1月の貿易収支は1年10カ月ぶりの赤字-旧正月で輸出大幅縮小

今年1月の日本の貿易収支は1年 10カ月ぶりの赤字となった。輸出額は前年同月比で14カ月連続の増 加となったものの、中華圏の旧正月の影響で伸び率が大幅に縮小。一 方、輸入額が原油など原材料価格の上昇を受けて大幅に伸び、輸出額 の伸び率を上回った。

財務省が23日発表した1月の貿易統計速報(通関ベース)による と、輸出額は前年同月比1.4%増の4兆9714億円と、伸び率は3カ月 ぶりに縮小した。輸入額は同12.4%増の5兆4428億円と13カ月連続 の増加。この結果、貿易黒字額(原数値)は4714億円の赤字となった。 エコノミスト調査の予想中央値は輸出額が同7.4%増、輸入額が同

8.1%増、貿易収支は493億円の黒字だった。

三井住友アセットマネジメントの武藤弘明シニアエコノミストは 発表後、「1-2月はアジアの旧正月の影響で統計がかく乱されやす い。本来なら1-2月をならしてみなければならない」とした上で、 米国向けも底上げされつつあることから「1-3月期の輸出の増加基 調は不変だ」と予想。中東、北アフリカ問題を受けた原油高が日本の 交易条件に悪影響をもたらす可能性を指摘しながらも、景気は緩やか な回復基調が続くとの見方を示した。

アジア向け輸出は軒並み減少

輸出を地域別にみると、アジア向けの輸出額は前年同月比0.4% 増の2兆7300億円と伸び率は前月(同14.8%増)比で大幅に減少し た。このうち中国向けは同1.0%増の9288億円と一気に縮小。前月の 輸出額は同20.1%増の1兆2852億円と過去最高を記録していた。こ のほか、香港向けが同9.6%減、台湾向けが同2%減、シンガポール 向けが同9.5%減と軒並み減少した。

中国をはじめとした中華圏の旧正月は今年2月3日で、同2日か ら8日まで休暇に入っていた。財務省によると、対中国貿易は海上貨 物が中心で輸送に時間がかかるため、1月後半から出荷調整が行われ ていたという。

モルガン・スタンレーMUFG証券の佐藤健裕チーフエコノミス トは発表前、1月の貿易収支の小幅黒字を予想した上で、「中国を中 心とするアジア諸国の旧正月の影響で1月の貿易統計は振れやすい」 と指摘。その上で、「米国・中国を中心に足元の世界経済は堅調に推 移しており、先行きの日本の輸出は海外経済の恩恵を受けて緩やかに 回復基調に復する可能性が高い」とみていた。

このほか、米国向けの輸出は建設用・鉱山用機械を中心に前年同 月比6.0%増の7529億円と13カ月連続で増加した。自動車が小型車 の輸出増に伴う単価低下で同0.5%減とマイナスが続いていることな どから、伸び率は前月比(同16.5%増)で縮小したが、数量ベースで は同9.7%増と堅調に推移している。対欧州連合(EU)向けは同0.7% 減の5759億円と3カ月ぶりに減少した。

原油価格動向を注視-財務省

輸出入の主要品目をみると、輸出では香港やシンガポール向けの 軽油など鉱物性燃料が前年同月比46.2%増、米国、中国向け建設・鉱 山用機械が同59.7%増だった。輸入では、サウジアラビアやロシアな どからの原粗油が同10.6%増、オーストラリアなどからの鉄鉱石が同

69.1%増だった。同省では不安定な中東情勢を受けた原油価格上昇の 影響を注視するとしている。

主要地域別の貿易黒字をみると、対米は前年同月比21.7%増の 2881億円、対EUは同31.3%減の632億円だった。対アジアは同

52.8%減の2602億円の黒字で、うち対中国は3033億円の赤字。

季節調整済みの1月の輸出額は前月比1%増の5兆9262億円、輸 入額は同8.5%増の5兆7344億円だった。

--取材協力: Minh Bui, Theresa Barraclough Editor: Norihiko Kosaka, Hitoshi Ozawa, Keiichi Yamamura

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 下土井京子 Kyoko Shimodoi +81-3-3201-3142 kshimodoi@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 香港 Paul Panckhurst +852-2977-6603 ppanckhurst@bloomberg.net 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE