長期金利1.3%付近、米株高や金利低下の反動-あすの20年入札に注目

債券市場では長期金利が1.3%付 近で推移。米国で株式相場の堅調地合いが続く中、前週後半に金利が 低下した反動が出た。あすの20年債の価格競争入札に対する過度な警 戒感は出ていないが、結果を見極めたい雰囲気から取引は控えられた。

三井住友海上きらめき生命保険経理財務部の堀川真一部長は、「こ こ2週間に金利が上下する過程で10年債利回りは1.3%中心の金利観 が固まってきた」と指摘。米国の株高を警戒する一方で、国内株価は 午前に上昇一服となり、「金利についても方向性が全くうかがえない1 日だった」とも話した。

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回り は、前週末比1ベーシスポイント(bp)高い1.305%で始まり、しば らくは1.30-1.31%でもみ合った。午後に入ると1.30%での推移が続 いていたが、3時過ぎからは1.305%で取引されている。

米国では前週末にダウ工業株30種平均が約2年8カ月ぶり高値 を更新するなど株高地合いが続き、米国債市場で一時は長期債が売り 込まれるなど、外部要因からは債券買いに動きにくい環境となった。

こうした中、312回債利回りは前週に1.3%台半ばまで上昇後、週 末には1.2%台に低下した反動が出た。ドイツ証券の山下周チーフ金 利ストラテジストは、「前週半ば以降に現物買いの動きが広がったが、 投資家は5年債利回りの0.6%割れや10年債の1.3%付近での買いに 積極的でない」と指摘。きょうは米国市場がプレジデンツデーの祝日 で休場となることもあって動意薄の展開が続いた。

もっとも、前週には中長期ゾーンに投資家の押し目買いが入って おり、金利上昇にもいったんは歯止めがかかった格好だ。RBS証券 の徐端雪債券ストラテジストは、米国の株高もあって売り優勢としな がらも、「5年債や10年債に押し目買いが入った上、朝方には国内株 相場が下げて始まるなど売り込んでいく地合いでもない」と話した。

都銀は1月も買い越し

日本証券業協会が21日に公表した公社債投資家別売買高による と、短期証券を除くベースで都市銀行は1月に2兆6216億円買い越し た。昨年11月の2兆8905億円の売り越しから、12月は一転して2兆 1848億円買い越しており、2カ月連続で2兆円超の買い越しとなった。

都銀の買い越しのうち約2兆2000億円は中期債。ドイツ証の山下 氏は、資金余剰が続く大手銀行を中心に金利上昇が一段落する場面で 買い需要が膨らんだとの見方を示した。新発5年債利回りは4日に月 間の最低となる0.395%で始まり、19日に0.535%を付けるまでじり 高に推移しており、その後は0.5%を中心にもみ合う展開だった。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジ ストは、都銀が取引の主力である中期債の買いを膨らませており、需 給面からは5年程度までの金利が上がりにくい環境だと話した。

都銀以外の業態では、生保・損保が昨年12月に続いて1兆円の買 い越しとなったほか、地方銀行や信託銀行、農林系金融機関がいずれ も7000億円を超える買い越しを記録。外国人も昨年12月の1771億円 売り越しから6914億円の買い越しに転じた。

あす20年債入札、利率は2.0%か2.1%

財務省はあす22日に20年利付国債(2月発行)の価格競争入札 を実施する。1月に入札された20年物の123回債が2.045%で取引さ れているため、新発20年債の表面利率(クーポン)は前回債より0.1 ポイント低い2.0%か、据え置きの2.1%との見方が出ている。発行額 は1兆1000億円程度。

きょうの債券市場では売りが優勢だったとはいえ、市場では20 年債入札で波乱を伴うことを懸念する声は聞かれていない。三井住友 海上きらめき生命の堀川氏は、生保・損保が1月も超長期債を買い越 していたこともあって、3カ月近く続いている20年債利回りの1.9-

2.1%のレンジの上限に近い水準では相応に需要があるとみており、 「あすの入札は証券会社の在庫確保のニーズもあって無難にこなしそ う」だと言う。

一方、三菱UFJモルガン・スタンレー証の稲留氏は、1月には 20年債入札で順調な結果が示されたものの、その後に金利低下が抑制 された点に着目。昨年12月の入札も含めて3回連続で2%台前半での 入札となるため、生保などの買い需要が減退していることも考えられ、 「金利水準や相対価値からの妙味はあっても入札がやや弱めの結果と なる可能性も高い」と指摘した。

先物は小幅反落

東京先物市場の中心限月の3月物は前週末比4銭安い138円98 銭で開始。いったんは1銭高の139円03銭まで戻したが、すぐに売り が膨らんでその後はマイナス圏での取引が続き、一時は138円90銭ま で下げた。しかし、午後に入ると再び139円付近でのもみ合いとなり、 結局は5銭安の138円97銭で週初の取引を終えた。

前週末の米国市場が株高・債券安の展開だったことから、日中は 小幅マイナス圏でのもみ合いに終始した。

一方、民主化要求が高まる中東情勢の混乱が広がる中、午前には 日経平均株価が下落する場面もあり、債券市場での下支え要因となっ たもよう。東京海上日動あんしん生命保険の岳俊太郎経理財務部次長 兼財務グループリーダーは、中東情勢の混乱は原油価格上昇のリスク があり、市場で原油高による消費下押しが世界経済の減速懸念が強ま れば、「債券市場にとっては追い風だ」と話した。

国内政治に不透明感が高まってきたことが、今後の株式市場では 売り材料視される可能性が高い。国内株相場が政治混乱への懸念から 上値が重くなると、債券市場では先物中心に下支え要因になる見通し。

--取材協力:近藤雅岐 Editors:Hidenori Yamanaka, Joji Mochida

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