ユーロ上昇、ECBインフレ警戒姿勢で買い圧力-ドル・円は82円後半

東京外国為替市場では、ユーロが 上昇。対ドルでは1ユーロ=1.37ドル台に乗せ、2営業日ぶりの高値 を付ける場面も見られた。欧州中央銀行(ECB)の当局者からインフ レを警戒する発言が目立つことから、利上げ期待を背景にユーロ買い圧 力が強まった。

ユーロ・ドル相場は午前に一時1.3712ドルまでユーロが水準を切 り上げている。午後3時34分現在は1.3695ドル近辺で推移。ユーロ は対円でも買い進まれ、一時は1ユーロ=113円59銭と、前日のニュ ーヨーク時間午後遅くに付けた112円99銭から上昇した。午後は113 円台前半を中心に取引された。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、「EC Bがみているリスクはインフレ」だとして、当局者の発言については、 引き続き警戒する必要があると指摘。中東情勢不安の長期化が見込まれ る中、落ち着きどころを探る状況で、市場の目が金利動向に向きやすい 局面では「ユーロが強い」と説明している。

一方、ドル・円相場は午後の取引でドル売りが優勢となり、一時1 ドル=82円53銭と、2月10日以来の水準まで下値を切り下げた。午 後3時34分現在は82円67銭前後で取引されている。

欧州当局のインフレ警戒姿勢

ECBの政策委員会メンバーで、ルクセンブルク中銀のメルシュ総 裁は21日のインタビューで、「物価安定のリスクが上向きにあると大 半のメンバーが判断しても驚かないだろう」と発言。景気の勢いが強ま り、インフレ率がECBの2%弱の目安を上回っていることから、「金 融政策スタンスの再調整」が必要となるのは必至だとの見解を示した。

同氏の発言を受けて、前日の欧州債市場ではドイツの2年債相場が 下落。同利回りは一時9日以来の高水準となる1.46%まで上昇した。 欧州ではこの日、引き続きトリシェECB総裁やウェーバー独連銀総裁 など当局者の講演が控えている。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、市場の目が欧州 の財政問題から少し離れている感がある中で、ECB当局者のインフレ 警戒発言が注目されていると説明。さらに、中東・北アフリカ情勢の緊 迫化が原油高につながっている状況下で、ECBの金融政策決定会合を 来週に控えて、「利上げを先取りする形でユーロが買われやすい」とみ ている。

一方、米国では前日に発表された全米20都市を対象にした12月 の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅 価格指数が前年同月比で2.4%低下。2009年12月以来の大幅な落ち 込みとなった。

この日の米国時間には、1月の中古住宅販売件数が発表されるが、 資産管理サービス信託銀の野村氏は、地政学リスクを背景に米金利が下 押される中で、住宅関連指標が弱めの内容になると、「ドル安は続く」 といった見方につながりやすいと説明している。

中東・北アフリカの不安定化

エジプトとチュニジアに端を発した民主化要求デモの波が中東・北 アフリカで広がる中、リビアでは情勢が一段と緊迫化。同国の最高指導 者カダフィ大佐は、首都トリポリから演説し、「最後の血の一滴」が落 ちるまで反体制勢力と戦うと言明し、23日には治安回復のために軍・ 警察部隊を動員すると宣言するなど、強硬姿勢を示している。

クレディ・スイス証券外国為替調査部の深谷幸司チーフ通貨ストラ テジストは、リビア情勢の行方に注目が集まるなか、日本時間朝方の取 引でも原油価格が跳ね上がっており、株価に悪影響を及ぼす可能性があ ると指摘。「リスク回避的なムードはまだ変わらない」とみている。

さらに、イエメンでは、首都サヌアで、サレハ大統領の退陣を求め るデモ隊を武装した政府支持者が攻撃し、少なくとも2人が死亡、10 人が負傷したという。

--取材協力:小宮弘子 Editor:Joji Mochida、Masaru Aoki

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 三浦和美 Kazumi Miura

+81-3-3201-8583 kmiura1@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo

+81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

Rocky Swift

+81-3-3201-2078 rswift5@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE