米国債(18日):2年債続伸、中東の政情不安で安全需要

米国債市場では2年債が続伸。 エジプトがイランの艦艇2隻のスエズ運河航行を許可したとの報道を きっかけに、中東の政情不安で安全資産としての需要が増すとの観測 が強まった。

国債はこれより先、下落していた。欧州中央銀行(ECB)当局 者が、世界的な物価圧力の高まりに伴い、利上げの必要性が生じる可 能性があるとの見方を示したことが背景。米連邦公開市場委員会(F OMC)は政策金利をほぼゼロに維持している。ニューヨーク連銀は この日、2014年1-10月に償還を迎える米国債67億ドル相当を 購入した。これは景気拡大の持続に向けた取り組みの一環。米財務省 は来週、総額990億ドル規模の入札を実施する。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダのマネジングディレクター兼金 利トレーディング責任者、トーマス・トゥッチ氏は「中東情勢に反応 して幾分か質への逃避がみられる。3連休中に多くの出来事が起きる リスクがあるため、市場はショート(売り持ち)の積み増しには消極 的だ」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後5時8分現在、2年債利回りは前日比2ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下の0.75%。同年債(表面利率

0.625%、2013年1月償還)価格は1/32上げて99 24/32。 10年債利回りは前日比ほぼ変わらずの3.58%。一時は3.63%ま で上昇する場面もあった。

30年債利回りは2bp上昇の4.68%。この日のドイツ国債相 場は下落。独2年債利回りは一時9bp上昇した。

ECBのビニスマギ理事は、「金融政策の緩和度を監視し、必要 ならば調整する必要がある」と発言した。一方、バーナンキ米連邦準 備制度理事会(FRB)はパリで講演。事前原稿によれば米金融 政策に関して発言していない。

20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でのバーナン キ議長の講演では、先進国の金融緩和が新興市場への資本流入に拍車 を掛け、インフレや資産バブルを招いているとの「懸念」に言及して いる。

CRTキャピタル・グループの国債ストラテジスト、イアン・リ ンジェン氏は「物価上昇圧力が高まるなか、ECBは利上げを実施す る可能性がある」と指摘。「欧州が政策金利の引き上げに近づいた場 合、欧州の現状にとって問題となり、期間が短めの国債にとっては弱 材料になる」と述べた。

利回り格差

償還までの物価見通しの指標となる米2年債と同年物インフレ連 動債(TIPS)の利回り格差は2ポイント拡大し、2008年7月以 来の最大となった。

米労働省が前日発表した1月の米消費者物価指数(CPI、季節 調整済み)は前月比0.4%上昇。ブルームバーグ・ニュースがまと めたエコノミストの予想中央値は0.3%上昇だった。1月のCPI は前年同月比では1.6%上昇と、昨年5月以来の高い伸びとなった。

ドイツ銀行の金利ストラテジスト、アレックス・リー氏は「イン フレが予想を上回る伸びとなったことで、期間が短めのTIPSがや や押し上げられた。償還期限が短めのTIPSはCPIの動向に対し てより敏感なためだ」と述べた。

リスク回避

バイエルン州立銀行のシニア債券ストラテジスト、マリウス・ダ ハイム氏(ミュンヘン在勤)は、欧州連合(EU)救済基金を強化す る計画が投資家に失望を与える結果となるかもしれないとして、米国 債はリスク回避の高まりによる恩恵を受ける可能性があると指摘した。

同氏によれば、10年債利回りは3.30%に達する可能性がある。 EU各国首脳は、ドイツのメルケル首相が「包括的」パッケージと呼 ぶ危機対策を3月25日までに策定するとしている。

エジプト当局は、イランが申請していた艦艇2隻のスエズ運河航 行を許可した。艦艇はスエズ運河を経由し、シリアに向かう。イスラ エル政府はこの動きについて、「挑発的行為」と非難。原油相場の上 昇につながっている。

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