ドルが83円台前半で上値重い、中東情勢警戒で売り圧力くすぶる

東京外国為替市場では、ドル・円 相場が1ドル=83円台前半を中心に、約1週間ぶりのドル安値圏で推 移した。中東情勢の不安定化を背景に米金利の下押し圧力が警戒され、 ドルの上値が抑えられた。

ドル・円相場は早朝の取引で一時83円02銭と、10日以来の水準 までドル安・円高が進行。ただ、米国がプレジデンツデーの祝日で株 式や債券市場を中心に休場となるため、手掛かり材料に乏しいことか ら、ドルの下値も限定的で、午後には一時83円19銭まで反発する場 面もみられた。しかし、午後3時35分現在までの値幅は17銭にとど まり、方向感の出にくい相場展開に終始した。

上田ハーローのシニアアナリスト、山内俊哉氏は、中東を中心に 地政学的なリスクが生じる中、「米国債が買われやすい」として、短期 的には週内に発表される米国の住宅関連指標が金利に与える影響が注 目されると指摘。住宅市場の回復が「足踏み」している状況が確認さ れれば、米金利の伸び悩みにつながりかねないとして、ドル売り圧力 がかかりやすいとみている。

中東の緊張状態を背景に、前週末の米国債市場では2年債が続伸。 同利回りは4日以来の水準に低下している。そうした中、今週は23 日に中古住宅販売件数、24日に新築住宅販売件数など住宅関連指標の 発表を控えている。

独政権を見極め

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は19日、G20財務相・ 中央銀行総裁会議の終了後の記者会見でユーロ圏がインフレのより大 きなリスクに直面する可能性をECBが考慮に入れていないわけでは ないと言明した。

また、ビニスマギECB理事は、ブルームバーグとのインタビュ ーで、世界的な物価圧力の高まりに伴い、利上げの必要性が生じる可 能性があるとの見方を示した。

前週末の海外市場では、ECB当局者からインフレを警戒する発 言が目立ったことから、利上げ観測の再燃でユーロ買いが進行。ユー ロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.3716ドルと、10日以来のユーロ高値 を付けた。

ただ、ドイツでは、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(C DU)が、ハンブルク市(特別市、州と同格)議会選挙で第2次大戦 後最悪の敗北を喫した。同国で今年予定される7つの州議会選の最初 の選挙で同党が過半数議席を失ったことで、メルケル首相による欧州 債務危機対策の余地は狭まる恐れが出てきている。

この日の東京市場のユーロ・ドル相場は一時1.3666ドルまでユー ロが下押される場面も見られた。

岡三証券外国証券部シニアマネージャーの相馬勉氏は、ECBの 利上げをめぐる議論や地政学リスクを背景に、「投資避難的なユーロ買 い」が見られるとしながらも、ユーロ圏内の問題は引き続きくすぶっ ていることから、ユーロの上値は限定的とみている。

一方、前週末にフランスのパリで開かれた20カ国・地域(G20) 財務相・中央銀行総裁会議では、世界経済の不均衡の監視を強めるこ とで合意。世界経済の不均衡を把握する参考指針には、対外収支や公 的・民間債務といった指標が盛り込まれる。

相馬氏は、G20では、世界的なインフレ圧力の一因となっている 米国の量的緩和策について特に言及がなかったため、「現状維持であれ ば、ドル売り」といった見方に落ち着いていると説明している。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE