ユーロが上昇、ECBのインフレ警戒姿勢根強い(訂正)

午前の東京外国為替市場では、ユ ーロが一段高の展開となり、対ドルでは1ユーロ=1.37ドル台に乗せ て、2営業日ぶりの高値を付ける場面も見られた。欧州中央銀行(E CB)の当局者からインフレを警戒する発言が目立つことから、利上 げ期待を背景にユーロ買いが進んだ。

ユーロ・ドル相場は一時1.3712ドルまでユーロが水準を切り上げ ている。日本時間午前11時40分現在は1.3699ドル近辺で推移。ユー ロは対円でも買い進まれ、一時は1ユーロ=113円59銭と、前日のニ ューヨーク時間午後遅くに付けた112円99銭から上昇している。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、市場の目が欧 州の財政問題から少し離れている感がある中で、ECB当局者のイン フレ警戒発言が注目されていると説明。さらに、中東・北アフリカ情 勢の緊迫化が原油高につながっている状況下で、ECBの金融政策決 定会合を来週に控えて、「利上げを先取りする形でユーロが買われやす い」とみている。

一方、ドル・円相場は前日の海外市場でリビア情勢の緊迫化を背 景にリスク回避の動きが強まり、一時1ドル=82円58銭と、2月10 日以来の水準まで円高が進行。ただ、この日の東京市場では、米株先 物がプラスで推移していることなどから、円買いの勢いが鈍化してい るとの指摘も聞かれている。午前11時40分現在では円の上値が82 円59銭、下値は82円89銭と、値幅は30銭にとどまっている。

欧州当局がインフレ懸念示す

ECBの政策委員会メンバーで、ルクセンブルク中銀のメルシュ 総裁が21日のインタビューで、「物価安定のリスクが上向きにあると 大半のメンバーが判断しても驚かないだろう」と発言。景気の勢いが 強まり、インフレ率がECBの2%弱の目安を上回っていることから、 「金融政策スタンスの再調整」が必要となるのは必至だとの見解を示 した。

同氏の発言を受けて、前日の欧州債市場ではドイツの2年債相場 が下落。同利回りは一時9日以来の高水準となる1.46%まで上昇した。 欧州ではこの日、引き続きトリシェECB総裁やウェーバー独連銀総 裁など当局者の講演が控えており、外為オンラインの佐藤氏は「利上 げに前向きな発言が出るとユーロが買われやすい」としている。

一方、米国では前日に発表された全米20都市を対象にした12月 の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住 宅価格指数が前年同月比で2.4%低下。2009年12月以来の大幅な落ち 込みとなった。

この日の米国時間には、1月の中古住宅販売件数が発表される予 定で、引き続き住宅市場の動向が注目されそうだ。

世界情勢の不安定化を警戒

エジプトとチュニジアに端を発した民主化要求デモの波が中東・ 北アフリカで広がる中、リビアでは情勢が一段と緊迫化。同国の最高 指導者カダフィ大佐は、首都トリポリから演説し、「最後の血の一滴」 が落ちるまで反体制勢力と戦うと言明し、23日には治安回復のために 軍・警察部隊を動員すると宣言するなど、強硬姿勢を示している。

クレディ・スイス証券外国為替調査部の深谷幸司チーフ通貨スト ラテジストは、リビア情勢の行方に注目が集まるなか、日本時間朝方 の取引でも原油価格が跳ね上がっており、株価に悪影響を及ぼす可能 性があると指摘。「リスク回避的なムードはまだ変わらない」とし、引 き続きスイス・フランや円が買われやすい地合いが続くとみている。

さらに、イエメンでは、首都サヌアで、サレハ大統領の退陣を求 めるデモ隊を武装した政府支持者が攻撃し、少なくとも2人が死亡、 10人が負傷したという。

--取材協力:小宮弘子 Editor:Masaru Aoki, Joji Mochida

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 三浦和美 Kazumi Miura

+81-3-3201-8583 kmiura1@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo

+81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

Rocky Swift

+81-3-3201-2078 rswift5@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE