ブラジル利上げは夏までに12.75%、残存3-4年債に魅力-大和投信

日本最大のブラジル債券ファンド を運用する大和証券投資信託委託の久保大介チーフ・ファンドマネジャ ーは、ブラジルの利上げは今夏まで続き、利上げを織り込む形で利回り が上昇している残存3-4年程度の長期債に投資していく方針だ。

久保氏が16日、ブルームバーグとのインタビューで述べた。「利 上げがいつ、どこまでかが運用する上での一つのテーマ」とし、「利上 げがインフレに効果を与えるのに3カ月程度かかることから、中央銀行 は早めに手を打ち、ブラジルの政策金利は今夏までに12.5か12.75% に引き上げられる」と予想している。

ブラジルの経済は好調を持続。昨年12月の失業率は5.3%と統計 開始以降、最低水準を更新した。一方、1月の消費者物価指数は

5.99%上昇し、ブラジル中央銀行が目標としているインフレ率4.5%を 上回っている。インフレ抑制のためブラジル中銀は1月19日、政策金 利を0.5ポイント引き上げて11.25%にした。利上げは半年ぶり。

ブラジル2年債の利回りは、16日現在12.94%。この3カ月で約1 ポイント上昇した。利上げは、既存のポートフォリオに対しては価格下 落になるものの、「今後資金を再投資する際、より高い利回りの債券を 購入できるため、ポートフォリオ全体の利回り上昇につながる」と久保 氏は言う。

利上げをにらみ、「短期債は政策金利に連動して利回りが上昇しや すい半面、長期債はそれほど大きな変動はない」と同氏は指摘。ただ、 長期債は現在、より大きな利上げ幅の見通しを持った投資家によって多 少金利が上昇しており、「それは投資のチャンス」とみている。

ブラジル・ボンド・オープン

久保氏が運用する「ブラジル・ボンド・オープン(毎月決算型)」 では現在、7月に償還される短期債の比率を徐々に落とす一方で、残存 3-4年の長期債を購入し、デュレーションを長くしている。月次資料 によると、1月末の修正デュレーションは2.1年。ただ、デュレーショ ンが長くなると金利リスクが高くなるため、物価連動債の比率を高め、 1月末現在で12.5%組み入れ、リスク抑制の工夫を施す。

ファンドの純資産総額は、16日現在7328億円。ブルームバーグ・ データによれば、ブラジル債券を主要投資先とする公募投信で1位。毎 月支払われる分配金は1万口(当初=1万円)当たり120円で、単純計 算した分配金利回りは年率13.8%。大和投信では同ファンドを含め、 公募のブラジル債投信を総額およそ1兆円運用している。

増税後も高金利魅力変わらず

ブラジルは昨年10月、海外投資家による確定利付証券投資購入に 課すIOF税(金融取引税)の税率を2度引き上げ、2%から6%にし た。増税はレアル高の抑制を目的としたもので、海外からのブラジル債 に対する投資抑制につながるとの見方がある。

この点について、久保氏は「確かに短期的な資金の流入を抑えるこ とはあるだろう」としながらも、ブラジルは経済が拡大する魅力的な市 場で、直接投資する投資家は「多少最初に税金を払っても大きなリター ンを得られると判断しているだろう。長期的な資金フローについては、 基本的に大きな流れに変化はない」と読む。

従来はブラジル債投資の魅力について、高経済成長、高金利、通貨 高、格上げの可能性などを挙げていた。増税を受けて通貨高の魅力はや や低下するものの、「金利は依然として諸外国と比較すると高く、高金 利を享受してもらえる」と同氏は話している。昨年末時点で他のBRI Cs諸国の2年債利回りと比較すると、中国3.4%、ロシア6.3%、イ ンド7.5%に対し、ブラジルは12.3%と群を抜く高さだ。

また、ブルームバーグ・データによると、超低金利が続く日本の2 年債との利回り格差は2月4日に12.8%と、2008年12月以来の水準に 拡大した。こうした高い利回りが投資家の購入意欲を刺激し、同ファン ドには昨年1年間で差し引き4237億円の資金が流入したという。

ブラジルの通貨レアルは17日現在、1米ドル=1.6610レアル。1 月3日には08年9月以来の高値1.6435を付けた。久保氏は、市場では

1.7レアルが当局の考える壁との見方があるとした上で、当面1.7レア ル付近での狭いレンジで推移するだろうと予想する。

日本の投資家は、金利が高いブラジルの債券で運用する投資信託を 積極的に購入してきた。投資信託協会によると、投信が保有するブラジ ルの債券は1月末時点で2兆1340億円。1年前から75%増え、通貨 (国)別では豪ドル、米ドル、ユーロに次いで4位となっている。

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