ドイツの近くて遠い夢、手元で消えたECB総裁ポスト-見返り期待も

【記者:Simon Kennedy and Christian Vits】

2月17日(ブルームバーグ):ドイツ人が初めて欧州中央銀行(E CB)総裁のポストを獲得するチャンスは、メルケル首相が首席経済 顧問をドイツ連銀総裁に指名したことで失われつつあるようだ。

次期独連銀総裁にイエンス・バイトマン氏が指名されたことで、 6人で構成するECB理事会(総裁と副総裁含む)では、ドイツ人の シュタルク理事が残る3年の任期を務めることになる。理事会メンバ ーは1国につき1人に限るのが慣例だ。エコノミストの間では、ウェ ーバー独連銀総裁が突然辞意を表明するまでは、同氏がECB総裁と なる代わりにシュタルク氏が理事を退き、独連銀総裁になるとの観測 が有力だった。

欧州連合(EU)各国は現在、恒久的な危機対応メカニズムや財 政ルールの改革を推進している。ノムラ・インターナショナル(ロン ドン)の欧州担当シニアエコノミスト、イエンス・ソンダーガード氏 は「メルケル首相は3月末の合意を目指す次の『重要な取引』で特に ユーロ圏の小国から譲歩を引き出す見返りとして、ドイツ人以外の候 補に同意するとわれわれは考えている」と話す。

ウェーバー氏に代わるECB次期総裁候補の中で、イタリア銀行 (中銀)のドラギ総裁は今週、ドイツを他のユーロ圏諸国の「模範」 と呼び、総裁レースで優位に立った可能性がある。経済政策の決定に 20年にわたって携わり、20カ国・地域(G20)の中銀や監督当局で 構成する金融安定化理事会(FSB)議長を現在務めていることも同 氏の経歴の強みだ。

一方、ドラギ氏が米投資銀行ゴールドマン・サックス・グループ に3年間籍を置いたことや、出身国イタリアの公的債務の国内総生産 (GDP)比率がギリシャに次いでユーロ圏で2番目に高く、財政規 律が弱いという評判は不利に働くことになりそうだ

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