UBSの伊藤氏:米雇用回復でQE2」の終了視野、米金利4%台試す

UBS証券の伊藤篤シニア債券ス トラテジストは、米国では雇用情勢の回復が続けば量的緩和第2弾(Q E2)の6月終了が視野に入るとみており、米長期金利は4月にかけ て1年ぶりに4%の大台を試すとの見通しを示した。

伊藤氏は17日のインタビューで、米国の雇用情勢を判断する上で 3月4日と4月1日に公表される雇用統計が重要だと指摘。「ここで非 農業部門雇用者数が前月比で16万人程度の増加が維持されれば、米連 邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の失業率が正常な水準 に戻るには数年かかるとする想定を上回る回復ペースとみることが可 能だ」と分析した。

その場合、伊藤氏は、米国債市場は足元の強い経済指標にも支え られてQE2の終了を織り込む展開となり、長期金利は直近の最高水 準である3.77%を上抜けて4%を目指すと予想。米10年債利回りが 4%の大台を付ければ昨年4月5日以来となる。

FRBは2010年11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、 11年6月にかけて6000億ドル(約50兆円)の米国債を追加購入する 計画を決めた。量的緩和策の第1弾「QE1」は、09年3月から10 年3月末まで実施された。

米金利は2カ月で100bp急騰

米国の10年債利回りは昨年10月に一時は2.4%を下回ったが、 その後の2カ月間で100ベーシスポイント(bp)近くも急騰。12月以 降に3.3-3.5%程度のレンジ取引が続いた後に、2月に入ると再び金 利水準を切り上げる展開となり、一時は10カ月半ぶり高い水準となる

3.77%まで上振れる場面があった。17日は3.57%で取を終えた。

また、QE2解除が視野に入っても米国株相場が底堅く推移する と、米長期金利も高止まる傾向が続く可能性が高いとみている。

伊藤氏によると、日本で量的緩和政策が採用された01年3月以降、 日経平均株価は一時的に約20%上昇した後は長期低迷が続いたが、米 国では当時の日本と比べて金融システム不安は乏しいという。

ダウ工業株30種平均は昨年8月以降すでに20%を超える上昇と なり、「さすがに今後は調整局面も出てこようが、株価が大幅な下落に 転じるとはみていない」と話した。

ブルームバーグのアナリスト調査によると、米10年国債利回り の予想の加重平均はことし6月末で3.68%、来年3月末で4.13%とな っている。

投資家需要が日本の金利高を抑制

一方、米国の金利が上昇すれば、国内債市場もつられて金利に上 昇圧力がかかりやすい。しかし、新年度入りを控えるタイミングだけ に、金利が上昇すれば投資家の買い需要も膨らむとみている。

伊藤氏は、「日本の景気が一定の回復局面にある一方、日本銀行の 利上げまでは展望できないことから、10年債利回りは1.2-1.5%程度 のレンジを形成する」と予想。その上で、「銀行にとって貸し出しが伸 びずさらに長期の新規約定金利が1.2%台に低迷する中で、10年債利 回りが1.4%を上回ってくれば投資妙味が増すため、こうした買い需 要が日本の金利高を抑制する」と説明した。

日本の長期金利の指標となる新発10年国債利回りは、昨年10月 には約7年ぶり低水準となる0.82%を付けた。しかし、その後に金利 水準を切り上げるとこの2カ月間は1.2%を挟むもみ合いが続き、今 月9日には約10カ月ぶりの高水準となる1.35%を記録した。

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