米国債:下落、5年債入札不調で-逃避需要に陰りとの見方

米国債相場は下落。350億ドル規模 の5年債入札で需要が予想を下回り、安全な逃避先としての国債需要は 弱まりつつあるとの見方が広がった。

10年債は上昇する場面もあり、利回りは3週間ぶりの低水準を つけた。リビア情勢を背景とした原油高が米国の景気減速につながる との懸念から買いが入った。5年債入札で海外中央銀行を含む間接入 札の落札全体に占める割合が昨年11月以来の低水準にとどまると、 国債は値上がり分を消した。

BNPパリバの金利戦略責任者、ブレント・ベイガン氏(ニュー ヨーク在勤)は「地政学的な要因が米国債の逃避需要を示しているに もかかわらず、応札が旺盛でなかったことはやや意外だ」と語った。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時13分現在、既発5年債利回りは3ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01ポイント)上昇の2.17%。5年債(表面利回り 2%、2016年1月償還)価格は5/32安の99 7/32。

5年債入札の最高落札利回りは2.190%と、入札直前の市場予 想の2.170%を上回った。投資家の需要を測る指標の応札倍率は

2.69倍だった。過去10回の平均は2.79倍。

間接入札が不調

間接入札の割合は34.2%。前回の入札では45%、過去10回 の平均は42.4%だった。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接 入札の割合は7.7%。過去10回の平均は11.2%。

RWプレスプリッチのマネジングディレクター、ラリー・ミルス タイン氏は「入札は不調だった。ウォール街は希望以上の国債を引き 受ける羽目になった」と指摘。「質への逃避があったため、ほとんどの 市場参加者は強い入札結果を予想していた」と述べた。

10年債利回りは3bp上昇の3.49%。一時は3.43%と2日 以来の水準にまで低下する場面もあった。北アフリカと中東で政治的 緊張が高まり、安全を求める国債需要が膨らんだ。

原油が一時100ドル

ニューヨーク原油先物4月限は2.8%高の1バレル=98.10ド ルで終了。一時は100ドルと、2008年10月の高値をつけた。

リビア情勢の緊迫化を背景に、原油相場は急騰した。同国では軍の 一部が離反し、カダフィ大佐の元側近は数日以内に政権崩壊につながる 可能性があると警告した。カダフィ大佐は22日夜、反体制勢力と「最 後の血の一滴」まで戦うと言明した。

通常の2年債と同年限のインフレ連動国債(TIPS)の利回り 差はこの日、2.22ポイントと08年7月以降の最大に拡大した。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチがまとめた指数によると、 TIPSの年初からの収益率はプラス0.2%。一方、通常の国債はマ イナス0.4%となっている。

30年債利回りは2bp低下の4.58%。ニューヨーク連銀は償 還期限2028年8月―41年2月の国債を購入したことが背景にある。

プロッサー総裁

米フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は、インフレ圧力を抑 制するため、「米国債購入計画の早期終了の可能性を否定しない」との 見解を表明した。

国際通貨基金(IMF)のリプスキー筆頭副専務理事は、中東や 北アフリカでの政情不安をきっかけとした原油相場の高騰が短期的な ものであることが証明されている限り、世界経済は相場高騰に耐え得る との見解を示した。ドイツ銀行と米銀バンク・オブ・アメリカ(B OA)メリルリンチも同様の見方を示している。

リプスキー筆頭副専務理事は22日、ブルームバーグテレビジョ ンの番組「インサイド・トラック」で「世界の経済見通しが大幅に変 更される可能性は低い」と指摘した。

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