティカ ット州スタンフォード在勤)は「市場参加者は海外でのインフレに関 する発言に耳を傾けており、タカ派的な傾向の兆しやこうした発言が 利上げ実施として解釈できる機運が高まるならば、それは確実に通貨 を支える」と述べた。

欧州の金利先物取引によると、借り入れコストの上昇観測が高ま っていることが示唆された。3カ月物の欧州銀行間金利(EURIB OR)2011年12月限はこの日、1.96%に上昇。16日は1.88% だった。一方、CMEグループの取引所の金利先物動向によると、F OMCが今年12月に政策金利を引き上げる確率は35%。1週間前 は50%だった。

リビアからの退避

各国政府は、アフリカ最大の原油埋蔵量を有するリビアからの自 国民の退避を急いでいる。ニューヨーク原油先物相場はこの日、一時

6.9%高の1バレル=100ドルと、08年10月以来の高値を付けた。

ウンダーリッヒ・セキュリティーの米国債トレーディング責任者、 マイケル・フランゼーセ氏は「市場を動かしているのは民主化を求め る騒乱というより、不安定な原油相場とそれが米消費者に及ぼす影響 だ」と述べた。

ノルウェー・クローネは大半の主要通貨に対して上昇。ドルに対 しては昨年1月13日以来の高値となった。原油は同国最大の輸出品 目。

円は上昇

英ポンドはドルに対して0.5%高。英中銀の議事録によると、 センタンス委員とウィール委員に加え、デール委員も利上げを主張し た。「一部委員は利上げの可能性が高まったと判断した」と説明して いる。

円はドルに対して年初来では最長となる6営業日続伸。米国債利 回りが3週間ぶりの低水準付近で推移していることが背景。米10年 債利回りは3.43%と、2日以来の低水準を付けた。2年債利回りは

0.72%と、3日以来の低水準に近づいた。

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