2月22日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:スイス・フランと円が上昇、リビア情勢で逃避需要

ニューヨーク外国為替市場では、スイス・フランがすべての主要 16通貨に対して上昇。リビア情勢の悪化を背景に、逃避先としてフ ランに買いが集まった。

ユーロはドルに対して下げを埋めた。欧州中央銀行(ECB)の 政策委員会メンバー、ルクセンブルク中銀のメルシュ総裁が、ECB が来週にもインフレ警戒姿勢を強める可能性があると指摘したこと がきっかけ。ニュージーランド・ドルは下落。同国2位の都市で地震 が発生し、少なくとも65人が死亡したことが背景。一方、円には安 全性を求めた買いが入り、大半の主要通貨に対して上昇した。

みずほフィナンシャル・グループの米通貨セールス担当責任者、 ファビアン・エリアソン氏は、「安全性を求めてスイス・フランと円 に資金が流れている」と指摘。「中東情勢が波及するとの不安がある。 リビアは非常に大規模な原油埋蔵量を持つ。原油供給の混乱に対する 不安だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時39分現在、スイス・フランはユーロ に対して前営業日比1.1%高の1ユーロ=1.2816フラン。一時は

1.2792フランと、先月31日以来の高値を付けた。スイス・フラ ンはドルに対して0.9%高の1ドル=93.85サンチーム。ドルはユ ーロに対して0.2%高の1ユーロ=1.3656ドル(前日は1.3678 ドル)。円はドルに対して0.5%高の1ドル=82円74銭(同83 円14銭)。円はユーロに対して0.7%高の1ユーロ=112円99 銭(同113円73銭)。

原油相場

原油相場が急上昇するなか、南アフリカ・ランドとノルウェー・ クローネは大半の主要通貨に対して値上がり。

北アフリカや中東の政情不安で供給に支障がでるとの懸念から、 この日は原油相場が上昇。原油先物3月限は一時9.6%高の1バレ ル=94.49ドルと、08年10月以来の高値となった。

スイス・フランはユーロに対して3営業日ぶりに上昇。リビアの カダフィ大佐は、「最後の血の一滴」が落ちるまで拡大する反体制勢 力と戦うと言明した。同大佐は、23日には治安回復のために軍・警 察部隊を動員すると宣言、支持者に反体制派からの勢力奪還を呼び掛 けた。

先月起きたチュニジアのベンアリ大統領の国外逃亡や、今月11 日のエジプトのムバラク大統領辞任を受けて、アフリカ最大の原油埋 蔵量を持つリビアでは反政府運動が政権を揺り動かしている。

ユーロは下げを埋める

ユーロはドルに対して一時の1.1%安から下げを埋めた。EC Bがインフレ抑制目的の行動に出る可能性があるとの観測が背景。

メルシュ総裁は21日のルクセンブルクでのインタビューで、 「物価安定のリスクが上向きにあると大半のメンバーが判断しても 驚かないだろう」と言明。景気の勢いが強まり、インフレ率がECB の2%弱の目安を上回っていることから、「金融政策スタンスの再調 整」が必要となるのは必至だと続けた。時期的なめどには言及しなか った。ECBは3月3日に次回の政策委員会を開く。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダのRBCキャピタル・マーケッ ツ部門のシニア為替ストラテジスト、デービッド・ワット氏(トロン ト在勤)は、「ECB政策委員会はインフレへの注目度を高めている」 と指摘。「ECBにはタカ派の勢力が存在するということを再認識さ せる発言となった」と述べた。

円は高い

円はドルに対して上昇。比較的安全とされる米国債が買われたこ とで利回りが低下し、ドル建て資産の魅力が低下したことが背景。米 2年債利回りは0.68%と3日以来の低水準となったほか、10年債 利回りは3.45%と2日以来の低水準を付けた。

ニュージーランド・ドルはすべての主要16通貨に対して下落。 同国のクライストチャーチでこの日、マグニチュード(M)6.3の 地震が発生し、多数の死者が出たほか、建物が倒壊した。

ニュージーランド・ドルはスイス・フランに対して3%安。米ド ルに対しては2.2%、円に対しては2.7%いずれも下げた。

◎米国株:S&P500は8月以来の大幅安-リビア情勢緊迫化で

米株式相場は急落。S&P500種株価指数は昨年8月以来の大 幅安を記録した。リビア情勢が緊迫化したほか、小売りのウォルマー ト・ストアーズの業績が自社予想を下回ったのが嫌気された。

