2月17日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドルが対円で下落、失業保険申請増や米債利回り低下

ニューヨーク外国為替市場ではドルが下落、対円で7日ぶりの大 幅安を記録した。米国の新規失業保険申請件数が予想を上回ったほか、 米国債の利回り低下がドル売りの背景。

スイス・フランは主要16通貨のうち15通貨に対して上昇。イ ランの国営TVは、同国がスエズ運河通過のため、艦艇2隻を送ると 報じたことから、安全逃避先通貨としてのフランに買いが集まった。 南アフリカ・ランドは対ドルでの値上がりが最も大きかった。商品相 場の上げが手掛かりだった。

ゲイン・キャピタル傘下のオンライン為替取引会社FOREXド ット・コム(ニュージャージー州ベドミンスター)のチーフストラテ ジスト、ブライアン・ドーラン氏は「スイス・フラン、金、原油はい ずれもイランによるスエズ運河航行の可能性を材料に上昇した。イラ ンの問題が解決するにつれ、相場は反転するだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時9分現在、ドルは対円で0.4%安の 1ドル=83円33銭。前日は83円68銭だった。一時は0.6%安 と8日以来の大幅安を付けた。ドルは対ユーロで0.3%安の1ユー ロ=1.3603ドル。円は対ユーロで0.2%上昇の1ユーロ=113円 35銭。前日は113円55銭だった。

米2年債利回りはここ約1週間での最低を記録。ドル建て資産の 魅力が損なわれ、ドルは主要通貨すべてに対して下落した。

失業保険申請件数

米労働省が発表した12日に終わった週の新規失業保険申請件 数(季節調整済み)は前週から2万5000件増加して41万件。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は40万 件だった。

米労働省が発表した1月の米消費者物価指数(CPI、季節調整 済み)は前月比0.4%上昇となった。ブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミストの予想中央値は0.3%上昇だった。

円は対ドルで84円の節目を割り込まなかったことから、その後 は上昇した。円は前日、対ドルで一時83円98銭まで売り込まれた。

ドーラン氏は、「ドルが上昇するには、米利回りの伸びが必要だ」 と述べた。

先進10カ国の通貨で構成するブルームバーグ相関加重通貨指 数によると、円は年初から3.9%下落。ドルは1%安、ユーロは

0.8%上昇した。

スイス・フラン

スイス・フランは対ドルで1%上昇。対ユーロでも0.7%上昇 した。フランはこの日、対ドルで前日と同じ1.2%高まで買い進ま れる場面もあった。

イラン国営のプレスTVは、イランがスエズ運河へ艦艇2隻を送 っていると、匿名の海軍当局者を引用して報じた。これに対し、スエ ズ運河当局の交通担当責任者、アハメド・エル・マナクリー氏は電話 取材で、イランの砲艦には一隻も航行許可を与えていないと述べた。

◎米国株:S&P500種が2年8カ月ぶり高値-指標改善などで

米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は2年8カ月ぶりの 高値となった。消費者物価指数が予想を上回る伸びとなったものの、 企業決算や製造業景況指数の改善が好感され買い進まれた。

クリフス・ナチュラル・リソーシズが高い。決算で利益がアナリ スト予想を上回ったことに反応した。エヌビディアも大きく上昇。同 社が発表した売上高見通しはアナリスト予想を上回った。一方、アメ リカン・エキスプレス(アメックス)は下落。デビットカード手数料 規制案のインターチェンジ・フィー(売り上げ交換手数料)への影響 をめぐり懸念が広がった。ハンティントン・バンクシェアーズも安い。 バンク・オブ・アメリカによる投資判断引き下げが嫌気された。

S&P500種株価指数は前日比0.3%高の1340.43。ダウ工 業株30種平均は29.97ドル(0.2%)上げて12318.14ドル。 中東での反政府デモや、イランはスエズ運河航行へ艦艇2隻を送って いると、国営のプレスTVが報じたことに反応し、株価は一時下げる 場面もあった。

キーコープのプライベートバンキング部門のチーフ投資ストラテ ジスト、ブルース・マケイン氏は「景気に勢いがある」と指摘。「個 人消費は回復し、企業も一段と楽観的になっている。製造業は拡大を 続け、決算も好調だ。これだけあれば、株価の上昇維持には十分だ」 と述べた。

経済指標

ブルームバーグのデータによれば、1月10日以降に決算を発表 したS&P500種構成銘柄387社のうち約72%の1株当たり利益 がアナリスト予想を上回った。

通常取引の開始前では、株価指数先物が下落。米労働省が発表し た1月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比

0.4%上昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予 想中央値(0.3%上昇)を上回った。また、同省が発表した12日に 終わった週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週から2万 5000件増加して41万件となった。エコノミスト予想の中央値は 40万件への増加だった。

通常取引開始後にフィラデルフィア連銀が発表した2月の同地区 製造業景況指数は35.9と、04年1月以来の高水準に上昇。エコノ ミスト予想の中央値(21)も上回った。この発表後は、株価は上昇 した。このほか、米民間調査機関コンファレンス・ボードが発表した 1月の米景気先行指標総合指数(LEI)は7カ月連続での上昇とな った。

ブルームバーグ消費者信頼感指数

ブルームバーグがこの日発表した消費者信頼感指数は、2カ月ぶ り低水準付近にとどまった。ガソリンの値上がりなどを背景に、景気 の先行きに悲観的な見方を示す消費者が増えている。ブルームバーグ 消費者信頼感指数は、13日終了週にマイナス43.4となった。前週 はマイナス46だった。調査対象の29%は景気が悪化すると回答。 これは昨年11月以来の高水準で、今年1月の23%から上昇した。 同指数はこれまでABC放送が発表していた。

キャンター・フィッツジェラルドの株式トレーディング担当シニ アマネジングディレクター、ウィリアム・ニコルズ氏は「センチメン トはなおも慎重だ」とし、「長い間、インフレを経験していないため、 ある時点で金利が上昇するとの警戒感が見られる。これは単に時期の 問題だ」と続けた。

クリフス・ナチュラル、エヌビディア

クリフス・ナチュラルは7.2%高の99.52ドル。鉄鉱石生産 で北米最大の同社が発表した10年10-12月(第4四半期)決算 は、一部項目を除いたベースでの利益が1株当たり2.25ドルとな った。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想は同2.22ドルだ った。

エヌビディアは9.8%高の25.68ドル。同社は、11年2-4 月(第1四半期)の売上高が少なくとも9億3960万ドルになる見 込みだと発表した。ブルームバーグがまとめた予想平均は8億8960 万ドル。

アメックスは2.3%安の45.78ドル。米連邦準備制度理事会 (FRB)のラスキン理事は、「スワイプ」と呼ばれるデビットカー ドの取引手数料の上限設定について、昨年12月公表の提案に対する 一般からの意見を聴取するまで、FRBが最終判断を下すことはない との認識を示した。

ハンティントン・バンクシェアーズは2.5%安の7.35ドル。 バンク・オブ・アメリカは、ハンティントンの投資判断を「ニュート ラル(中立)」に指定。従来の「買い」から引き下げた。

◎米国債:上昇、中東の政情不安で-米失業保険申請件数が増加

米国債相場は上昇。中東で政情不安が高まっていることが買いを 誘った。先週の米新規失業保険申請件数が増加し、労働市場の改善に は時間がかかるとの見方が広がったことも買い材料。

イランがスエズ運河航行へ艦艇2隻を送っていることが伝わると、 10年債利回りはほぼ2週間ぶりの低水準となった。1月の米消費者 物価指数(CPI)が予想を上回る伸びを示した後も国債は上昇した。 ニューヨーク連銀は2018年5月-20年8月に償還を迎える米国債 72億ドル相当を購入した。これは経済に6000億ドルを注入する計 画の一環。

BNPパリバの金利ストラテジスト、セルゲイ・ボンダルチャク 氏は「不確実性と地政学的リスクが国債を支えている」と指摘。「市 場参加者は国債のショート(売り持ち)を望んでいない」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時56分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の3.57%。これは4日以来の低水 準。同年債(表面利率3.625%、2021年2月償還)価格は13/32 上げて100 14/32。30年債利回りは2bp低下の4.66%。

米財務省はこの日、インフレ連動債(TIPS)の入札(発行額 90億ドル)を実施した。最高落札利回りは2.190%。前回入札 (昨年8月23日)は1.768%だった。投資家の需要を測る指標の 応札倍率は2.54倍と、前回の2.78倍を下回った。

財務省は22日から3日連続で実施する入札の規模を発表。2年 債と5年債はいずれも350億ドル。7年債は290億ドル。この年 限の国債入札の規模は昨年10月以降据え置かれている。

中東情勢

国債が上昇した背景には、バーレーンで、民主化を求めるデモ隊 による政権交代要請が激しさを増したことがある。比較的安全とされ る国債の需要が高まった。

イランはスエズ運河航行へ艦艇2隻を送っており、運河通過の許 可を得るためにエジプト当局と接触していると、国営のプレスTVが 報じた。スエズ運河当局の責任者、アハメド・エルマナクリー氏はブ ルームバーグとのインタビューで、イラン艦艇に航行許可を与えた事 実はないと述べた。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダの米国債トレーダー、ダン・マ ルホランド氏は、「中東情勢に関する緊張感を背景に取引している」 と指摘。「同地域は週末にかけてやや不安定になるかもしれない」と 述べた。

米新規失業保険申請

米労働省がこの日発表した12日に終わった週の新規失業保険 申請件数(季節調整済み)は前週から2万5000件増加して41万 件。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は 40万件への増加だった。失業保険の継続受給者数は、5日に終了し た1週間で1000人増加して391万1000人だった。

ジェフリーズ・グループの政府債エコノミスト、トーマス・サイ モンズ氏は、「失業保険申請件数はここのところ変動が激しい。天候 が関係している可能性があるため、現状を把握するのは難しい」と述 べた。

米ダラス連銀のフィッシャー総裁は、米連邦準備制度理事会(F RB)による米経済への流動性供給は十分であり、景気刺激の新たな 取組みについては支持するつもりはないとあらためて表明した。同総 裁は今週、景気回復に伴って引き締め措置をいち早く推進する当局者 に自身が含まれるだろうとの見方を示している。

米労働省が発表した1月の米消費者物価指数(CPI、季節調整 済み)は前月比0.4%上昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめた エコノミストの予想中央値は0.3%上昇だった。1月の食品とエネ ルギーを除いたコア指数は前月比0.2%上昇と、2009年10月以来 の高い伸びとなった。

◎NY金先物:続伸、インフレヘッジの買いで1カ月ぶりの高値

ニューヨーク金先物相場は続伸。消費者物価の上昇でインフレヘ ッジとしての金買いが活発になり、1カ月ぶりの高値を付けた。

1月の米消費者物価指数(CPI)は連続7カ月目の上昇。英国 でもインフレが加速し、先月のCPIは2年2カ月ぶりの水準に上昇 した。金相場は今年に入り2.6%下落。昨年は年間で30%上昇し、 12月には過去最高値を記録した。

ゴールドマネー・ドット・コムの創業者、ジェームズ・ターク氏 は、「インフレ見通しの悪化で、金は上昇トレンドに復帰する準備が 整った」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比10ドル(0.7%)高の1オンス=1375.10ドル。 一時は1385.40ドルと、1月13日以来の高値をつけた。最高値は 昨年12月7日に記録した1432.50ドル。

◎NY原油:続伸、中東情勢の緊迫で-ブレントとの値幅が縮小

ニューヨーク原油先物相場は続伸。今月に入って最大の上げとな った。中東情勢の緊迫を受けて買いが続いた。過去最大にまで拡大し ていた米国の代表的な油種であるWTI(ウエスト・テキサス・イン ターミディエート)と北海ブレントの値幅は縮小した。

