FRB議長:巨額の貿易黒字国は通貨高容認を-中国を批判

バーナンキ米連邦準備制度理事会 (FRB)議長は18日、巨額の貿易黒字を抱える国々は世界経済を支 えるため自国通貨の上昇を容認すべきだと述べ、人民元の上昇を抑え る中国への批判を繰り返した。

バーナンキ議長(57)はパリでの講演で、「自国通貨が過小評価 された状態を維持しようとする一部の国の対応が、不均衡かつ持続不 可能な世界の支出構造を招く一因になっている」と指摘。こうした 国々は「市場のファンダメンタルズをより一層反映した為替レートを 容認し、輸出から内需主導型に転換させる取り組みを強化する必要が ある」と語った。この講演の中で、中国は特定していない。「国際金 融システムを再構築」するため、「世界全体での取り組み」が必要だ と訴えている。

また、米国の量的緩和に対する中国やブラジル当局からの批判を かわそうと、議長は先進国の金融緩和が新興市場への資本流入に拍車 を掛け、インフレや資産バブルを招いているとの「懸念」にも言及。 さらに、巨額の貿易赤字国は「財政政策をより持続可能な軌道に乗せ るなど」、貯蓄の増加を目指すべきだとも述べ、中国に対する批判と バランスを取った。米国や欧州諸国の名指しはしていない。

バーナンキ議長の発言は、フランス銀行(中央銀行)主催の各国 中銀当局者とのパネルディスカッションでのもの。議長は米経済見通 しや金融政策については触れなかった。18-19両日には、パリで20 カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開催される。

成長を阻害

この日の発言は、議長が昨年11月にフランクフルトで行った講演 と内容が似ている。議長は当時、通貨を過小評価する国は結果的に世 界の成長を阻害し、自国で金融不安を招く恐れがあると指摘。その際 も中国を名指ししなかったが、「規模が大きい、システム上重要かつ 恒常的な経常黒字を抱える国」におおむね照準を合わせていた。

18日の講演でバーナンキ議長は、国際商品相場の上昇について、 新興市場国の需要拡大による影響が「特に大きい」と指摘した。

また、さらなる経済成長と高い投資リターンへの期待が新興市場 への資本流入を促しており、資本の流れは「より長期のトレンドを逸 脱していない」と説明。新興市場の政策当局は経済運営に活用できる 為替を含む政策手段を備えているとし、FRBの政策が新興国・地域 の金融市場に問題を引き起こしているとの見方をあらためて退けた。

講演後の質疑応答では、世界各国の政府は「よりバランスの取れ た成長軌道を可能にするため、短期・長期の両方で金融政策と財政政 策を協調させることについて、さらに話し合う必要がある」と指摘し た。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE