TB落札利回り低下、債券高や海外投資家需要で-国内勢は慎重との声

財務省が実施した国庫短期証券(T B)3カ月物入札は落札利回りが小幅低下した。債券相場の上昇が続 いている上、前回債に引き続き海外投資家の潜在需要の強さが見込ま れていることが背景。一方、国内投資家はTBの買い増しに慎重姿勢 で、既発債との入れ替えがあったとの指摘も出ていた。

TB174回債の最高落札利回りは前回比0.2ベーシスポイント(bp) 低下の0.1163%、平均落札利回りは同0.2bp低い0.1159%。入札後は

0.1163%で取引されており、売り注文が多い状況。市場関係者による と、発行額4.8兆円程度のうち証券会社を通さない落札先不明分は1.6 兆円程度あったという。

東短リサーチの寺田寿明研究員は、「入札結果はほぼ予想通りで、 海外投資家の需要がこれから集まるかどうかで需給が決まる」と指摘 する。もっとも、「入札前に1、2カ月物の既発債に売りが出るなど、 国内投資家が買いを増やしている様子はない」とも話した。

前回16日に入札された173回債は、債券相場の下落でディーラー の応札が慎重になり、約2カ月ぶりの高利回りを記録したが、その後 に海外投資家のまとまった買いが入り0.11%まで低下していた。今回 も海外勢の需要を見込んだ証券会社の落札が集まったもよう。

リビア混乱など中東情勢の不安定化を受けて株安とリスク回避の 債券高が続いており、債券が売られていた前週に比べると証券会社の 引き受け姿勢は改善しているとみられる。足元の資金余剰感が強まっ ていることもTBの需給を支えている。

既発債の売り

一方、入札前のTB市場では、3月償還銘柄が0.1075%、4月償 還銘柄は0.11%と、0.5-0.75bp程度上昇した水準で取引されたほか、 前々回の3カ月物171回債は0.115%で売りが多く、銘柄によってデ ィーラーの在庫に偏りが生じている。

東短リサーチの寺田氏は、「大手銀行のTB需要が以前より減り、 新発債を落札しても既発債に売りを出すことで残高を積み上げないよ うにしているのではないか」と述べ、銀行勢が入れ替えを行っている 可能性があると指摘した。

実際、TB3カ月物の入札が近付くと、残存期間1-2カ月物の 銘柄にまとまった金額の売りが出る傾向がある。日本証券業協会が公 表した1月の公社債投資家別売買高によると、都市銀行は短期証券を 4兆4302億円売り越した。

国内大手銀行の担当者は、日米の金利上昇リスクが高まったこと で余分なリスクを増やしたくない一方、預貸ギャップの拡大による債 券投資は避けられず、期末を控えた一過性の動きだと言う。短中期債 はリスクに対して運用妙味が低下しているとも指摘した。

金利先物は横ばい圏

新発2年債利回りは前日比1bp低下の0.215%と4日以来の水準 まで買われた後、0.22%に戻している。前週には1年3カ月ぶりの高 水準である0.245%まで上昇する場面があった。国内銀の担当者は、 あすの2年債入札で表面利率が0.3%に引き上げられる可能性が低く なり、需要が見込みにくいとの見方を示した。

ユーロ円3カ月金利先物相場は横ばい圏で推移。2年債相場の上 値の重さが意識されたという。国内証券のディーラーは、短中期債は 全体的に投資家の需要が鈍くなっており、長期債が買われても反応し づらくなっていると言う。

日本銀行が実施した全店共通担保オペ1兆2000億円(2月25日 -3月30日)には1兆8150億円の応札が集まり、札割れを回避した。 オペの開始日となる25日は20年債の発行日にあたる。6カ月物の日 銀基金オペ8000億円(2月25日-8月26日)の応札倍率は4.69倍 と前回の6カ月物の4.56倍を上回った。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE