住友商:中東向けに小麦販売へ、世界最大輸入国エジプトなど視野に

住友商事は今年中にも麺や食パン用 に使われる小麦の中東向け販売に乗り出す方針だ。同社が集荷拠点を持 つ豪州から昨年始めたアジア地域への輸出に加えて、人口増加などで需 要拡大が見込める中東まで販路を広げる。

食料部の堂之脇伸・穀物油脂チームリーダーらが22日、ブルームバ ーグ・ニュースとのインタビューで明らかにした。「取り扱いを増やす ため新しい市場として中東に注目している」として、サウジアラビアや エジプトなどの湾岸諸国への販売を視野に入れている。今年度100万ト ンを見込む豪州の小麦取扱量を今後年間2-3割のペースで拡大させた い考えだ。

中東地域ではエジプトが1000万トン規模を誇る世界最大の小麦輸入 国であるほか、アルジェリアも500万トン前後を輸入している。チュニ ジアやエジプトなどで起きた暴動は小麦など食料価格の高騰が引き金と なっており、中東各国では、こうした事態を受け小麦の備蓄を積み上げ るため輸入量を拡大する動きを見せている。

日本総研の藤井英彦調査部長は「中東地域では貧困層はまだまだ多 いが若年層を中心に人口が伸びており、所得も増えるなど総量として小 麦需要は拡大していく。ただ中国やインド、ロシアなど大生産国での天 候不順で供給量が減るとの見方が広がっており、調達手当ができるのか が問題」と指摘している。

住商は昨年3月に穀物集荷を手掛ける豪エメラルド・グループの株 式50%を取得した。豪から日本向けにとどまっていた小麦販売を韓国や マレーシア、インドネシアなどアジア向けにも開始。2011年3月期の豪 州産小麦の取り扱いのうち半分以上が日本以外への販売という。中東に ついては今後の情勢を見極めながら輸出機会を狙う考えだ。

一方、豪州での洪水の影響については、生産よりも流通の問題が懸 念されている。住商の武末信生サブリーダーは「収穫がある程度終わっ た段階であったため収穫そのものへの影響はそれほど大きくはない」と 説明。「影響を最も受けたのはロジスティック。1-2週間の遅れが出 ており来月ごろまで影響は残るだろう」と語った。

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