日本株は年初来高値を連日更新、米景気期待で輸出など大型株買い

日本株相場は続伸し、TOPIX、 日経平均株価ともに年初来高値を連日で更新した。米国で住宅統計や 金融当局の議事録など景況感の改善を示す材料が相次ぎ、米景気の回 復観測が強まった。電機や輸送用機器など輸出関連、金融関連セクタ ーを中心に時価総額上位銘柄の上げが顕著。

TOPIXの終値は6.84ポイント(0.7%)高の974.14と9日続 伸、日経平均株価は同28円35銭(0.3%)高の1万836円64銭。

大和住銀投信投資顧問の門司総一郎投資戦略部長は、「国内景気や 企業業績が回復している上、円高懸念も遠のいている。外国人買いに よる需給環境も良好だ」と指摘。弱気になる必要はなく、「利食いを交 えながら上昇基調は続く」との見方を示した。

今週に入り、日本株相場は4連騰と1日も下げていない。連日で 年初来高値を更新し、きょうはTOPIX、日経平均とも昨年4月30 日以来の高値水準を付けた。東証1部の値上がり銘柄数は1044と、値 下がり498を大きく上回り、33業種は28業種が上昇。日本株への資 金流入が継続している。東海東京証券の鈴木誠一マーケットアナリス トによると、「インフレ懸念の高まりをきっかけに、『日本株売り、新 興国株買い』のポジションを組んでいた投資家が投資資金をアンワイ ンド(巻き戻し)させている」という。

米量的緩和第2弾(QE2)で世界にあふれた投資資金は、原油 や食品など商品相場に流れ、新興国のインフレを引き起こした。金融 引き締め懸念の台頭で資金は新興国から逃避、アジアの株式市場は軟 調となっている。ブルームバーグ・データで年初来騰落率を比較する と、ムンバイSENSEXが11%安、韓国総合が3%安、上海総合が 4%高。これに対し、TOPIXは8%高と優位に立つ。

「今後のマネーの動向を見極める上では、新興国の資本流入の是 正が議論される今週末のG20(20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会 議)に注目している」と東海東京証の鈴木氏は話していた。

円高リスク後退、コア30上げ大きい

足元で投資家心理を強気にしているのが、米景気への期待と為替 の落ち着きだ。16日発表の1月の住宅着工件数は年率換算で前月比 15%増の59万6000戸と、ブルームバーグ予想53万9000戸を上回り、 住宅市場の底打ちを示唆した。また、米連邦準備制度理事会(FRB) が公表した米連邦公開市場委員会(FOMC、1月25、26日開催)の 議事録では、家計支出改善などで11年の成長率予測を上方修正したこ とが明らかになった。

コスモ証券投資情報部の清水三津雄副部長は、「米国は景気と株価 がともに堅調で、長期金利が上昇している。このため、為替は徐々に 円安傾向だ。外部環境の好転により、出遅れ感のあった日本株に資金 がシフトしている」と見る。

米10年債利回りは1月後半から上昇傾向だ。今月4日には昨年5 月3日以来となる3.6%台を突破、8日には3.7%を超え、その後は

3.6%台で推移する。昨年1年間の平均は3.19%。日米10年債利回り 格差は8日に昨年5月3日以来の2.4%台に達し、為替の円高リスク が遠のいている。16日のニューヨーク為替市場では、ドル・円が一時 1ドル=83円98銭と昨年12月20日以来の円安水準を付けた。

きょうの日本株市場では、朝方から輸出や金融、資源関連業種を 中心に買いが先行。東証1部33業種の値上がり率上位には、鉱業やゴ ム製品、電気・ガス、海運、証券などが並んだ。また、規模別の値動 きを示すTOPIXニューインデックスシリーズを見ると、時価総額 と流動性上位30銘柄で構成されるコア30指数が1.1%上げ、上昇率 1%未満だったラージ70、ミッド400、スモール指数より強かった。

りそなHD代金トップ、国内新興市場は反発

個別では、3月末までの公的資金の一部返済で8年ぶりに国有化 から抜け出すと17日付朝日新聞で伝えられたりそなホールディング スが続伸し、東証1部の売買代金1位。11年3月期の株主還元策とし て自社株買いを拡大する公算が大きい、と17日付の日本経済新聞朝刊 が報じたホンダが上昇。米医薬品企業のアヴェオからがん治療薬「チ ボザニブ」を導入するアステラス製薬も高い。

半面、2度の業績予想の上方修正で収益力への評価はおおむね株 価に織り込まれたとし、モルガン・スタンレーMUFG証券が投資判 断を「イコールウエート」に引き下げたマキタが続落。東証1部売買 代金上位では東芝、オリックス、クボタ、エルピーダメモリが安い。

国内新興市場は反発。ジャスダック指数の終値は前日比0.1%高 の55.14、東証マザーズ指数は同0.1%高の491.01。個別では、土地 譲渡による特別利益の計上で、上期の純利益予想を増額修正したシス テムソフトが急騰。合併・買収(M&A)に関するアドバイザリー事 業などが急拡大し、10年12月期の連結営業利益が前期比5.5倍だっ たGCAサヴィアングループも大幅上昇。発行済み株式総数の7.5% を上限に、自社株買いを行うアドウェイズも高い。半面、サイバーエ ージェント、倉元製作所、ユビキタス、日特エンジニアリングが下落。

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