日本株は小幅高、通信やゴム、石油関連上昇-中東混迷が上値抑制

東京株式相場は小幅高。一部アナ リストが目標株価を引き上げたソフトバンクが大幅高となるなど情報・ 通信株が上昇。値上げへの姿勢などが評価されたブリヂストンなどゴム 製品株も高い。時間外での海外原油先物相場の上昇が追い風となり、石 油関連株も堅調。

半面、民主化要求の高まりで20日の中東株式相場が下落したこと や、対ドルでの円高進行が懸念され、電機や精密機器、輸送用機器とい った輸出関連株には売りが優勢。株価指数の上値を抑えた。

TOPIXの終値は前週末比1.03ポイント(0.1%)高の974.63 と反発し、日経平均株価は14円73銭(0.1%)高の1万857円53銭と 6連騰。

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの中尾剛也シニアイン ベストメントマネジャーは、「中東の政情混乱が原油生産や供給にまで 飛び火するなら株価への影響はあるが、現時点ではそこまでの状況には ない」と指摘。景気や企業業績の回復を背景に、「高値を更新している 先進国株と違う動きをする理由はない」と話していた。

ファンダメンタルズの改善と中東情勢の悪化というプラス、マイナ ス両面が綱引きし、方向感が出にくいなか、取引終了にかけては堅調さ を見せた。高値警戒感はあるものの、景気や企業業績に対する期待は継 続、中国人民銀行(中央銀行)による市中銀行の預金準備率引き上げを 受けた中国株市場の上昇も安心感につながった。

米業績堅調続く

先週末の米国株は、機械の小売り販売が49%増加したと発表した 建機のキャタピラー、利益見通しがアナリスト予想を上回った税務ソフ トのインテュイットなどが上げ、米主要3指数はそろって上昇。「新興 国市場の拡大やコスト削減効果が順調に表れていることが、米国企業の 業績順調につながっている」と、大和証券キャピタル・マーケッツ金融 証券研究所・投資戦略部の高橋和宏部長は言う。

一方、チュニジアやエジプトで始まった中東での民主化要求の波は 次第に広がりを見せ、18日にはバーレーン、イエメン、リビアに加え、 東アフリカのジブチでも治安部隊がデモ隊に発砲した。中国では、民主 化を求めインターネットでチュニジアのような「ジャスミン革命」を呼 び掛ける動きに対し、政府当局が活動家らを拘束、街頭への警官配備を 強化するなど封じ込めに動いたとAP通信は伝えた。

立花証券の平野憲一執行役員は「もし、中東情勢の混乱が世界経済 をけん引する中国に波及したら、という不安が午前はあった」としなが らも、中国株の堅調推移を受けて「午後には安心感が出ている」として いた。

ソフバンクなど情報・通信に強さ

そうした中、情報爆発の収益化でマージン拡大が急加速していると し、みずほ証券が目標株価を4230円へ引き上げたほか、出資先である 中国企業の米での株式上場計画も浮上したソフトバンクが急伸し、東証 1部売買代金で首位。KDDIやNTTも高く、情報・通信はTOPI Xの上昇寄与度トップになった。「通信株は配当利回りなどのバリュエ ーションの割安さも見直し基調の一つ」と、損保ジャパンの中尾氏は指 摘していた。

また、決算説明会での値上げへの姿勢などを評価し、ゴールドマ ン・サックス証券が投資判断を「買い」に引き上げたブリヂストン、競 争環境改善への評価から同証が強い買い推奨リストに採用した住友ゴム 工業なども買われ、ゴム製品指数はTOPIX上昇寄与2位となった。

ニューヨーク原油先物相場は21日の時間外取引で4営業日続伸。 中東情勢の混乱で、原油の供給途絶に懸念が強まった。国際石油開発帝 石などの鉱業や石油・石炭製品株は高い。

一方、外国為替市場では中東情勢の不安定化を背景とした米金利の 下押し圧力が警戒され、朝方にドル・円相場は一時1ドル=83円2銭 と10日以来の円高・ドル安水準を付けた。

東証1部売買高は概算で20億8632万株、売買代金は同1兆4610 億円。値上がり銘柄数は768、値下がり銘柄数は734。

日電硝が上昇、キトーやスミダは急落

個別では、タブレットPC向けカバーガラスの量産が近いとして、 クレディ・スイス証券が目標株価を1800円に引き上げた日本電気硝子 が上昇。生産性改善や研究開発費の減少などで2011年12月期連結営業 利益が前期比2倍になる見通しの片倉工業は値幅制限いっぱいのストッ プ高。

半面、自己株式の処分や売り出しの実施で需給懸念が高まったキト ー、11年12月期連結営業利益予想が市場予想を下回ったスミダコーポ レーションはそれぞれ東証1部の値下がり率1、2位。中東情勢が不安 視され、東洋エンジニアリングや日揮などプラント関連株も下げた。

新興市場は3連騰。ジャスダック指数の終値は前週末比0.4%高の

55.51、東証マザーズ指数は1.8%高の512.24。個別の材料銘柄では、 東証マザーズから1部に25日付で市場変更となるデジタルハーツがス トップ高となり、いちよし経済研究所が目標株価を引き上げたデジタル ガレージも急伸。半面、公募増資や自社株処分などを実施するスターテ ィアは急反落した。

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