ウォルマートは3.1%安。昨年5月20日以来の大幅下落とな った。バンク・オブ・アメリカ(BOA)も下落。クレジットカード 部門ののれん代減損費用がほぼ2倍の203億ドルに拡大したのが嫌 気された。石油のエクソンモービルとシェブロンは上昇。原油先物相 場が2年ぶり高値に上昇したのが材料となった。

S&P500種株価指数は前営業日比2.1%安の1315.44。昨 年8月11日以来で最大の値下がり。ダウ工業株30種平均は

178.46ドル(1.4%)下げて12212.79ドル。

ジェームズ・インベストメント・リサーチのマネーマネジャー、 トム・マンガン氏は、「相場は今のようなグローバルリスクに対して 極めてぜい弱だ」と述べ、「リビアの武力衝突が長期化して内戦へと 悪化した場合、石油供給に障害が生じるリスクは高まる。これを手掛 かりに5-10%の調整が入り始める可能性がある」と続けた。

リビア情勢

リビアの政府勢力がデモ隊を攻撃。第2の都市ベンガジでは反体 制勢力が同市を掌握したと宣言した。これに対し、同国の最高指導者 カダフィ大佐は国外へ脱出していないことを明らかにしている。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前営 業日比8.6%高の1バレル=93.57ドルで終了した。先月のチュニ ジア大統領辞任に端を発し、エジプトのムバラク大統領追放に触発さ れた民衆デモがアフリカ大陸で最大の原油埋蔵量を持つリビアにも 広がった。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)は、中東での政治 的な混乱がリビアに飛び火したことにより、世界経済に「スタグフレ ーションを誘発する風」が強まるとみている。

エラリアン氏は、ブルームバーグテレビジョンの番組「サーベイ ランス・ミッドデー」のトム・キーン司会者とのインタビューで、欧 米諸国は、失業率の高止まりと成長鈍化という「ニューノーマル(新 たな標準)」に加え、インフレ加速と輸出品に対する中東・北アフリ カの需要縮小に直面するだろうと分析した。

ウォルマートは3.1%安。2010年11月-11年1月(第4四 半期)決算では、米国店舗での売り上げが7四半期連続で減少した。 年末商戦の結果は自社予想を下回った。発表資料によると、米既存店 売上高は前年同期比1.8%減少した。

金融株、素材株

S&P500種株価指数の金融株は3.1%安。業種別10指数の 中で下落率が2位だった。

BOAは3.9%下落。デフォルト(債務不履行)の増加と規制 変更の影響でクレジットカード部門ののれん代減損費用が膨らんだ。 BOAは21日の発表文書で、FIAカードサービシズ部門ののれん 代減損費用を2009年1-6月(上期)に計上し、監督当局への提 出書類を修正したことを明らかにした。

S&P500種の素材株価指数は3.2%安。石油コストの上昇が 経済成長を鈍化させるとの懸念から、銅相場が3カ月ぶりの大幅安 をつけた。

銅生産のフリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴー ルドは4.9%安。アルミ生産のアルコアも4.3%値下がりした。

一方、石油のエクソンは1.1%高、シェブロンも1.6%上昇し た。

◎米国債:上昇、リビア情勢悪化で質への逃避-2年債入札も順調

米国債相場は上昇。10年債利回りは今年一番の低下幅となった。 リビア政府が反体制派の武力鎮圧に乗り出し、投資資金を米国債に逃 避させる動きが進んだ。

2年債利回りはほぼ2カ月ぶりの大幅低下。2年債入札(発行額 350億ドル)では、外国中央銀行を含む間接応札の割合が昨年11 月以降で最大となった。原油先物が一時、2年4カ月ぶり高値に押し 上げられ、コスト上昇で世界の経済成長が圧迫されるとの見方から、 米国債は入札前から堅調に推移していた。リビアのカダフィ大佐は国 外逃亡を否定。同国では反政府派に対する武力鎮圧で数百人もの犠牲 者が出る事態となり、政情は危機的色合いを強めている。

