円高圧力強まる、リビア情勢緊迫でリスク回避の買い(訂正)

日本時間朝の外国為替市場では、 ドル・円相場が1ドル=82円台後半で推移している。リビア情勢の緊 迫化を受けた米欧の株価下落を背景に、投資避難的な円買いが進んだ 海外市場の流れを引き継いでいる。

ドル・円相場は前日の海外市場で一時82円58銭と、2月10日以 来の水準まで円高が進行。日本時間午前8時15分現在は82円78銭付 近で取引されている。前日の海外市場では避難先としてスイス・フラ ンも買い進まれ、対ドルでは一時1ドル=0.9367スイス・フランと、 今月2日以来の高値を付けた。

エジプトとチュニジアに端を発した民主化要求デモの波が中東・ 北アフリカで拡大する中、リビアでは情勢が一段と緊迫化。同国の最 高指導者カダフィ大佐は、首都トリポリから演説し、「最後の血の一 滴」が落ちるまで反体制勢力と戦うと言明し、23日には治安回復のた めに軍・警察部隊を動員すると宣言するなど、強硬姿勢を示している。

リビア情勢の悪化を受けて、前日の米株式相場は急落。S&P500 種株価指数は昨年8月以来の大幅安を記録した。また、株価の予想変 動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティ リティ指数(VIX指数)は20.80と、昨年12月1日以来の水準に急 上昇している。

欧州当局がインフレ懸念示す

一方、ユーロ圏では、欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メン バー、ルクセンブルク中銀のメルシュ総裁が21日にインタビューで、 「物価安定のリスクが上向きにあると大半のメンバーが判断しても驚 かないだろう」と発言。景気の勢いが強まり、インフレ率がECBの 2%弱の目安を上回っていることから、「金融政策スタンスの再調整」 が必要となるのは必至だとの見解を示した。

これを受けて、前日の海外市場ではECBの利上げ観測を背景に ユーロ買いが活発化。一時1ユーロ=1.3525ドルと、16日以来の安値 を付けていたユーロ・ドル相場は1.3704ドルまで値を戻す場面も見ら れた。日本時間午前8時15分現在は1.3669ドル近辺で推移している。

半面、米国では前日に発表された全米20都市を対象にした12月 の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住 宅価格指数が前年同月比で2.4%低下。2009年12月以来の大幅な落ち 込みとなった。

この日の米国時間には、1月の中古住宅販売件数が発表される予 定で、引き続き住宅市場の動向が注目されそうだ。

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