リビア情勢、一段と緊迫-カダフィ大佐次男の強硬姿勢を受け

リビアのカダフィ大佐の次男、 セイフ・アルイスラム・カダフィ氏が、デモを中止しない場合、流 血の事態が起こると力で抑え込む姿勢を表明し、リビア情勢は一段 と緊迫の度合いを増した。反体制派が同国第2の都市、ベンガジを 掌握したと報じられるなか、治安部隊はデモ隊の鎮圧に動いている。

リビアの国営テレビは、治安部隊が反体制派の「潜伏場所」を 急襲し、市民らに治安の回復を手助けするよう呼び掛けたと報じた。 AP通信は目撃者の話を引用し、ベンガジでの20日の治安部隊との 衝突後、デモ参加者らが同市を掌握したと語ったと伝えた。国際人 権連盟はこの1週間の犠牲者数を300人以上と発表している。ドバ イを拠点とする衛星テレビ、アルアラビーヤは、首都トリポリで 160人が死亡したと伝えた。

セイフ・アルイスラム・カダフィ氏は20日、国営テレビを通じ て演説し、反体制勢力が政府との対話に応じない場合は、「数十万人 が死亡する」内戦のリスクがあると警告した。また、軍は「いかな る犠牲を払おうとも、警戒体制を敷き、事態を正常に戻す」と述べた 上で、内戦が起これば石油会社が撤退する可能性があると警鐘を鳴ら した。英BPは探査を中止し、ノルウェーのスタトイルはトリポリの オフィスを閉鎖した。

先月のチュニジア大統領辞任に端を発し、今月11日のエジプト のムバラク大統領退陣に触発された反政府デモの動きは中東地域全般 に広がっており、現時点ではアフリカ大陸で最大の原油埋蔵量を持つ リビアが焦点となっている。イエメンとジブチ、イラン、バーレーン でも暴動が発生し、各国政府は改革要求の鎮圧を図っている。

駐英リビア大使らが辞任

英誌エコノミストの調査部門、エコノミスト・インテリジェン ス・ユニット(EIU)のリビア人アナリスト、カリン・マリー氏は 21日の電話インタビューで、「セイフ・アルイスラム・カダフィ氏は、 皮肉なことにカダフィ大佐の息子という理由から、リビアの改革者の 象徴とみられている」と述べる一方で、「しかし、実行力が伴うとは 思わない。もはや手遅れであり、すでに暴動はあまりにもエスカレー トしており、反体制派を満足させる提案はできないだろう」と指摘し た。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは、中国、インド、英国、 インドネシア、バングラデシュ、ポーランド、アラブ連盟に駐在する リビア大使が、デモ隊への武力行使に抗議して辞任したと報じた。

ロンドン市場の原油相場はこの2年余りで最高値に上昇。北海ブ レント原油先物4月限は一時、前週末比2.5%高の1バレル=

105.08ドルを付けた。ロンドン時間午後5時8分(日本時間22日 午前2時8分)現在、同104.87ドル。ペルシャ湾諸国の株価は総じ て安く、ドバイの主要株価指数は6カ月ぶり安値となった。

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