バーレーンやイエメン、リビアで反政府デモ参加者と治安当局が 衝突。イラン国営テレビは同国がスエズ運河に向け艦艇2隻を送って いると報じた。トレーダーが資金をWTIに移したため、北海ブレン トは2年ぶり高値から下落した。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・ キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は、 「ブレントとWTIのスプレッドは縮小しつつある」と指摘。「地政 学リスクが意識され、WTIがブレントに追いつこうとしている」と 説明した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比1.37ドル(1.61%)高の1バレル=86.36ドルで終了。1月 31日以来の大幅高となった。過去1年では12%上昇。

◎欧州株:5日続伸、2年半ぶり高値-キャップ・ジェミニなど高い

欧州株式相場は5営業日続伸。ストックス欧州600指数は2年 半ぶり高値を付けた。キャップ・ジェミニやPPRの利益が予想を上 回ったほか、米景気先行指数が7カ月連続で上昇したことが支援材料 だった。

仏コンピューターサービス会社キャップ・ジェミニは7.6%急 伸。高級ブランド「グッチ」などを傘下に置く仏PPRは2.2%上 げた。仏油田サービス会社、テクニップは1.9%高。昨年10-12 月(第4四半期)決算で黒字を確保したことがきっかけとなった。

ストックス欧州600指数は前日比0.2%高の291.16と、 2008年8月以来の高値で引けた。世界的な景気回復で企業利益が増 えるとの見方のほか、ユーロ圏の高債務国向け支援策が奏功するとの 観測に支えられ、同指数は年初来では5.6%上げている。

ブルームバーグがまとめたデータによると、ストックス欧州 600指数の構成銘柄の株価収益率(PER、実績ベース)は15倍 強と、9カ月ぶり高水準に近い。

OFIアセット・マネジメント(パリ)のファンドマネジャー、 ライオネル・ウルタン氏は、「業績は改善しており、売上高と利益率 も伸びた」と述べ、「短期的に買われ過ぎたことから調整が入るとの 声もあるが、私は引き続き長期的に前向きだ」と続けた。

この日発表された米経済統計で、米民間調査機関コンファレン ス・ボードがまとめた1月の米景気先行指標総合指数(LEI)は前 月比0.1%上昇した。米フィラデルフィア連銀管轄地区の2月の製 造業景況指数は7年ぶりの最高を記録した。

17日の西欧市場では、18カ国中10カ国で主要株価指数が上 昇。ギリシャのアテネ総合指数は2.7%高となった。

◎欧州債:スペイン中心に高債務国債下落-調達額が計画上限下回る

欧州債市場では、スペイン10年債を中心に高債務国の国債相場 が下落した。スペイン政府がこの日実施した国債入札で調達額が計画 の上限に達しなかったことを背景に、周辺国の国債に対する需要が後 退しているとの懸念が広がった。

スペイン10年債利回りは3日ぶりに上昇。スペイン政府は、 10億ユーロの2037年償還債と、25億ユーロの2020年償還債を 発行。総額30億-40億ユーロの調達を計画していた。ポルトガル 5年債利回りは少なくとも1999年以来の高水準を付けた。

一方、ドイツ10年債は3日続伸。フランス5年債も上昇。同国 は5年債を37億ユーロ発行した。

DZ銀行のストラテジスト、グレン・マルシ氏(フランクフル ト在勤)は、「スペインにとって好ましい結果ではなかった。長期債 の資金調達で目標に届かなかった。利回りに関する限り、入札はそれ ほど悪いものではない」と語った。

ロンドン時間午後4時52分現在、スペイン10年債(表面利率

5.5%、2021年4月償還)の利回りは前日比2ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の5.36%。イタリア10年債利回 りはほぼ変わらずの4.74%。

ドイツ10年債利回りは6bp低下の3.18%と、今月1日以来 の最低となった。2年債利回りも6bp下げ1.32%。

◎英国債:続伸、10年債利回り3.76%に低下-国債入札を消化

英国債相場は続伸。英政府はこの日、10年債を入札した。

10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下の3.76%。2年債利回りは4bp下げ1.47%。

英公債管理局(DMO)によると、この日実施された27億 5000万ポンドの国債(表面利率3.75%、2020年9月償還)の平 均落札利回りは3.89%。先月6日の前回入札時は3.69%だった。 応札倍率は2.1倍(前回入札は2倍)。

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