米国株:S&P500は8月以来の大幅安-リビア情勢緊迫化で

米株式相場は急落。S&P500 種株価指数は昨年8月以来の大幅安を記録した。リビア情勢が緊迫化 したほか、小売りのウォルマート・ストアーズの業績が自社予想を下 回ったのが嫌気された。

ウォルマートは3.1%安。昨年5月20日以来の大幅下落となっ た。バンク・オブ・アメリカ(BOA)も下落。クレジットカード部 門ののれん代減損費用がほぼ2倍の203億ドルに拡大したのが嫌気 された。石油のエクソンモービルとシェブロンは上昇。原油先物相場 が2年ぶり高値に上昇したのが材料となった。

S&P500種株価指数は前営業日比2.1%安の1315.44。昨年 8月11日以来で最大の値下がり。ダウ工業株30種平均は178.46 ドル(1.4%)下げて12212.79ドル。

ジェームズ・インベストメント・リサーチのマネーマネジャー、 トム・マンガン氏は、「相場は今のようなグローバルリスクに対して 極めてぜい弱だ」と述べ、「リビアの武力衝突が長期化して内戦へと 悪化した場合、石油供給に障害が生じるリスクは高まる。これを手掛 かりに5-10%の調整が入り始める可能性がある」と続けた。

リビア情勢

リビアの政府勢力がデモ隊を攻撃。第2の都市ベンガジでは反 体制勢力が同市を掌握したと宣言した。これに対し、同国の最高指導 者カダフィ大佐は国外へ脱出していないことを明らかにしている。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前 営業日比8.6%高の1バレル=93.57ドルで終了した。先月のチュ ニジア大統領辞任に端を発し、エジプトのムバラク大統領追放に触 発された民衆デモがアフリカ大陸で最大の原油埋蔵量を持つリビア にも広がった。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMC O)のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)は、中東で の政治的な混乱がリビアに飛び火したことにより、世界経済に「ス タグフレーションを誘発する風」が強まるとみている。

エラリアン氏は、ブルームバーグテレビジョンの番組「サー ベイランス・ミッドデー」のトム・キーン司会者とのインタビュ ーで、欧米諸国は、失業率の高止まりと成長鈍化という「ニューノ ーマル(新たな標準)」に加え、インフレ加速と輸出品に対する中 東・北アフリカの需要縮小に直面するだろうと分析した。

ウォルマートは3.1%安。2010年11月-11年1月(第4四 半期)決算では、米国店舗での売り上げが7四半期連続で減少した。 年末商戦の結果は自社予想を下回った。発表資料によると、米既存 店売上高は前年同期比1.8%減少した。

金融株、素材株

S&P500種株価指数の金融株は3.1%安。業種別10指数の 中で下落率が2位だった。

BOAは3.9%下落。デフォルト(債務不履行)の増加と規制 変更の影響でクレジットカード部門ののれん代減損費用が膨らんだ。 BOAは21日の発表文書で、FIAカードサービシズ部門ののれ ん代減損費用を2009年1-6月(上期)に計上し、監督当局への 提出書類を修正したことを明らかにした。

S&P500種の素材株価指数は3.2%安。石油コストの上昇が 経済成長を鈍化させるとの懸念から、銅相場が3カ月ぶりの大幅安 をつけた。

銅生産のフリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴー ルドは4.9%安。アルミ生産のアルコアも4.3%値下がりした。

一方、石油のエクソンは1.1%高、シェブロンも1.6%上昇し た。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE