ドルが対ユーロで下落幅縮小、中東情勢などの不透明要因を警戒

東京外国為替市場では、午後の取 引でドルが対ユーロで下落幅を縮小した。米国を中心に世界景気が底 堅さを維持しているとの見方を背景にリスク選好に伴うドル売りが先 行したものの、中東情勢などの不透明要因もくすぶっていることから、 ドルの下値は限定された。

ユーロ・ドル相場は午前の取引で一時1ユーロ=1.3609ドルと、 4営業日ぶりの水準までドル安が進行。午後にかけてはドル売りの勢 いが鈍る格好となり、1.35ドル台後半まで値を戻して推移した。午後 4時現在は1.3557ドル近辺。ユーロ・円相場は一時1ユーロ=113円 68銭と、1月28日以来の円安値を付けたあと、113円台前半まで円が 買い戻され、同時刻現在は113円35銭近辺で推移している。

一方、ドル・円相場は1ドル=83円70銭をドルの上値に83円52 銭まで軟化。午後の取引では午前に形成されたレンジ内での値動きに 終始し、日中の値幅はわずか18銭にとどまった。午後4時現在は83 円61銭で取引されている。

みずほ総合研究所の武内浩二シニアエコノミストは、米経済につ いては、「明確に悪いという数字はそんなにない」ことから、目先は景 況感が悪化する段階ではないとして、株の上昇局面などでは、リスク 選好に伴ってドルも円も売られやすくなると指摘する。

ただ、武内氏は、米株については企業の決算好調などを背景に上 昇基調が続いていたが、決算発表が一巡していることから、調整の動 きも見込まれ、中東情勢などの不透明要因も相まって、「どこまでもリ スク選好でどんどん動く状況ではない」とも説明している。

バーレーンでは民主化を求めるデモが継続しているほか、イエメ ンでもデモ隊が警察と衝突するなど、世界情勢の不安定化が警戒され ている。前日の海外市場では、イスラエルのリーベルマン外相が、イ ランの砲艦2隻が16日夜にスエズ運河を通ってシリアに航行する計 画だとして、「挑発的行為」と非難したことを受けて、逃避需要を背景 に米国債が買われる場面も見られていた。

米金利動向を見極め

一方、この日の米国時間には、米連邦準備制度理事会(FRB) バーナンキFRB議長が上院銀行委員会で証言するほか、複数の連銀 総裁の講演が控えている。さらに、新規失業保険申請件数や消費者物 価指数(CPI)などの経済指標も発表される。

上田ハーローのシニアアナリスト、山内俊哉氏は、住宅と雇用が 米経済の問題になっていて、住宅に関しては「ようやく上向きつつあ る」といった感があると指摘。そうした中、今日発表される雇用関連 指標の結果とバーナンキ議長の議会証言の内容を受けて、「金利がどっ ちに向くか」というところを見極めたいとしている。

FRBが16日に公表した連邦公開市場委員会(FOMC、1月 25、26日開催)の議事録によると、今年のインフレ調整後の国内総生 産(GDP)予想は3.4-3.9%増と、昨年11月時点での予想(3-

3.6%増)から上方修正された。また、失業率は今年10-12月(第4 四半期)に平均8.8-9%になるとし、昨年11月時点での予想(8.9 -9.1%)から若干引き下げられている。

また、16日に発表された1月の米住宅着工件数は、前月比15%増 の59万6000戸と、ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の 中央値53万9000戸を上回っていた。

--取材協力:小宮弘子 Editor:Masaru Aoki, Joji Mochida

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