マツダ尾崎CFO:財務内容改善は2013年3月期から、投資一巡後

マツダではキャッシュポジション の改善が2013年3月期まで難しい見通しだ。尾崎清専務兼最高財務責 任者(CFO)は18日に都内で「今期、来期は商品が端境期にあり、 円高でもあるため、飛躍的な改善は期待できない」と述べ、来期まで はフリーキャッシュフローや純有利子負債の改善が進まないという見 方を示した。

キャッシュポジションの改善が進むのは、開発中の次世代エンジ ンなどへの投資が一巡する13年3月期からで、尾崎氏は「キャッシュ ポジションが大幅に改善し、確実に良くなる」と語った。

マツダの今期(11年3月期)第3四半期累計(4-12月)のフリ ーキャッシュフローは400億円のマイナス、純有利子負債は前年同期 比60億円増の4244億円となっている。同社は開発中の次世代エンジ ン技術「スカイ」を15年までにすべてのモデルに展開する予定。尾崎 氏は現在、資金調達に問題なく、純有利子負債額は「クリティカルな レベルとは考えていない」と述べた。

野村証券の遠藤範夫クレジットアナリストはマツダについて、第 3四半期業績で「円高の悪影響が際立って明らかになってきている」 と指摘した上で、「市場の見方は厳しくなっており、社債により多くの プレミアを求めてくるだろう」という見方を示した。

北米市場について、尾崎氏は「マツダ3(日本名アクセラ)」の販 売が苦戦しており、在庫水準が上がっていることを明らかにした。通 常より「5000台多く、期末にかけて適正レベルに戻す」と述べ、今期 中に在庫調整を行うとしている。

一方、米ミシガン州にある米フォード・モーターとの合弁工場(A AI)について、尾崎氏は、現状の生産規模では製造原価を差し引い た採算が「厳しい」状態だと述べた。収益確保には「少なくとも生産 能力の7割程度の生産が必要」という見方を示した。AAIの生産能 力はフォード分と合わせて24万台。マツダの10年の生産実績は約5 万4000台だった。

尾崎氏は、メキシコ、ブラジルなど中南米での新規生産拠点につ いて「スタディ」をしており、現在あるコロンビア工場の拡張を含め て将来的な可能性を検討していると述べた。中国での合弁工場再編に ついては、中国政府の認可を待っている状態だと語った。

円高対応については、コストの低減と海外市場での値上げの2点 を挙げた。マツダは10年、国内生産車の8割を輸出している。今期第 3四半期累計で為替は294億円のマイナス要因となっている。尾崎氏 は、83円の円高環境で輸出採算を黒字にするのに2年程度かかる見通 しを示した。

生産の海外移転については否定的な見方を示した。尾崎氏は、国 内生産能力の上限110万台をすべて使った上で、残りは新興国などで の生産を増やす形で対応すると語った。マツダは16年3月期に世界販 売で170万台を計画している。

他社との提携について、尾崎氏は「対等な関係でのパートナーを 探すのは難しい」と語った。「技術力はあるが、会社の規模が小さい」 というマツダには、「新興国に技術サポートをしながら」パートナーと して発展するという可能性はあるが、現状では技術提携が続くフォー ドとの共同開発が現実的な選択肢だと述べた。

クレディ・スイス証券の株式調査部アナリストの高橋一生氏は「為 替問題から輸出採算がとれないこと、また在庫水準が高いことから、 市場としては来上期にかけて業績が回復しないのではという見方が広 がっている」とコメントした。

マツダの今期連結純利益予想は60億円。4-12月の純利益は28 億円。今期前提は1ドル=85円、1ユーロ=114円。

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