TOPIX10日ぶり小反落、保険や証券売り-政治、円安一服重し

日本株相場は、TOPIXが10 営業日ぶりに小反落。連騰で高値警戒感が漂っていたところに民主党 の一部議員による会派離脱など国内政治問題が浮上、為替の円安一服 もあり、週末を控え持ち高整理の売りに押された。保険や不動産、証 券など直近で強かった業種を中心に安く、東証1部33業種で下落業種 は19と、上昇の14を上回った。

ユナイテッド投信投資顧問の井上淳最高投資責任者(CIO)は、 「きょうはコア30への買いがぴたりと止まった。海外勢からのフロー が出ていないことが分かる。国内政治の問題、為替の円安一服などが 様子見を作り上げてしまった」と指摘。ただ、直近は循環物色の動き が出始めており、「相場の地合いは強い」とも話していた。

TOPIXの終値は前日比0.54ポイント(0.1%)安の973.60。 日経平均株価は同6円16銭(0.1%)高の1万842円80銭。

S&P500種株価指数が2年8カ月ぶりの高値を更新するなど前 日の米国株は堅調だったが、日本株はこれまでの上昇の勢いが鈍った。 東証1部の騰落銘柄状況は、値下がり835と値上がりの673より多く、 売買代金も1兆5578億円と、前日の1兆8289億円から15%減少。直 近の相場をけん引したTOPIXコア30指数はマイナス圏に沈み、相 場に一服感が広がった。

TOPIXが前日まで9連騰するなど高値警戒感がある中、新た なマイナス材料として国内政治の先行き不安が浮上、20カ国・地域財 務相・中央銀行総裁会議(G20)後の投資マネーの変化も警戒し、投 資家は様子見姿勢を決め込んだ。日興コーディアル証券・国際市場分 析部の河田剛部長によると、「短期的な利益確定の動きが出た」という。

ブルームバーグ・データによると、今週の東証33業種の騰落状況 の上位は、1位保険(7.6%高)、2位その他金融(6.8%高)、3位証 券・商品先物取引(6.4%高)、4位鉱業(6.2%高)、5位不動産(5.6% 高)など。こうした業種の一角が下げ、相場の足を引っ張った。

海外勢の失望警戒も

強気相場に水を差しそうなのが、国内政治問題だ。民主党の小沢 一郎元代表に近い同党の比例選出衆院議員16人が17日、党側に会派 離脱届を提出した。赤字国債を発行するための公債特例法案など2011 年度予算関連法案の成立に一層不透明感が増し、菅内閣の政権運営は 厳しさを増している。

ユナイテッド投信の井上氏は、法人実効税率の5%引き下げなど は「株式相場にとってサポートになると受け止められていたため、法 案が通過しないとなると、せっかく日本株を買ってきた海外投資家の 失望感を誘いかねない」と警戒する。

東京証券取引所によると、海外投資家は2月第2週(7-10日) までに日本株を15週連続で買い越し、相場上昇の立役者となった。買 越額は累計で2兆1117億円。15週連続の買い越しは、2005年6月3 週から12月1週までの26週以来、約5年ぶりの長さだ。海外勢がひ とたび売りに回れば、堅調相場が一気に崩れるリスクがある。

G20の新興国政策を注視

こうしたマネーの動きに変調を来たしかねない要因のもう1つは、 18日からフランス・パリで開催されるG20だ。海外勢の買い意欲の背 景にあるのが、米国など先進国による歴史的な金融緩和。G20では、 新興国から資本が流入してインフレ傾向にある新興国経済への対応な どを協議する。仮に資本流入規制が具体的に決まれば、マネーの流れ が変わる可能性がある。大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研 究所・投資戦略部の高橋和宏部長は、「マーケットの流動性にどう影響 を与えるのか、注意が必要」と指摘していた。

保険や証券、不動産などこれまでのけん引業種が下げたのに加え、 トヨタ自動車や日立製作所、ソニーなど時価総額上位の輸出関連株の 一角も弱かった。

半面、きょうの相場を支えたのが海運株。バルチック・ドライ指 数は17日の取引までに9連騰し、ばら積み船運賃市況の底入れ期待が 高まった。また、鉱業や石油・石炭製品など原油関連株も堅調だった。

KNTがストップ高、平和不は急落

材料銘柄では、11年12月期の連結純利益を前期比約7倍の22億 円と大幅増益を計画したKNT株がストップ高(値幅制限いっぱいの 上昇)。3月31日の株主名簿に記載された株主に対し、1株につき20 株の株式分割を行うシミック、発行済み株式総数の1.84%に相当する 700万株を上限に自社株買いを行う七十七銀行が大幅高となった。

半面、公募増資で発行済み株式数が最大36%増加する見通しとな った平和不動産が急落。東証1部の下落率上位にはソフトブレーン、 ジャフコ、フィデック、エヌエスディなどが並んだ。

マザーズ500ポイント回復

1部市場が停滞色を強めた中で国内新興市場は続伸、東証マザー ズ指数の終値は前日比2.5%高の503.33と昨年4月30日以来、500 ポイントの大台を回復した。ジャスダック指数は同0.2%高の55.27。 テレビCM編集業務を中心に予想以上に受注が堅調に推移し、11年2 月期業績と期末配当予想を上方修正したレイが急伸。イトーキの連結 子会社となるダルトンが大幅続伸し、書庫ロッカーの好調で前期業績 が上振れたキング工業はストップ高となった。

半面、のれん評価損や貸倒引当金繰入額の追加計上などで特別損 失を計上するため、前期の最終赤字幅が拡大したもようと前日発表し たアップルインターナショナルが反落。売買代金上位ではスカイマー ク、スタートトゥデイ、楽天なども下げた。

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