バンク・オブ・モントリオール傘下BMOキャピタル・マーケッ ツの政府債トレーディング責任者、スコット・グレアム氏は、「リビ ア情勢の悪化が不安をかき立て、中東一帯で緊張の激化と混乱が予想 される。これを背景に米国債には安全への逃避買いが入っている」と 述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時18分現在、既発2年債利回りは7ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)下げて0.69%。今月3日以来の低 水準となった。2年債(表面利率0.625%、2013年1月償還)価 格は4/32上昇して99 28/32。

10年債利回りは13bp下げて3.47%。今月2日以来で最低と なった。

原油価格が急伸

ニューヨーク原油先物市場では4月限が一時、1バレル=

98.48ドルに上昇。2008年10月以来の高値を付けた。

リビアの治安部隊は前日、反政府デモを武力で鎮圧。民主化を求 める動きは中東と北アフリカで広がっている。BPがまとめた統計に よると、世界の原油の36%がこの地域で生産される。

2年債入札の最高落札利回りは0.745%。ブルームバーグ・ニ ュースがプライマリーディーラー(米証券政府公認ディーラー)7社 をまとめた事前予想の0.752%を下回った。外国中央銀行を含む間 接入札の割合が31.3%。過去10回の平均は33.8%だった。

応札倍率は3.03倍と、昨年5月以来の最低。過去10回の平 均は3.40倍だった。

直接入札の比率は6.8%。過去10回の入札の平均は15.9%と なっている。

「かなり好調な入札」

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、カール・ラ ンツ氏は、「入札ではかなりの部分をディーラーが引き受けた。従っ て、ディーラーから他の投資家に再度入札される可能性があるため、 短期債の上値は限られるかもしれない」と述べた。「間接入札の投資 家は利回りを求めて物色していたようだ。いずれにせよ、かなり好調 な入札だった」と続けた。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの指数によると、今年に 入ってからの2年債の投資リターンはマイナス0.2%。米国債市場 全体ではマイナス1%になっている。

米財務省はこの日の2年債を含めて今週3回の入札(合計990 億ドル)を予定。23日は5年債を350億ドル、24日には7年債 290億ドルを入札する。入札規模は同じ年限の過去4回のものと一 致した。

◎NY金:1400ドル台、中東不安で質への逃避-銀30年ぶり高値

ニューヨーク金先物相場は上昇し、1オンス当たり1400ドル を突破した。中東情勢の悪化で質への逃避から貴金属が買われ、銀先 物も30年ぶり高値に急伸した。

リビアでは政府が反政府デモの武力鎮圧に乗り出し、多数の犠牲 者が出た一方、第2の都市ベンガジは反体制派の掌握下に入った。バ ーレーンでは民主化を訴え数万人規模の市民が首都を行進。金はこれ までの1年間で26%値上がり。銀は2倍に跳ね上がった。

スタンダード・バンク(ヨハネスブルク)のアナリスト、マー ク・グラウンド氏はリポートで、「中東と北アフリカの地政学的緊張 は高まる一途にあり、リスク警戒の姿勢が続いている。安全な投資先 の魅力が求められている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比12.50ドル(0.9%)高の1オンス=1401.10ド ル。過去最高値は12月7日に記録した1432.50ドル。前日はプレ ジデンツデーの祝日で休場だった。

銀5月限は57.1セント(1.8%)高の1オンス=32.856ド ル。一時は1980年3月以来の高値となる34.315ドルまで買い進 まれた。

◎NY原油:7ドル超上昇、08年来の高値-リビア情勢を警戒

ニューヨーク原油先物相場は上昇し、約2年ぶりの高値を付けた。 リビア情勢の悪化を背景に、アフリカ最大の原油埋蔵量を保有する同 国からの供給に支障が出るとの懸念が強まった。

リビアでは兵士が同国のカダフィ政権の軍務を放棄したほか、外 交官は相次いで辞職した。サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相 は「供給不足はまったく起きていない」とし、石油輸出国機構(OP EC)加盟国は原油不足が発生した場合には、増産する用意があると 発言した。

コンフルエンス・インベストメント・マネジメント(セントルイ ス)のチーフ市場ストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は、「リビ ア産原油の喪失に世界は対応できるだろうが、リビアにとどまらない のではないかと心配している」と指摘。「こうした状況がどこまで波 及するのかわからない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前営 業日比7.37ドル(8.55%)高の1バレル=93.57ドルで終了し た。終値では2008年10月3日以来の高値。過去1年間では17% の値上がり。

