サッポロH:M&A投資を倍増へ、5年で1250億円-上條次期社長

国内ビール4位のサッポロホールデ ィングスは、来年から5年間で企業の合併・買収(M&A)や業務提携 に最大1250億円を投資する方針だ。成長が著しいアジアや、北米を中心 に収益源の確保を目指す。

3月30日に社長に就く上條努常務がブルームバーグ・ニュースのイ ンタビューで明らかにした。2011年はシンガポール飲料市場シェア3位 のポッカコーポレーション子会社化で213億円を投資、これを含めて07 年からの投資総額は約613億円になる。来年からの投資額はそれまでの 5年間の2倍に増やす方針だ。

調査会社ユーロモニター・インターナショナルによると、少子化・ 高齢化が進む日本の酒類・飲料の消費量は頭打ちになる一方、東南アジ アでは15年までにビールで4.0%、飲料で7.8%の年間成長が見込まれて いる。キリンホールディングスも成長する中国で華潤創業と清涼飲料事 業で提携すると1月24日に発表した。

格付投資情報センター(R&I)の片平健一郎チーフアナリストは 「ビール各社は、国内の酒類で稼げるうちに稼いでおいて、海外や国内 の他の事業の種をまいておかねければならない」と指摘した。アサヒビ ールの泉谷直木社長も1月6日の会見で「今年は新たなM&A、提携を 積極的に模索していく」と述べている。

北米でアプローチ受けている

上條次期社長は、今後のM&Aや提携に関連して北米地域で「いろ いろなアプローチを受けている」と述べた。資本参加の仕方や経営権の 取得については、形に必ずしもこだわらない考えも示した。資金調達に ついては「格付けを上げて頂いたこともあり、より選択の幅が広がっ た」と述べたが、具体的な手法については明言を避けた。

日本格付研究所(JCR)は10日、サッポロHの長期優先債務格付 を1段階上げてA-とした。食品事業と不動産事業が安定的に収益に寄 与するバランスの取れた事業ポートフォリオが構築できたことや財務体 質の改善が進んだことを要因としている。

ブルームバーグデータによると、10年の日本企業の海外M&A件数 は476件と09年を27%上回った。一橋大学の服部暢達客員教授は、リー マンショックから2年経ち経済は回復基調にあるとして11年について 「低金利もありM&Aは間違いなく増える」と述べた。

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