今日の国内市況:リビア情勢悪化で株急反落、債券は上昇-ドル全面高

東京株式相場は急反落。リビアな どでの政治情勢悪化や原油価格高騰で投資家のリスク回避姿勢が強ま り、電機など輸出関連株や時価総額上位銘柄を中心に幅広く売られた。 東証1部の業種別下落率上位には証券やその他金融など、直近上昇が 目立っていた金融株が並んだ。

TOPIXの終値は前日比17.93ポイント(1.8%)安の956.70、 日経平均株価は192円83銭(1.8%)安の1万664円70銭。

きのうの東京株式市場は、中東・北アフリカ情勢の悪化をいった んは織り込んだものの、原油価格に影響が及んだことで下げ幅が大き くなった。シカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)の米S& P500種指数先物は、基準価格比1%超安と軟調に推移。21日は休場 だった米国株の休み明け後の動きも不安視された。一方、下値を買う 動きも散見され、日経平均先物の売買高は10万枚超に膨らんだ。

中東・北アフリカ地域での反政府デモの動きは、アフリカ大陸で 最大の原油埋蔵量を持つリビアなどでさらに激化。中東情勢緊迫化に よる原油供給不安を受け、ロンドン市場の北海ブレント原油は約2年 ぶりの高値を付けた。また東京時間には、ニューヨーク原油先物4月 限が時間外取引で前営業日比9.8%高の一時1バレル=98.48ドルを 付けた。

業種別の下落率上位は金融株。証券・商品先物取引が値下がり首 位となり、その他金融や銀行、保険もそろって下落率上位に入った。 2月に入ってからきのうまでの33指数の上昇率では、保険が1位、そ の他金融が3位、証券・商品先物取引が4位、銀行は11位だった。

一方、米大手格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービ スは22日、日本政府の格付け見通しを安定的からネガティブに変更し たと発表した。発表後に円が対ドルでやや軟調となったこともあり、 株式市場への影響は限定的だった。

東証1部の売買高は概算で25億1930万株、売買代金は同1兆 7382億円。値上がり銘柄数は171、値下がりは1429。

長期金利が約3週間ぶり低水準

債券相場は上昇。長期金利は約3週間ぶり低水準を付けた。リビ ア情勢の緊迫化を受けて、リスク回避の動きが強まり、国内株式相場 が大幅下落したことが買い材料となった。20年利付国債の入札結果は 弱めだったものの、大きな波乱を伴わずに通過したことから買い安心 感も広がった。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回 りは、前日比2ベーシスポイント(bp)低い1.285%で始まり、しば らく1.275-1.285%で推移した。午後に入るといったんは1.29%を付 けたが、直後に買いが膨らむと徐々に水準を切り下げ、一時は4.5bp 低い1.26%まで低下。新発10年債としては4日以来の低水準を付け た。その後は低下幅をやや縮め、午後3時過ぎからは1.27-1.275% で推移している。

中期債相場も高い。新発5年物の94回債利回りは一時4.5bp低い

0.55%に低下した。新発2年物の301回債利回りは1bp低い0.225% に下げている。

チュニジアやエジプトで始まった中東での民主化要求の波はバー レーン、イエメン、リビアなどに広がりを見せている。国連安全保障 理事会はリビア情勢について協議するため、22日に会合を開く。中国 の国営通信社、新華社が匿名の複数当局者を引用して伝えた。一方、 リビアの最高指導者カダフィ大佐は国営テレビを通じて、海外逃亡し ておらず、トリポリにとどまっていると語った。

北アフリカ最大の産油国であるリビア情勢の緊迫化を受けて、原 油供給への懸念からニューヨーク原油先物相場は22日の時間外取引 で高騰。また、21日の欧州市場では株安、債券高となり、ドイツ10 年国債利回りは7bp低い3.18%程度に低下。国内市場では日経平均株 価は一時200円超の下げ幅となった。

財務省が午後零時45分に発表した表面利率(クーポン)2.0%の 20年利付国債(124回債)の入札結果では、最低価格が99円15銭、 平均落札価格は99円29銭となった。

最低価格はブルームバーグが事前に調査した99円20銭を若干下 回った。応札倍率は2.64倍と前回の4.46倍から低下。小さいほど好 調とされるテール(最低と平均価格の差)は14銭と前回の2銭から拡 大した。

日本相互証券によると、この日入札された20年物の124回債利回 りは業者間市場では2.05%で取引を開始した。その後は2.045-

2.06%のレンジで推移している。

一方、東京先物市場で中心限月3月物は大幅反発。前日比21銭高 の139円18銭で取引を開始し、直後に139円30銭台に水準を切り上 げた。午後の開始後にはやや水準を切り下げていたが、20年債入札通 過後には買いが優勢となって上げ幅を拡大。一時は60銭高い139円 57銭と、3日以来およそ3週間ぶりの高値を付けた。結局は43銭高 の139円40銭で引けた。

こうした中、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サー ビスは22日午前、日本政府のAa2の格付けの見通しを「安定的」か ら、先行きに格下げする可能性があることを示す「ネガティブ」に変 更したと発表したが、債券相場への影響は限定的だった。

ドル全面高

東京外国為替市場ではドルが全面高。リビア情勢の一段の悪化を 背景にリスク回避の動きが強まり、ドルや円に資金を戻す動きが活発 化し、円もほとんどの主要通貨に対して上昇した。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.36ドル台後半から一時、1.3558 ドルまでユーロ安・ドル高が進行。ドル・円相場は一時、今月10日以 来となる1ドル=82円台へドルが下落したが、日本の格下げ懸念から その後83円台前半まで円が売られるなど、上下に振れる展開となった。

一方、ニュージーランド(NZ)南島のクライストチャーチでは 22日、マグニチュード(M)6.3の地震が発生。ニュージーラン・ド ルは急落し、対米ドル、対円で約2カ月ぶり安値をつけた。

北アフリカ最大の産油国であるリビアの情勢緊迫化を受け、原油 供給への懸念からニューヨーク原油先物相場は22日の時間外取引で 約2年ぶりの高値へ高騰。一方、前日の欧州株に続き、日本株やアジ ア株は急落した。

ユーロ・円相場は早朝に一時、1ユーロ=114円19銭までユーロ 高・円安に振れる場面が見られたが、すぐに113円台後半まで値を戻 し、午前10時過ぎには1週間ぶりの水準となる112円88銭までユー ロ安・円高が進行。その後は113円台前半でもみ合う展開となったが、 欧州時間に向けては再び113円を割り込む展開となっている。

米大手格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは22 日、日本政府の「Aa2」の格付けの見通しを安定的からネガティブに 変更したと発表した。日本の経済・財政政策が「財政赤字削減目標を 達成し、既に他の先進諸国の水準を大きく上回っている債務の急激な 増大を抑制できるほど十分に強固なものではない可能性があるとの懸 念の高まり」が理由。また、ムーディーズ・ジャパンは日本の3メガ バンク系発行体の長期格付け見通しをネガティブに変更したことを発 表した。

ドル・円相場は早朝に1ドル=83円台前半から一時、83円54銭 までドルが急伸する場面が見られたが、その後今月10日以来となる 82円84銭までドル売り・円買いが進行。ムーディーズの発表後は売 り買い交錯の展開となったが、午後にかけては徐々に円売りが優勢と なり、83円台前半まで値を戻した。

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