◎欧州株:3日続落、リビア情勢の悪化を警戒-エールフランス安い

欧州株式相場は3営業日続落。米消費者信頼感が上昇したものの、 リビアによる反体制派への武力弾圧で、中東や北アフリカの政情不安 が高まったことに打ち消された。

仏蘭系航空会社エールフランス・KLMグループは3%安。原油 相場が約2年ぶりの高値に上昇したことが売り材料となった。英出版 会社インフォルマは減益が嫌気され、2.9%下落した。

一方、デンマークのユスケ銀行は7.5%高。利益がアナリスト 予想を上回ったことが買いにつながった。この日のイタリアの株式取 引は技術的問題のため6時間半遅れで始まった。

ストックス欧州600指数は前日比0.6%安の285.38で終了。 3営業日の下げは、昨年11月以来で最大となった。年初来では

3.5%高となっている。

パイオニア・インベストメンツのドイツ部門の株式ポートフォリ オマネジメント責任者、マルクス・シュタインバイス氏は、中東と北 アフリカの情勢が「相場下落の引き金となった」と述べ、政情不安が サウジアラビアに波及する可能性も市場は織り込みつつあると続け た。

原油相場は急騰し、2008年9月以来の高値を付けた。リビアで は反政府運動に対するカダフィ政権の武力鎮圧で、数百人規模の犠牲 者が出た。これに対する抗議で、兵士が亡命を求めて逃亡したほか、 外交官が相次ぎ辞任した。

22日の西欧市場では、ポルトガルを除く17カ国すべてで主要 株価指数が下落。ギリシャのアテネ総合指数は2.9%下げた。

イタリアのFTSE・MIB指数は1.1%安。同国株では、銀 行最大手のウニクレディトが1.8%、建設最大手のインプレジロが

2.1%それぞれ下げた。

◎欧州債:独2年債が下落-メルシュ氏がECBの利上げ姿勢を示唆

欧州債市場ではドイツ2年債相場が下落。欧州中央銀行(ECB) 政策委員会メンバー、ルクセンブルク中銀のメルシュ総裁が、インフ レ抑制のために利上げの準備ができている可能性を示唆したことが 背

景にある。

この日発表されたドイツの消費者信頼感が改善したことも、ドイ ツ2年債にはマイナス要因だった。一方、10年債相場は続伸。リビ アの情勢が悪化し、株式相場が軟調となったことから、安全資産の需 要が高まった。

ロイズ・バンク・コーポレート・マーケッツ(ロンドン)の金利 ストラテジスト、エリック・ワンド氏は、メルシュ氏の発言で「短期 債が激しく売りを浴びた」と述べた。「長期債はもっと広い意味での リスク意識から上昇した」と語った。

ロンドン時間午後4時33分現在、ドイツ2年債利回りは前日比 5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.43%。一 時は9日以来の最高となる1.46%まで上げ、1年ぶり高水準まで7 bpに迫った。同国債(表面利率1%、2012年12月償還)価格は この日、0.085ポイント下げ99.24。

ドイツ10年債利回りは3bp低下の3.15%。先月25日以来 の低水準となる3.13%まで下げる場面もあった。昨年末から60b p上げている。2年債とのスプレッド(利回り格差)は9bp縮小し 171bpと、昨年11月24日以来の最小となった。

メルシュ総裁は21日のルクセンブルクでのインタビューで、 「物価安定のリスクが上向きにあると大半のメンバーが判断しても 驚かないだろう」と言明。景気の勢いが強まり、インフレ率がECB の2%弱の目安を上回っていることから、「金融政策スタンスの再調 整」が必要となるのは必至だと続けた。時期的なめどには言及しなか った。

◎英国債:10年債続伸、利回り3.69%-リビア情勢で質への逃避

英国債市場では10年債相場が続伸。中東と北アフリカの政情不 安が高まるとの懸念から、安全資産への資金逃避が進んだ。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、チュニジアと エジプトの政権転覆をきっかけにリビアにも反政府運動が波及し、政 府に対する抗議運動による犠牲者は首都トリポリだけで少なくとも 250人となった。

10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下の3.69%。同国債(表面利率4.75%、2020年3 月償還)価格は0.36ポイント上げ108.10。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor:Tsuneo Yamahiro Mariko Rakuyama 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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